AWS活用によるアジリティの向上と
システム管理の効率化

概要

コクヨ様は顧客体験価値を向上させるため「モノからコト」へ提供価値のシフトに取り組まれ、事業領域の拡大を進められています。これら事業の変革を進めていく上でAWSを導入し、アジリティの向上とシステム管理の効率化を実現されました。

お客様の課題

コクヨ様は社会環境の変化に対応し持続的な成長を実現するため、既存事業のブラッシュアップに加え、事業の拡張や新規ニーズの事業化を進められています。これら事業変革を進めるため、新たに刷新した企業理念『be Unique.』をもとに、コクヨ様の強み「共感共創」、成長戦略「顧客体験価値の拡張」、コクヨグループの共通資産「実験カルチャー」を中核とした改革を推進されています。

これらの取り組みの原動力となるITシステムは、これまではデータセンター上に構築した仮想化基盤上で稼働していました。しかしながら、事業変革に求められるスピードや技術に対応していくためには、より柔軟で拡張性のある環境が必要となっていました。さらに、これまでの環境は物理環境であるがゆえに、定期的なハードウェアのリプレイス作業が必要となり、リプレイス対応における時間とコストが課題となっていました。

上記課題解決と、市場環境の変化に柔軟かつ俊敏に対応し、データドリブンな事業変革を進めていくため、AWSを導入されました。

効果

1. アジリティの更なる向上と事業展開の迅速化

AWSの利用によって、システムの増減が従来の環境以上に柔軟かつ迅速におこなえるようになりました。また、ITシステムのアジリティ向上によって、各事業領域の拡大と成長に、より一層貢献できるようになりました。
従来の仮想化基盤においても、システムのスケールアウトやスケールアップに対応し、仮想マシンの新規払い出しにも迅速に対応できるよう、コクヨ様はキャパシティ管理と管理プロセスの整備に取り組まれてきましたが、事業の創出と領域拡大に向けて今まで以上のスピードが必要となることを見据え、より柔軟な拡張性を有するAWSを採用されました。
また、これまで培われてきた管理プロセスをAWSにおいても活用することで、ITシステムのアジリティ強化を実現されています。

2. システム管理の効率化と生産性の向上

（1）ライフサイクル管理の負荷軽減
従来の仮想化基盤では、定期的に大規模なハードウェアリプレイスを行い、ライフサイクル管理を実施されていました。今回AWSの採用によりハードウェア老朽化対応から解放され、管理、リプレイスに要していたコストと時間を次世代のDX※企画業務にシフトすることができるようになりました。

※Digital Experience、コクヨ様においてはDXをDigital Transformationではなく、コクヨ様の強みである「体験＝Experience」と定められています。

（2）マネージドサービスの活用による運用効率化
AWSの各種マネージドサービスの活用により運用負荷の軽減を実現されました。システム監視においてはCloudWatchやAmazon Connectを活用し、自動化・省力化を推進されています。従来のシステムではアラートが発生するとオペレーターが対応し担当者へ架電していましたが、今回、Amazon Connectの自動架電/メールによるアラート通知を実現し、オペレーター対応工数を従来に比べて1/2に削減することに成功されました。

マネージドサービスの活用による自動化にあたっては、富士通がこれまでコクヨ様のシステム運用で培ってきた運用管理ノウハウをAWSの監視設計に落とし込み、AWSと仮想化基盤のハイブリッド環境においても高品質でシームレスな統合運用を実現しています。

富士通採用のポイント

当社はシステム設計、インテグレーション、監視・メンテナンス業務に至るまで、コクヨ様のITインフラ環境を長年サポートさせていただいており、今回のAWSにおいても導入から運用までご支援させていただいております。

導入においては、コクヨ様を含めた様々なステークホルダーと密に連携を行い、スムーズな移行を推進させていただきました。運用にあたっては、従来の運用サポートでのノウハウを元にAWSのマネージドサービスを活用した、最適な運用環境を実現いたしました。

当社は今後も、国内最大級のデータセンター事業で培ったインフラ運用ノウハウと、常に進化し続けるAWSの最新技術を駆使し、コクヨ様の「長期ビジョンCCC2030」達成に向けた持続的な成長と変革を支えてまいります。