EEPROMの高性能互換となる不揮発性メモリ、4Mビット シリアルFeRAMを開発

~ ドライブレコーダの位置情報などリアルタイムでのデータ書換えに最適なメモリ ~

概要

富士通セミコンダクター株式会社は、シリアルインターフェースの最大メモリ容量である4MビットFeRAM「MB85RS4MT」を開発し、量産品を提供しています。MB85RS4MTは、エッジコンピューティングの拡大、センサー情報のデータ量の増大という環境の変化により、既存のEEPROMを使用しているお客様からの「書換え回数を増やしたい」、「書換え時間を短くしたい」、「メモリ容量を増やしたい」という要求に応えて開発されたメモリです。本FeRAMは、ドライブレコーダ/運行レコーダ、ロボット、工作機械、計測装置、メーター、民生機器などリアルタイムでの頻繁なデータログが必要とされるあらゆるアプリケーションに最適です。

MB85RS4MTのパッケージMB85RS4MTのパッケージ
図1:書換え回数比較図1:書換え回数比較
図2:書込み時間比較(電圧低下発生時)図2:書込み時間比較(電圧低下発生時)

詳細

この度、当社はシリアルインターフェースのFeRAMファミリーでは最大メモリ容量である4Mビット品「MB85RS4MT」を開発し、ラインナップに追加しました。当社の不揮発性メモリ「FeRAM」は、高書換え耐性、高速書込み、低消費電力の特長をもち、約20年の量産実績がある信頼性が高いメモリです。

本製品の書換え保証回数は、同じ不揮発性メモリのEEPROMと比較すると約1,000万倍の10兆回のため、書換え回数が設計のボトルネックになることはありません(図1)。今般のエッジコンピューティングにおけるセンサー情報を、頻繁に記録するためのメモリとして最適です。

また、データ書込み動作では、EEPROMやフラッシュメモリは書込み時間に加えてセクターの消去時間が必要になりますが、FeRAMは消去をせずに上書きのみとなるため、高速書込みを実現しています。これにより、データ書込み中に瞬断などの電圧低下が発生した場合でも、FeRAMは書込み中のデータを保護できます(図2)。

さらに、本FeRAMの動作電圧は1.8Vから3.6Vまでのワイドレンジのため、お客様製品に内蔵されているメモリ周辺の電子部品が1.8V、または3.6V動作品のどちらでも対応することができます。動作電流は、1MHz動作時が最大250μA、スタンバイ電流は最大50μAと非常に少なく、低消費電力化を実現しています。
パッケージは、既存のEEPROMと置き換え可能な8ピンSOPのため、お客様製品の設計を大幅に変更することなく本新製品に切り替えることができます。

当社は今年4月に「-55℃動作のFeRAM」、6月に「8MビットパラレルFeRAM」、そして今回「4MビットシリアルFeRAM」を開発して、市場に投入してきました。今後とも当社では、お客様の課題を解決するため、さまざまなアプリケーションに最適化したメモリ製品の開発を継続し、ラインナップの充実を進めていきます。

主な仕様

製品名MB85RS4MT
容量(メモリ構成)4Mビット(512K x 8ビット)
インターフェースSPI (シリアル・ペリフェラル・インターフェース)
動作周波数最大40MHz
動作電源電圧1.8V~3.6V
動作温度範囲-40℃~+85℃
書込み/読出し保証回数10兆回(1013回)
パッケージ8ピンSOP

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