PRESS RELEASE

2016年3月30日
日本医科大学武蔵小杉病院
株式会社富士通エフサス

病院-コールセンター連携により、
退院患者向け状態確認コールの実証研究を開始患者・家族の自宅療養を支え、異常の早期発見、速やかな医療機関受診を可能にするために

日本医科大学武蔵小杉病院(神奈川県川崎市、院長:黒川 顯、以下、日医大武蔵小杉病院)と株式会社富士通エフサス(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:髙萩 弘、以下、富士通エフサス)は、このほど、退院患者の自宅療養を支援すべく、医師の指示により富士通エフサスのコールセンターにて、定期的に状態確認コールを行う実証研究を開始します。

本研究は、患者・家族が安心して自宅療養へ移行できるようにする退院後の状況を定期的に確認することで患者の異常を早期に発見し速やかに医療機関受診を促す患者の退院後の生活状態に関する情報を再来院・再入院時に活用する ことを目的とするものです。

具体的には、入退院を繰り返す患者・独居高齢者・高齢者世帯のうち退院後のフォローを希望する患者を対象に、定期的にコールセンターから日常生活・症状の確認を行い、異常時には再来院を促すとともに、患者とのやりとりの結果をシステム上で病院と共有するようにします。

本スキームの有効性が実証されると、スムーズな自宅療養移行による入院期間の短縮、重症化してからの緊急・再入院の抑止が可能になり、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることを目指す「地域包括ケアシステム」(注1)の実現にも寄与することとなります。

日医大武蔵小杉病院は、川崎市の中核的病院として高度医療を提供するとともに、患者が必要な医療をいつでも受けられ、退院後の患者が安心して療養できる環境を、富士通エフサスと連携して構築、試行してまいります。富士通エフサスは、本研究の成果を踏まえ、「地域包括ケアシステム」の推進に貢献するとともに、看護師資格を有するオペレーターによるコールセンターなど、自社の強みを活かした新たな高齢者医療のあり方を提案し、患者、家族の生活をより豊かなものにしたいと考えております。

現在、日本においては、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行し、65歳以上の人口は既に3,000万人を超え、2042年には約3,900万人でピークを迎えると予測されています。特に75歳以上の人口構成比率は上昇を続け、2015年の1,646万人(国民人口の13%)から団塊の世代が75歳以上となる2025年には2,179万人(同 18%)となり、従来の「入院」ありきの医療・介護では施設・予算面で限界に達しています。また医療・介護を受ける側として、国民の60%以上が、終末期は、「可能な限り、自宅で在宅療養を行い、必要になれば医療機関などに入院すること」を希望(注2)していますが、実際には、多くの方は、一度病院に入院すると、最期まで病院での療養・介護を受けることを余儀なくされます。これには、自宅療養には、患者の治癒状態だけでなく本人の自立性、同居・独居・老々など個々の家庭事情が大きく関係すること、また退院後は病院からの適切なフォローが難しいという事情もありました。

今回の研究は、上記課題の解決を図るべく、川崎市の中核病院である日医大武蔵小杉病院、川崎市にコールセンターを構える富士通エフサスが連携して行なうもので、医師の指示により、定期的にコールセンターから、通院、服薬、食事・水分摂取、睡眠、発熱、排便など日常生活・症状の確認を行うことで、患者・家族の自宅療養移行に際しての不安の解消異常の早期発見、速やかな医療機関受診生活情報の再来院・再入院時の活用 を図ってまいります。

また実施にあたっては、患者と顔の見える関係をつくるため、参加患者の退院前説明の際に、富士通エフサスのコールセンター要員も日医大武蔵小杉病院に出向き、事前に直接対面することで、患者との信頼関係構築を図ります。

本実証研究について

  1. 目的

    (1)入退院を繰り返す患者、独居の高齢者、老老介護の患者が、コールセンターを通した医師のアドバイスにより、安心して自宅で療養生活を送ることが出来るようにする。安心して自宅で療養生活を送ることが出来るようにする。

    (2)異常の早期発見を行い、重症化前の速やかな医療機関受診を促す。

    (3)患者の治療経過、退院後の生活などの情報収集・蓄積を行い、医療機関と共有することで、再度の来院・入院時に、治療に活用する。

  2. 対象患者

    日医大武蔵小杉病院の患者で、以下のいずれかに該当し、本研究への参加を希望する方が対象となります。なお、患者の参加費用はかかりません。

    (1)退院調整・退院支援を行っている独居高齢者・老老介護の患者

    (2)入退院を繰り返している患者

    (2)地域連携支援・継続支援が必要と判断される患者・家族

  3. 実施期間

    2016年4月1日 ~ 2016年9月30日(予定)

今回の実証研究のイメージ

【今回の実証研究のイメージ】

日本医科大学武蔵小杉病院の概要

学校法人日本医科大学が運営する神奈川県川崎市中原区にある医療機関です。

昭和12年開設後、70年以上にわたり、地域の中核病院として地域医療に貢献。総合病院としての機能に加え、災害医療拠点病院、救命救急センターとして、高度で先進的な医療を提供するため、高度技術を有する医療従事者、NICU や血液浄化療法室を備える先端的医療施設、および診療協力部門を配置しています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • (注1)
    地域包括ケアシステム
    厚生労働省が推進する、高齢者の尊厳保持と自立生活支援のため、可能な限り住み慣れた場所で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにする地域の包括的な支援・サービス提供体制。2014年6月に成立した「医療・介護推進法」により、全国の各市町村単位に、2025年を目途に構築することが求められている。
  • (注2)
    「可能な限り、自宅で在宅療養を行い、必要になれば医療機関などに入院すること」を希望
    厚生労働省「高齢者の健康に関する意識調査(平成19年度内閣府)」より。

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以上

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