GTM-MML4VXJ
Skip to main content

資産継承

現行資産を継続して利用したい

多くのLinuxが稼働しているx86/Intel64サーバは日進月歩で進化を続けています。現在利用しているサーバの処理能力に不満を感じて最新のサーバへ乗り換えたいと考えている方も多いでしょう。また、サーバの保守期限切れを迎えてしまい、新しいサーバへの置き換えを迫られている方もいらっしゃると思います。

この様なときにまず考えるのが「いま使っているアプリケーションやミドルウェア、OSはそのまま使えるのだろうか」ではないでしょうか。最適な答えは最新のサーバでも既存のソフトウェアがそのまま使えるということでしょう。しかし、現実には最新のサーバでは古いバージョンのOSがサポートされていないという事態に遭遇します。例えば、現在Red Hat Enterprise Linux 4(以下、RHEL4)を利用しているが、最新のサーバではRHEL4をサポートしていないといったケースです。

この様な場合、RHEL6といった最新のサーバでサポートされているOSに移行する必要がでてきます。そうなると次に問題となってくるのがOSバージョンが異なることによる非互換などの問題です。非互換を考慮したアプリケーションの改変、ミドルウェアのバージョンアップ、またそれらに伴って必要となる検証作業などがあげられます。

将来的にはOSのバージョンアップが必要だと認識していても、まずはサーバの保守期限切れをどうするのかといった差し迫った課題の解決を優先したい、バージョンアップするまでの時間を稼ぎたいといった思いがシステム管理者の本音ではないでしょうか。それを解決するのがKVMを活用した既存環境の継承です。

現行資産の継続利用

KVMにより最新サーバ上で既存OSを継続利用

Red Hat Enterprise Linuxのサポートを受けるためには認証されたサーバを利用する必要があります。しかしながら、新しいハードウェアを使用するためには、それを制御する新しいOS機能が必要となります。最新のサーバで古いバージョンのOSがサポートされていないのはこのためです。

この問題を解決するのがKVMの採用です。RHELで提供されているKVMは、ライフサイクル内のRHEL(注)をゲストOSとしてサポートしています。例えばRHEL4の場合、(延長サポートを契約していることを前提として)2015年2月までサポートされます。ライフサイクル内のRHELであれば、そのバージョンとハードウェアの組み合わせが認証されていなくてもKVM上のゲストOSとして利用することができます。古いバージョンのOSが使えるということは、その上位のミドルウェアやアプリケーションもそのまま使えるということです。ハードウェアとOSの紐付けを切り離すことができるという点がKVMの大きな特徴であり、既存資産を活かしたいという要望に適したソリューションであると言えます。


また、RHEL6では物理サーバのディスクを仮想マシンイメージに自動変換するツール「virt-p2v」が提供されています。このツールを利用することで既存の資産をKVM上へ簡単に移行することができるようになっています。

KVMにより既存OSを継続利用

ハードウェアの進歩を享受

資産の継承に加えて、副次的な効果も期待できます。KVMというバッファーを加えることでハードウェアとOSの紐付けという制約がなくなります。それはサーバを最新機種に入れ換えることで、アプリケーションの修正を伴わずに性能向上が期待できるということにもつながります。

サーバのリプレースは5年程度が目安となるため、現在リプレースを検討しているユーザーが利用しているサーバは2008年前後のモデルでしょう。当時は2~4コアCPUが主流となっていましたが、現在は4~8コアCPUが中心となっています。メモリもDDR2からDD3へと世代が移っています。サーバの処理能力を向上させたいけれどOSのバージョンアップはどうしても困難という場合などは、KVMを利用してハードウェアだけでも最新化することを一度ご検討ください。

ハードウェアの進歩

システム刷新までの一時的な代替策

既存資産をそのまま継続して利用したいというニーズとは別に、システムの刷新を検討しているが刷新前にサーバの保守期限切れを迎えてしまうのでなんとかしたいとお悩みの方もいらっしゃるでしょう。この場合、選択肢①の「サポート切れのサーバをそのまま使い続ける」、選択肢②の「システム刷新を前倒しする」といったことが考えられますが、サポート切れのまま使い続けるのは万が一トラブルが発生した場合の影響を考えると二の足を踏むことにもなり、前倒しに至ってはかなりハードルが高いと思います。

KVMによる仮想化を採用することで、選択肢③の様にシステム刷新までの期間はハードウェアのみ入れ換え旧システムをそのまま利用し、新システムへのスムーズな移行につなげることができます。

システム刷新までの一時的な代替策

ハードウェア販売終息への対応

資産の継承という観点からは少し外れますが、同一の環境を長期に渡って導入展開するような場合にもKVMによる仮想化は有効です。例えば全国展開している企業が全店へ店舗サーバを導入するようなケースにおいて、人的リソースやエリア、店舗側の受入体制の問題から展開時期を複数に分けることが考えられます。

この場合、展開途中で新ハードウェアに置き換わってしまうことも想定されます。もちろん、展開初期の時点ですべてのハードウェアを購入しておくという手段もありますが、そのハードウェアの保管場所をどうするのか、展開後期には陳腐化してしまうなどの課題も見えてきます。

この様な場合にもKVMを活用することで特定のハードウェアに縛られずにシステムを導入していくことが可能となってきます。

ハードウェア販売終息への対応

最後に
KVMによる仮想化は資産の継承という観点からは有効な答えとなり得ます。ただし、将来を見据えたシステムの計画があってはじめて資産継承が活きてくるという点は心に留めておいてください。