自動画像補正技術
1枚1枚写真を修正すると時間がかかってしまいますが、そんな時、この技術があれば簡単に画質を補正してくれます。

ご利用にあたっての注意
この講座の内容は、2006年当時の情報 です。予告なしに更新、あるいは掲載を終了することがあります。あらかじめご了承ください。
最終更新日 2006年1月11日
画質補正技術ってなんだろう
すっかりデジタルカメラやパソコンの使い方に慣れたマネ美さん。(カラーマネジメントシステム(325 KB)に登場)
近頃は、最近パソコンを購入した田舎のおじいちゃんともEメールのやり取りができるようになりました。マネ美さんは、おじいちゃんに可愛い孫達の様子がわかるようにと、デジカメで撮った色々な写真を、Eメールに添付して送ってあげることにしました。
しかし、デジカメで撮った写真があまりきれいに撮れていないっていう経験はありませんか。
例
逆光で人物が真っ黒に写ってしまう。
室内で撮った写真が全体的に暗く黄色っぽくなってしまう。例えば、白い物(洋服や紙、お茶碗など)が蛍光灯の光で黄色っぽく見える等。
雨の日や曇りの日に撮った写真が何となくぼやっとしている。
夜に撮った写真がまっ暗でよくわからない
せっかくたくさん撮ったのに、なんだかどれも上手く撮れていない。
撮影時に、デジカメで細かい調節しなかったし、1枚1枚写真のソフトウェアで修正するのも大変…一度にパパッと修正して、早くおじいちゃんに送りたいのです。
そんな時 当社の自動画質補正技術を使うとどうなるでしょうか
自動画質補正技術を使えば、外から取り込んだ複数の画像を、一度に自動修正(きれいに)することができます。
おじいちゃんも可愛い孫達の顔がはっきりくっきりみえて大満足です。
\メールが来たよ~/
原理
写真の分析
明るさ
(明るいか暗いか)彩度
(鮮やかさ)コントラスト
(白と黒の差)色の偏り
(特定の色に偏っていないか
→ 実例参照)
主にこの4項目を計算式に当てはめて分析します。
ここでは、明るさをどう分析しているかについて、詳しく原理を見てみましょう。
撮影状態の推定 ~明るさ編~
- パーツわけ
各パーツに番号をつけます
- グラフ化
このグラフは、下の方に色が集中しています。
これは、露光不足で全体的に黒っぽい=失敗写真、と推定します。
要補正
補正 ~明るさ編~
このグラフを右図のように、数式によって、色に幅を持たせます。
すると、それぞれの色がはっきりします。

実例写真
原画像と補正結果を比較してみよう
露光不足の暗い写真です。きれいに見える明るさからどの程度ずれているかを計算し、適正な明るさに補正します。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
逆光の写真です。特に暗い部分を重視して補正するので、顔の表情がわかるくらいにきれいになります。右の写真は、色の偏り(紫色)も補正し、自然な色合いにします。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
白っぽい部分が多い写真です。左の写真は、露光オーバーと判断し明るさを下げますが、右の写真は、原画像のままできれいに見えると判断し、余計な補正は行いません。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
黒っぽい部分が多い夜の写真です。左の写真は、全体的に暗すぎと判断し明るく補正しますが、右の写真は、原画像がちょうど良い判断し、余計な補正は行いません。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
室内光(電灯・蛍光灯)の影響で色の偏った写真です。色の偏りを検出し、自然な色合いに補正します。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
同じような条件で撮影しましたが、左の写真はコントラスト過多、右の写真はややコントラスト不足となりました。コントラストの過不足を判断し、どちらもちょうどよく補正します。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
