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八木橋ゼミナール 第7回 「マイナンバー制度の情報連携」

今回のテーマは「情報連携」。
2017年7月から、マイナンバー制度の情報連携が動き出します。本格運用は、2017年秋とされています。
この情報連携について、概要のポイントと、今後について、解説していきましょう。

2017年6月16日掲載

情報連携とは

情報連携とは、複数の機関間において、それぞれの機関ごとに管理している同一人の情報を、情報提供ネットワークシステム(以下、情報提供NWSと略します)で紐付けし、相互に活用する仕組みです。
連携される個人情報の種別やその利用事務は、番号法の別表第二で、利用事務、情報照会者、情報提供者、特定個人情報を明確に規定しています。 この情報提供NWSにより共有される主な情報には、以下の3つがあげられます。

  1. 地方税関係情報(住民税の課税情報またはその算定の基礎となる収入情報)
    • 社会保障の給付、保険料の減免を受ける際、所得要件の審査に利用されます。
    • 市区町村が発行する、課税証明書等の証明書類が省略できることになります。
  2. 住民票関係情報(続柄など、住民票に記載される、基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)以外の情報)
    • 社会保障の給付、保険料の減免を受ける際、世帯が同一であるかの審査に利用されます。
    • 住民票の写しが省略できることになります。なお、基本4情報は、住民基本台帳ネットワークによって共有されます。
  3. 他の社会保険給付に関する情報(年金給付、医療保険給付、生活保護関係など)
    • 社会保障給付の申請があった際、審査・併給調整に利用されます。
    • 日本年金機構など各行政機関等が発行する、年金の受給証明書等の提出が不要になります。

情報連携の運用開始について

この情報連携の開始について、2017年7月から試行運用、秋から本格運用とされています。
このスケジュールは、2017年3月17日に、総務省から、「「情報連携」の本格運用のスケジュールについて、住民の皆様にとってより使い勝手がよくなるよう整理しました。」と発表されたものです。(注1)

(注1) 総務省「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ等」Open a new window (2017年3月17日)

このスケジュールにある「試行運用」とは、総務大臣から、「窓口の最前線で実務に携わっていただく自治体職員の事務の習熟等のための期間も必要だと思いますので、「マイナポータル」と「情報連携」につきましては、本年7月から3か月程度、試行的に運用する期間を設けることといたしました。」と解説されています。(注2)

(注2) 高市総務大臣閣議後記者会見の概要Open a new window (2017年3月17日)

この発表の背景について、総務大臣が自身のHPのコラム(注3)に書いています。以下、一部を抜粋して紹介しましょう。

「「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ」を発表しました。(中略)「情報連携」とは、国や地方自治体が持っている住所や所得額などの特定個人情報を団体間でやりとりすることです。これによって、例えば、転入した時の行政手続において、住民票などの添付書類を用意しなくてもよくなります。リスクは、団体間でデータやシステムの仕様が異なるものを、相互にやりとりできるようにするところにあります。詳しい説明は省きますが、我が国の仕組みはプライバシーやセキュリティへの配慮が手厚く、その分、システムや事務は複雑になっています。検討が始まると、データの受け渡しや登録に不備や不明瞭な部分が見つかりました。情報照会を行う職場から不安の声も聞こえてきました。(中略)大きな決断としては、「情報連携」を開始してから「本格運用」を開始するまでの「試行運用期間」を設けることとしました。」

(注3) 早苗コラム 「マイナンバーチーム」始動!」Open a new window (2017年3月21日)

情報連携するための前提は

情報連携の開始にあたって、前提となる事項について、確認しておきましょう。
マイナンバー制度は、利用を開始した2016年1月から、既に1年以上経過しています。
住民も、行政機関側も、マイナンバーを取り扱う民間企業なども、「習熟」は進んでいるでしょうか。

(1) マイナンバーの確認と「本人確認」

各機関が情報連携をするには、各機関の保有している情報が、間違いなく、「同一人であること」が前提です。
そのためには、各機関が、対象者の正しいマイナンバーの把握・確認と、「本人であることの確認」ができていることがルールです。
たとえば、税の申告書に、マイナンバーの記載をしますが、「本人確認書類の提示又は写しの添付」が必要です。(注4)

(注4) e-Taxによる電子申告では、添付や提示が不要です。JPKIの認証で、「本人確認」を行うからです。

この「本人確認書類」とは、番号確認と身元確認ができる書類のことです。
マイナンバーカードであれば、マイナンバーカード(裏面=番号確認、表面=身元確認)で本人確認ができます。
マイナンバーカードを持っていなければ、例えば、通知カードで番号確認、運転免許証(顔写真付き官公庁発行書類)で身元確認となります。
こうした対応、ちゃんとできているでしょうか?

