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研究者の夢

人と人との繋がりを起点に夢を叶えるプラットフォームを世界へ

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2022年7月11日 掲載

人の感情への興味

人間がどのような仕組みで動いているのか考えていた子どもでしたね。
というのも、子どもの頃はしょっちゅう父の勤める鉄鋼所に連れて行ってもらっていて。
その工場で溶接の様子や、
人間の手では到底運ぶことができない大きさの物が電磁石によって持ち上げられ、
レールに沿って運ばれている作業風景を見ていると、
機械は人が動かすけれど、人間は何を起点に、どうやって動いているのだろう?
という興味が沸いたのです。
そんな風に、小さな頃から複雑な物事の連鎖反応にわくわくしていたのです。

時を経てもその興味を変わらずに持ち続けていて、大学院で専攻を決める際も
「なぜ人は何かを見ることによって感情が動くのか、その感情の動き方を研究したい」
という気持ちから、知能情報学の研究室に入りました。
入ってみるとその研究室は立体視を専門としていて
正直、僕自身が求めていた学術分野ではなかったのですけれど、
それなりに面白い部分もあったので、向き合って乗り越えることができましたね。

富士通の研究所への入社も、その研究室にたまたま研究所の方が定期的に来ていたことがきっかけです。
その研究員の方が、いつも楽しそうに研究をしている姿が印象的でした。
会社見学も行き、雰囲気もよく、僕自身の研究分野にもフィットする部分があったため
入社を決めました。

自分の存在意義の模索、自分起点での研究開拓

僕が入社した当時、ちょうど携帯電話が発達してきた頃だったということもあり、
最初に配属された部署ではWi-Fi経由での音声品質向上に向けた技術や、
電力センサ―付きの電源タップの開発に従事していました。
ただ、今振り返ると、その期間は与えられたテーマをこなす毎日で、これを続けているだけでは、
世界をリードするほどの技術は作れないのではないかと悶々としていました。

その悶々とした日々を過ごす中で、ある時、思ったのです。
研究者の存在意義は、その人にしかできないものを創ること。
与えられたテーマとの対峙ではなく、
「世界に必要だ」と「僕自身が」思うものを創り出すことだと。
そしてそれは、「人との繋がりを生むWebサービス」だと。

子供の頃から考え続けてきた「人間の感情と行動の関係」の知見と、
世界で発展し続ける情報技術の融合で、
もっと効率的で、ワクワクする世界に変えられないか。

そんな風に思い始めた第一歩でした。入社から7年目のことです。

選んだ道の先

こうして自分起点で提案を始めたのですが、足りないものが多すぎて実用に至らないことばかり。
波風すら立たない時間が、2年間続きました。
そんな時に始めたのが、ハッカソンです。
新規事業の創出に向けて業種横断で検討をする機会として開催しました。

社内で120人が協力してくれて、実際に手を動かして、文字通り色々なものを「作り散らかし」ました。
でもその「作り散らかし」が、たくさんの技術の習得と、アイデアの確立に向けて功を奏し、
「仲間と協力し合いながら、ある程度形にするプロセス」を発見することができました。

ただひとつ、大きな反省点があって。
それは、120人という大きなパワー、それも意欲ある人のパワーを昇華させることができなかった点です。
もちろん、チーム全体としてのパフォーマンス向上を鑑みながら推進するものの、
時間も限られている。タスクは山ほどある。1人で120人分の動きや想いを把握するのは難しい。
本来、120人全員の想いや力が100%発揮できていたとしたら
チームとしてさらに良いものができるはずなのに、そんなジレンマを抱えつつ、その当時はできなかったのです。

人と人との繋がりや、各々の「やりたい!」が、
プラスな相互作用として働くようなプラットフォームを創るべきだと本気で思うようになったのは、
言うまでもなく、この「やりたくてもできないもどかしさ」を感じた瞬間ですね。

そしてこのプラットフォームこそ、現在僕が中心となって推進しているBuddyup! (*1)です。

夢を叶えるプラットフォーム

Buddyup!は、
同じ想いを持つ社員を繋げ、全員の力で組織を動かすことを目指しているWebプラットフォームです。

組織やさまざまな枠組みを超えて「やりたい!」の共感の環を広げていくことによって、
組織改革、会社改革、新ビジネス創出に繋げることを見据えています。

「やりたい!」や共感は、人間の心の底から生まれるものですが、
1行1行のコードに、それを大事にするためのノウハウ、思いやりを実装すれば、
ちゃんとシステム上に思いが宿るはずです。
そうしてできたBuddyup!こそ、本来の人間らしさを根幹とした、
新たなビジネスのプラットフォームとなると信じています。

僕、仕事においては特に、
「世界中の人を幸せにして、その結果として、自分が幸せになる」ということをずっと大切にしていて。
絶対に自分が幸せになりたいからこそ、周りの人の幸せを考えたいのです。

僕たちが支援することによって、仲間ができて、新しいものがどんどんできていく瞬間や、
それを通して周りの人が喜んでいる姿、想像以上に興奮してくれたりする姿を見た時に、
自分の存在意義を感じるのです。

将来、世界中の全員がBuddyup!を使っていてほしい。
「Buddyup!があったから、夢を叶えられた」という人が、一人でも多く生まれてほしい。
そう、強く思います。

角岡 幹篤
Sumioka Motoshi
FICセンター
大学院 情報学研究科卒
2005年入社
私のパーパス
「世界中の課題を解決する幾千万のチームを作る」
音楽を聴くこと、ピアノを弾くことが好きです。
でも、最近は休みの日も楽しいから研究しちゃってますね。
常に頭の中で研究のことを考えちゃいます。

編集後記

編集担当:コミュニケーション戦略統括部 倉知 祥子

「人が何を見て、何故行動に移すか。人が人を動かす理由は何なのか。」
彼が疑問だと言ったその言葉を反芻した。
正解はわからない。
ただ、私は、いつだってそれは誰かの持つ熱意や純粋な想いに触れた時ではないかと思う。
誰かの熱い想いに触れると、意欲が湧き上がる。行動を起こしたいと思う。その「繋がり」ではないだろうか。
“Buddyup!”
それは、人との物理的な繋がりが希薄になりつつある今、
デジタル世界における人との繋がりで道を切り拓く新たなプラットフォームになるだろう。

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