左の写真はかすんだ遠景、右の写真は飛行機の窓越しの風景で、典型的なコントラスト不足の写真です。くっきりきれいに見えるレベルにコントラストを補正します。
- 原画像
補正結果 - 原画像
補正結果
(注)補正画像は、CRTディスプレイを基準に作成しました。液晶ディスプレイの方は、多少明るく見えている可能性があります。
将来
いつも自動的にきれい
将来、プリンタ・ディスプレイ・スキャナやデジカメ等に、自動画質補正技術が標準内蔵されれば、従来の「画質が悪い」「画像が暗い」=あまりきれいではない、という問題がなくなります。
カラーバランス、明るさ、コントラスト、彩度の補正を自動で行ってくれるので、いつでもきれいで明るい画像をみることができます。
デジカメ
プリンタ
スキャナ
ディスプレイ
小話1
開発者Sさんの画像収集苦労話
画質補正の研究には、素人が撮った「補正の必要のある写真」が欠かせませんが、たくさん集まった写真の中、何故か夜景の写真が、全く集まっていない事に気付きました。夜景は、適切な明るさの判断が特に難しい写真で、研究者の血を騒がせるような素材です。
「今すぐにでも欲しい。もう待っていられない。自分で撮りに行くしかない。」
会社の帰宅途中、早速 近くの運動公園の裏山へ行きました。そこは、小高い山でけっこう見晴らしがよく、街の光や、高速道路のオレンジ色の照明がきれいだろうと思ったからです。
そして、運動公園の中に入ろうとしたその時、管理人のおじさんがでてきました。(びっくりした…)
管理人「何しに来たの」
開発者Sさん「………ちょっと………。」
何となく「写真を撮りに来た」とは言えませんでした。暗い時間、首にカメラをぶら下げ、自転車にまたがる男。(執筆者注:開発者Sさんはスポーツサイクルで通勤)
うしろめたい事はなくとも、これはもう、かなり怪しい人物だったと思います。
管理人「もう、この時間は入れないんだよ。」
仕方なく引き返しましたが、研究者としての煮えたぎる血はおさまりません。管理人さんの目の届かない所まで戻ってがけをよじ登り、根性で写真を撮って、実際に研究素材として活用しました。
その時の血と汗の結晶の写真です。(苦労した割には、あまり上手く撮れませんでした…)
補正前
補正後
小話2
スタッフO子の作戦とS子の期待
自動画質補正技術の開発のためのデータで、「選んだ写真でアナタの好み年齢がわかる分析パターン」なる物が、開発者のちょっとした遊び心で作られました。数枚の写真の中から選んだ写真によって、自分の好みがどの年齢層に位置するかがわかるという、女ごころをくすぐる物です。そんな面白い物を、執筆スタッフが見逃すはずがなく、強引に体験させてもらいました(ヤッター)。
…と、S子・M子が喜んでいるその時、すでにO子の作戦は水面下で始まっていたのです。
・スタッフO子の野望~作戦とは!?~
実験前O子は、好み年齢が若くでるポイントを、さりげなく開発者に探りをいれていました。どうやら「若者好み」と結果を出したいらしい。そして実験予定時間を大きく上回って終了。純粋な好みではなく、ポイントを抑えて選ぶ作戦だったのだ。そりゃぁ時間かかるに決まってる。 同年代のスタッフS子・O子(-1歳)・M子(-2歳)の間で、そんなに大きく差がでるとは思えないけれど(多分…byS子)。
・S子の期待~ウッシッシ~
「どうせ1番年上だし~」と気楽に選び(開き直りとも言う)、早々に実験終了したS子。年齢差がでない(ハズ)とは思いつつ、心の片隅でさりげなく期待している事が。実はS子は常々、M子が変わった感性の持ち主ではないかと、密かに疑っていたのです。結果次第では、「やっぱりM子はちょっと違うのよね~、私達と」と、S子と共に言ってやろうと、鬼の首をとるかの如く、S子は待ち構えていたのです。
このように執筆者達のあきれた思惑が飛び交う中、結果は出ました。
・結果
- S子:実年齢+10歳
- O子:実年齢+16歳
- M子:実年齢+7歳
注目のA子の結果は、なんと実年齢より16歳もおばば…いえ、年配ではありませんか。
S子の密かな期待を裏切り、1人極端な結果がでたのはO子なのでありました。見事に作戦失敗、野望は砕け散り、O子玉砕。M子は、実年齢を上回ったものの、3人の中では、実年齢通りやはり1番若いという結果になりました。
…その時のM子の鼻が富士山より高くなったのを、今でも忘れられません。(くやし~byS子)