マイナンバーの対応ではないのですが、2016年10月から、金融機関などで、この「本人確認(身元確認)」が強化され、マイナンバー制度と同じように、「顔写真付きの本人確認書類」の提示が必要とされるようになっています。(注5)

(注5) 政府広報オンライン 「銀行口座やクレジットカードを作る際などの「本人確認」にご理解とご協力を」Open a new window (2016年10月11日)

住民が、行政機関や金融機関などの窓口の手続きには、「マイナンバーカードを提示する」という「習慣」が出来てくるでしょうか。

(2) 既存の行政対象者の確認、市区町村では「住民」の確認

行政機関のうち、市区町村では、住民基本台帳(住民票)と行政対象者の紐付け、「同一人」の確認と整備も前提です。
市区町村の庁内では、情報連携に相当する「庁内の住民の情報の共有」(注6)が行われていますが、その整備もポイントです。

(注6) 住民基本台帳法 第一条(部分)「住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度」

行政の対象者の正しい整備が必要です。たとえば、住民票が紐付けできていない対象者が、前記のマイナンバーの把握によって、正しい住民票の所在が判るなど、対象者の把握とその記録の精度が増していくことになります。

マイナンバー制度の本人確認の基本点が、この住民基本台帳(住民票)にあります。
市区町村では、住民票の正確性の確保のために、住民の居所や送付先の把握、法令に基づく実態調査など、対象者についての正しい把握とその確認が、継続的に必要とされているところです。

情報連携の運用・事務の習熟について

さて、「情報連携」の運用で、留意すべき点について、何点かを解説しておきましょう。これも、「習熟」が必要なところと思います。

(1) 情報連携のための「符号」の取得

情報連携するには、各行政機関等では、情報提供NWSでの「機関別符号」の取得が必要です。新たに対象者になる(たとえば市区町村へ転入の場合)と、マイナンバーを確認し、機関別符号を新規に取得し、その後、情報照会をする手順になります。

この機関別符号の取得では、住民基本台帳ネットワークを使って発行を依頼し、情報提供NWSの中間サーバーに結果が返ってくる仕組みで、非同期で処理がされます。行政機関側では、各機関の業務システムに対応した、一連の手順の操作が必要です。
ですから、窓口で、リアルタイムですぐに情報照会の結果が得られるという訳ではありません。

住民が、転入の手続きと同時に、社会保障などの窓口で、「その場で相談したい」というような場合では、従来のように、前住所地で所得の証明書を取って、窓口に持参する方が向いているような場合もあり得ます。住民も窓口側も「習熟」が必要です。

(2) 情報提供・情報照会のルール、「共通指針」と「特定個人情報データ標準レイアウト」

様々な業務で、情報照会をするため、共通のルールを「共通指針」、それぞれの項目を「データ標準レイアウト」で決めています。
情報を提供する情報保有機関は、このルールにあわせ、副本を編集し、情報提供NWSの中間サーバーに登録していきます。
情報を照会する側は、このルールに従って、手続ごとに、照会条件とデータ項目を参照して事務を行います。

従来の添付された書類を使った運用から、事務の流れが変わります。「慣れ」が大事です。

(3) 情報照会のルール、世帯情報の確認

住民票の世帯の情報について、住民票の写しでは、「世帯の全員」の把握は容易でした。
情報提供NWSの情報照会の結果は、個人ごとの世帯コードと続柄コードになります。
コードから各個人を「集め」、世帯の全員を「読む」必要があります。「習熟」が必要です。

(4) 「データ標準レイアウト」の見直しなど

「所得情報」は内容が複雑です。従来の税証明の発行においても、市町村の窓口では、住民に「使い道」を充分に確認して、該当する証明の種類を選択し、発行しています。(交付機やコンビニ交付で税証明がシンプルにできないのも同じ理由です。)

所得や控除の複雑に組み合っている所得情報なので、この情報を利用する事務を所管している省庁から、関連する政省令等の整備が完了するまでは、「従来通り」の対応とされている事務もあります。このような事務については、今後、データ標準などの情報連携のルールが変わるということになります。
また、本人から税証明等の提供がされる訳ではないので、情報照会において、地方税部門でない行政機関等が、税関係情報を照会することについては、「本人同意」が必要とされる事務もあり、こうした場合の事務の運用の見直しも必要です。

