株式会社静岡銀行様

チャネル革新~新たな地域密着型金融(デジタル市場)の実現~を目指して

静岡銀行は、「チャネル・IT基盤を活用したセールス業務の変革」を第13次中期経営計画「TSUNAGU~つなぐ」の基本戦略の1つに掲げている。ロケーションフリーやオムニチャネルを実現するための重要な基盤として、富士通の金融向けフロントサービス基盤「FrontSHIP」を採用。第一歩として、利用者一人ひとりにマッチした金融商品を推奨するレコメンドや各種サービスのオンライン申込み機能などを実現。

銀行にとって、他社との連携や協働などオープン・イノベーションに対応するには、フロントチャネルの整備が急務です。既存システムとの親和性が高く、新たな地域密着型金融(デジタル市場)を実現する金融フロントサービス基盤を富士通が提供してくれると期待しています。

株式会社静岡銀行
取締役 常務執行役員
飯尾 秀人 様

背景

フロントチャネルに最新のICT基盤を採用
デジタル市場に即したセールス業務改革を目指す

静岡県を地盤とする株式会社静岡銀行様(以下、静岡銀行)は県内に173、県外に30、国外に5の計208カ所(2018年9月時点)の拠点を有しており、幅広い金融商品を扱うとともにFintechの活用に向けた投資や異業種連携にも力をいれています。静岡銀行は、2017年度から2019年度までの3年間を計画期間とする第13次中期経営計画「TSUNAGU~つなぐ」をスタートさせました。その基本戦略の1つに「チャネル・IT基盤を活用したセールス業務の変革」を掲げ、その場で申し込みや契約ができるロケーションフリーオペレーション、店頭での入出金・税公金等の収納等のセルフ化、スマートフォンやSNSを活用した営業情報発信と顧客反応の収集、蓄積、分析を行うセールスサポートなど、セールスイノベーションに取り組んでいます。

セールス業務の改革に乗り出した背景について、取締役常務執行役員を務める飯尾秀人様は「地方銀行は営業店が重要であることに変わりはありませんが、デジタル化の進展、Fintechサービスを活用する異業種の参入も急激に増加しています。銀行は、他社との連携や協働などオープン・イノベーションへの対応が求められており、そのためには、従来のインターネットバンキングから進化させたフロントチャネルの整備が急務です」と語ります。

静岡銀行は、取引の「セルフ化」「ペーパーレス化」「印鑑レス化」を進め、対面・非対面ともに同一の事務プロセスへの変革(ロケーションフリー)と非対面でも対面と同じサービスを提供するチャネル改革(オムニチャネル)を進めていきます。

経緯

デジタル化の推進による魅力的な金融サービスの提供に向けて

対面、非対面チャネルの改革を同時並行で行うために、静岡銀行はデジタルチャネルを通じた顧客接点創出と顧客体験の向上を支援する富士通の金融向けフロントサービス基盤FrontSHIP(フロントシップ)(以下、FrontSHIP)を導入しました。

「当行が以前から運用しているインターネットバンキングと同等のセキュリティレベルを確保できることが決め手となり、2017年11月にFrontSHIPの導入を決めました」と静岡銀行の経営企画部、IT企画グループ長を務める小林義典様(当時)は振り返ります。また、IT企画グループの主任調査役の良邊信博様は、「行内で稼働している既存システムとの親和性が高かったことが、FrontSHIPを選んだもう1つの理由です。富士通の高い技術力も、当行にとっては大きな魅力でした」と説明します。

第1ステップとして、利用者の属性や金融取引傾向に合った金融商品などを勧めるOne to Oneレコメンデーションと各種オンラインサービスの申込み機能の提供を2018年10月に開始しました。このOne to Oneレコメンデーション機能を実装するにあたっては、「金融商品販売に関する法律に整合するようシステム側で制御するとともに、お客様一人ひとりがわかりやすさを体感できることに注力しました」と良邊様は振り返ります。

効果と今後の展望

業界共通のフロントサービス基盤を育てることを目指して

従来は店舗に行かなければ利用できなかったサービスや手続きがスマートフォンなどを使って、いつでもどこでも利用できるようになる― このようなチャネル革新の実現に向け、その第一 歩として基盤を構築しました。

また、静岡銀行はこの金融フロントサービス基盤をクラウド上で管理することで「拡張性が高い金融フロントサービス基盤を当行が自前で構築および運用するのではなく、用途やコストと照らし合わせて外部リソースも積極的に活用できるクラウドサービスとして使いたいと思っています」と飯尾様は語ります。「銀行のビジネスモデルがますます変化していく中で、クラウドサービスによってインターネット時代のフロントサービスのベースとなる機能を共有しながら、その先の金融サービスを各行で独自に実装することは健全な競争を促していくことになり、FrontSHIPが将来の鍵となるシステムになることを期待している」と飯尾様は語ります。

Fintechとの連携や異業種コラボレーションなどトレンドを押さえたシステムを活用して新しいチャネルやサービスを展開しつつ、地域に根付いたサービスの提供をこれからも静岡銀行は目指しており、当行の掲げる基本の企業理念である「地域とともに夢と豊かさを広げます」の実現をサポートします。

株式会社静岡銀行

所在地静岡県静岡市葵区呉服町1丁目10番地
設立1943年3月1日
従業員数2,857人 (2018年7月31日現在)
ウェブサイトhttps://www.shizuokabank.co.jp/Open a new window

[2019年掲載]

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