株式会社タスカジ 様
AIチャットボットの活用でユーザー体験の向上へ
自己解決率向上とログ分析によるニーズを捉えたサービス改善を実現
家事代行のマッチングプラットフォームを開発・運営しているタスカジ。ユーザーの急増によりメールでの問い合わせ件数が増える中、迅速かつ的確な顧客対応を行うためにAIチャットボット「FUJITSU Business Application CHORDSHIP powered by Zinrai(以下、CHORDSHIP)」を導入。顧客が用件をホームページ上で解決できる自己解決率を高めるとともに、蓄積したログデータを解析し、リアルな顧客ニーズを捉えたサービスの開発に取り組み、サービス満足度向上を図っている。
- 課題FAQを充実させたがメールによる問い合わせが減らない
- 効果言葉のゆらぎを吸収する高精度のAIチャットボットで自己解決率を向上
- 課題業務負荷をかけずに手軽に新サービスを導入したい
- 効果手間やコストをかけず、僅か1ヶ月で導入
- 課題サービスの改善・拡充をしたいが対応できる人員が少ない
- 効果ログデータからリアルなニーズを把握し優先順位をつけて対応
背景
サービスのさらなる成長のため、顧客接点を高度化したい
家事代行を依頼したい人と、ハウスキーパーとして働きたい人をインターネットでマッチングさせる家事シェアサービス“タスカジ”。「サービスの運営において大切にしているのは“ユーザー体験”を向上させることです。そのために、利用しやすいシステムであること、“タスカジさん”と呼ばれるハウスキーパーのパフォーマンスが優れていること、そしてサポート体制が整っていること、この3点に注力してきました」と語るのはタスカジ 代表取締役の和田幸子氏。共働き世帯の増加や働き方改革など、時代のニーズに合ったサービスが注目を集め、この1年間でユーザー数を3倍に伸ばすなど、そのサービスは急成長を見せている。
しかし、ユーザーの増加により、課題も出てきた。「ユーザー様の多くは毎日を忙しく過ごしている方々です。疑問点や不明点があればサイトの情報を見てその場で解決したいはずですが、メールで問い合わせないと分からないと感じさせてしまっており、解決に時間がかかっているのは大きな課題でした」(和田氏)。
経緯
FAQの充実では効果は不十分
AIチャットボット導入で自己解決向上を目指す
同社は、サイトに掲載するFAQを充実させるなど対策を行なったが、目に見える改善にはつながらなかった。「メールで問い合わせをいただく内容の多くは、サイトに情報を載せているものでした。つまり情報はあっても、そこに辿り着けないユーザー様が多くいたのです。よりわかりやすく、情報を見つけやすい導線をつくるにはどうしたらいいか悩んでいました」とタスカジ マーケティングマネージャーの加藤朋子氏は話す。そんなとき、富士通から提案されたのがCHORDSHIPだ。CHORDSHIPはコンタクトセンター業務をサポートするAIチャットボットを活用した自動応答サービス。話しかけるように気軽に質問できるため、メールで問い合わせするよりもハードルが下がる。加藤氏は「既存のサイトを変えることなく、追加するだけで始められるので、大きな手間やコストがかからないことにも魅力を感じ、まずは試しにやってみようと気軽な思いで導入を決めました」と選定した理由を話す。
ポイント
既存FAQを活用して1ヶ月で導入
言葉のゆらぎを吸収した高い自動応答精度に満足
CHORDSHIPの大きな特長は、精度の高いAIチャットボットをすぐに利用できるところである。「ご提案いただいてから稼働までに要した期間は1ヶ月ほどで、想定していた以上に簡単に導入できました」と加藤氏。導入にあたり、既存のFAQにあった情報を提供するだけで、大きく手を動かす必要はなかった。「弊社はスタートアップ企業であり、ひとりひとりがマルチタスクで仕事をしているので、日々の業務に負担をかけずに進められたことがよかったです」。
また導入のしやすさだけでなく、自動応答の精度の高さにも非常に満足していると言う。「富士通のAIチャットボットは、言葉の“ゆらぎ”や類義語までを正確に認識してくれます。例えばキッチン、台所、水回りなど、同じものを指していてもユーザー様によって使う言葉は様々ですが、その違いまでを認識して回答を導きだすので、ユーザー様が知りたい内容を的確に提供することが可能になりました」。
さらに、導入前は想定していなかった大きなメリットもあった。「“CHORDSHIPアナライザー(ダッシュボード機能)”を活用することで、問い合わせの内容や時間帯など、チャットボット利用のログデータを見ることができます。これにより、“夜間の問い合わせが多い”、“11月頃から大掃除の関心が高まる”など、ユーザーのライフスタイルやライフサイクルを知ることができました」と和田氏。
チャットボットはメールよりも気軽に質問できるため、ユーザーの本音に近い生の声を引き出しやすい。こうしたデータをCHORDSHIPアナライザーで可視化できるため、これまで気づけなかったニーズを把握し、サービス向上に活かすことが可能になる。「データをどう活用するか私たちだけで考えるのは困難ですが、そこは富士通にコンサルティングをしていただいています。私たちと同じ目線でスピード感をもって対応いただき、実行すべき対策や優先順位など的確なアドバイスをもらえるので、大変助かっています」。
効果と今後の展望
問い合わせ件数が減少
ログ分析によりリアルな顧客ニーズの把握が可能に
CHORDSHIPの導入からおよそ半年が経ち、ユーザーからの問い合わせ件数に変化が出ている。「導入後、会員数は1.5倍に増えていますが、メールでの問い合わせ件数は減少傾向にあります。FAQで迷うユーザー様が減り、自己解決率が向上した結果です」と加藤氏はCHORDSHIPの効果を評価する。
またログデータから得たユーザーの声がサイトの改善にもつながっている。「私たちはサービスに関する情報を重視していたのですが、新しい業態であり若い会社でもあることで、会社そのものへの関心も高いことがわかりました。そこで社長の経歴や事業への想いが伝わる情報を追加しました」と加藤氏。さらに、アレルギー対策やチャイルドケアといった具体的なサービス内容への質問が多いことがわかったため、スペシャルスキルを持つ“タスカジさん”を探せるように、プロフィールに資格情報を追加した。
このように、ログデータから得られるユーザーの生の声を積極的に分析・活用することで、更なるサービスやシステムの改善に取り組んでいる。「CHORDSHIPで得られたデータをさらに活用して満足の高いサービスを提供していきたいと考えています。私たちが手掛けるサービスのメインユーザーは共働き世帯ですが、家事の効率化はあらゆる家庭に当てはまる問題だと言えます。もっと多くの人が周りに助けを求められ、より気軽に家事代行を利用できる世の中をつくりたいと考えています」(和田氏)。
株式会社タスカジ 様
所在地 | 東京都港区芝2-26-1 iSmartビル301 |
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代表者 | 代表取締役社長 和田 幸子 |
ホームページ | https://taskaji.jp/ |
概要 | 「核家族から、拡大家族へ」をスローガンに、家事代行のマッチングプラットフォーム「タスカジ」を運営。家事を依頼したい人とハウスキーパーとして働きたい人が出会えるシェアリングエコノミーサービスとして注目を集め、利用者を伸ばしている。「家事シェア」の考え方を広め、ひとりひとりが自分らしく生きる時間を増やせる世界を目指す。 |
[2018年6月掲載]
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