いずれにしても、所得情報を参照する手続きは多く、こうした情報照会側の事務について、段階的な対応と「習熟」が必要です。

(5) 情報照会をする相手先の行政機関

社会保障系で、情報照会先が、都道府県知事「等」である場合、例えば、生活保護情報の情報照会先は、市、特別区、福祉事務所を設置した町村、それ以外が都道府県になります。情報照会する相手先に留意が必要です。

(注7) 厚生労働省HP 福祉事務所の設置状況「任意で福祉事務所を設置している町村」Open a new window (2016年4月1日現在 43町村)

また、地方分権の時代、「事務の委任」が団体ごとに進んでいます。例えば、身体障害者手帳の発行は、都道府県知事ですが、政令市及び中核市に委任されています。さらに、県によっては、条例による事務処理の特例により、事務・権限を市町へ移譲し、この手帳に関する事務が、県内の市町村で実施されている場合もあります。

(注8) 広島県HP 「県から市町への事務・権限の移譲の取組について」Open a new window (2017年4月10日)

こうした場合には、情報照会先を先方に確認してから情報照会するか、情報照会を行って「該当しません」と回答されてから先方に確認するか、情報照会の事務の流れについて、「習熟」が必要です。

(6) 地方税の「住登外課税」の課題

住民税で、「住民票が無い」が「住民とみなして」課税をする場合(いわゆる「住登外課税」)に、住民票のある市区町村(住基地)に通知をするのがルールです。ですが、情報照会する第三者の行政機関等には、この経緯は見えません。この方の所得情報を、住民票のある市区町村に情報照会をしても、「該当しません」となりえます。こうした場合も、先方に確認が必要になります。

このような「情報無し」の場合としては、該当者は、所得無しの非課税者、未申告者、通知を受けた住登外課税者、あるいは「いずれかの調査中」といった可能性がありえます。相手先の市区町村に確認してみないと、その状況は判りません。

こうした課題を解決するためには、データ標準などのルールの細分化や明確化とともに、情報照会されたときに、住基地の団体が、住登外課税の課税団体を通知する仕組みの追加などの対応が必要です。(注9)

(注9) 総務省では、住登外課税は課税権を移し「住基地課税」へ変更する等、個人住民税の諸課題の整備を検討中です。
総務省 平成28年度 第1回 個人住民税検討会 資料4「マイナンバー制度の導入による課税事務の効率化・適正化(3) 所得情報提供における住登外課税者への対応」Open a new window (2016年8月2日)

(7) 国外の居住者の課題

住民票は、国外に居住する方には作られないので、マイナンバーはありません。国外に転出すると、マイナンバーは無くなります。
しかし、賦課期日の1月1日に居住していた市区町村の住民税は払っていただかなければなりません。

また、海外にいても、在外選挙、年金の受給、国内で生じた所得の税申告など、行政機関への手続きは必要です。
戻って国外から転入する場合には、同一のマイナンバーを振る仕組みは無いので、情報連携では過去分とは「別人」になります。

こうした課題もあり、マイナンバーの利用拡大の項目として「在外邦人の情報管理業務」、マイナンバーカードの公的個人認証機能の「海外における継続利用」など対応案の提示がされています。利用拡大での検討事項になっています。

(注10) 総務省 「海外に在留する者への行政サービスの提供のあり方」 個人番号を活用した今後の行政サービスのあり方に関する研究会(第5回)Open a new window (2014年12月26日)

今後、国外居住でもマイナンバーカードを継続利用し、転入時にはカードから情報を取り込むなど、仕組みの拡張が考えられます。

「情報連携」の今後

「情報連携」のこれからについて、新たな展開「デジタル・ガバメント推進」の方向が示されました。
「デジタル・ガバメント推進方針」(注11)で、「マイナンバー制度・法人番号の徹底活用」が明記されました。

(注11) 「デジタル・ガバメント推進方針(案)」Open a new window (2017年5月30日)

この「推進方針」の後段「行政手続・民間取引IT化に向けたアクションプラン(通称: デジタルファースト・アクションプラン)」で、「マイナンバー制度の情報連携」に関連して、次のように記されています。

  • アクションプラン「政府全体での行政手続のオンライン利用の促進」で「マイナンバー制度を活用したバックヤード連携に向けたシステム構築の検討」
  • アクションプラン「デジタル社会を見据えた重要分野における行政手続の見直しとIT化の一体的推進」で「情報連携を推進する重要分野」に「住民票や戸籍の添付の省略化 など」
    この「戸籍の添付省略」についてはマイナンバー制度の利用拡大で従前から示されているところです。

(注12) 第2回 「自治体でのマイナンバーの利用拡大」参照

まだまだ動きは続いていきます。注視していきましょう。

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