サイアム商業銀行様

共創でセルフチェックアウトとキャッシュレス化を実現

デジタル構想の一環としてキャッシュレス社会の実現を目指すタイ政府。その流れに足並みを揃えるように、サイアム商業銀行と小売大手のモールグループは、富士通とともに銀行サービスと連動したキャッシュレスPOSソリューションを構築。2017年9月に稼働開始したこの新システムは、両社の顧客満足度の向上と業務効率化を同時に実現。今回の成功を契機に、更なるシステム拡張と新たなデジタルサービスの共創へと発展していく。

政府が進めるキャッシュレス社会の構想が現実のものとなるように、今後も富士通と力を合わせていきたいと思います。

Siam Commercial Bank,
Payments Product Development and Solutions Division, EVP,
Srihannath Lamsam 様

背景

買物客、店舗、銀行に価値をもたらす買い物体験のデジタル革新

買物客にとっても小売店にとっても、レジでの支払いは悩みの種です。買物客はレジで長蛇の列に並んで順番を待たなければならず、店側も他の業務との兼ね合いもありレジに多くの人員を割くことはできません。加えて、閉店後には銀行への入金作業が控えており、確認のため再度現金を数えることになります。

暗証番号でのクレジットカード支払いやQRコードを読み取るスマートフォン決済のようなキャッシュレスソリューションは、そうした苦労の解消に役立ちます。ただ、新たなソリューションの導入には、金融関係の政府機関、銀行、小売店、IT企業、そしてさらに顧客をも巻き込んだ共創が欠かせません。

タイの小売大手モールグループ様(以下、モールグループ)とサイアム商業銀行様(以下、サイアム商業銀行)は、日本市場でセルフチェックアウトシステムなどキャッシュレスソリューションに実績のある富士通との共創に取り組むことにしました。

経緯

「Made in Thailand」を目指してソリューション構築に力を結集

タイ政府が「国家電子決済計画」を発表したことを契機に、国内銀行のための電子決済インフラPromptPayが立ちあげられました。PromptPayは、クレジットカードやデビットカードはもちろん、スマートフォンでのQRコード読み取り決済にも対応しています。

先進的な取り組みでタイの銀行業界をリードするサイアム商業銀行は、他行に先んじてこの分野に挑戦することを決意しました。そこで同行は、スマートフォンやクレジットカードを持つ顧客層を抱え、毎月200万件におよぶ決済を実施している小売大手のモールグループと、先進テクノロジーの提供に実績のある富士通をパートナーとして、3社による共創プロジェクトを2017年初めに始動しました。

この共創においてひとつの重要なポイントは、タイ独特の表現や文化を反映したタイ語のインターフェースをつくることでした。そこで富士通は、ハードウェアとソフトウェアの開発を現地法人で行うことを決め、開発コストの低減にもつなげました。その結果、現地のニーズを踏まえた「Made in Thailand」のソリューションが生み出されました。

また、観光地としてタイを訪れる海外からのお客様に対応した多言語かつ多様な決済手段を提供する柔軟性、そしてクレジットカードのファクタリング、駐車券発行、割引クーポン発行といった機能も決済システムに求められました。そのため、セルフチェックアウトを普及させる施策として利用者に割引クーポンが配布されました。加えて、モールグループの既存の小売システムとの互換性も重視されました。

馴染みのない電子決済をいかに浸透させるか

バンコクにあるモールグループの高級スーパーにはテクノロジー世代の若年層顧客が多いため、国内初の決済サービスの実証実験には最適でした。買物客の多くはクレジットカードやスマートフォンを利用しており、初めて見るアプリでも支障なく使いこなします。

一方、システムを共創する側も、新しい決済方法を浸透させるため、分かりやすく、親しみやすいデザインにして、使い方の説明は現地語にしました。直感的に理解できるデザインに加えて、手軽で素早い決済と割引特典も必要不可欠だったため、モールグループは、トライアルの立ち上げ時に500バーツのセルフチェックアウト利用に対して100バーツの割引特典を実施することを決めました。

効果と今後の展望

デジタル・トランスフォーメーションでタイをキャッシュレス社会へ

今回のキャッシュレス決済ソリューションでセルフチェックアウトシステムの信頼性を評価したモールグループは、タイ国内での全国展開の準備を進めています。

モールグループでSupermarket MerchandisingのVPを務めるChairat Petchdakul様は、「キャッシュレスシステムは、お客様のショッピング体験をより良いものにしてくれています。富士通やサイアム商業銀行の協力を得ることで、私たち単独ではできなかったことを見事に実現できました。お客様がキャッシュレスで手軽に決済をしている姿を見るたびに、嬉しい気持ちになります。数多くのITベンダーとビジネスを推進していますが、このような複雑なプロジェクトを納期通りに遂行できるのは富士通だけです」と振り返ります。

モールグループは今後システムをさらに強化し、他の言語や決済方式にも対応を広げていきます。売上の大きな中国人観光客のため、WeChatやAlipayにはすでに対応しており、今後はグローバルに普及しているPayPalなども取り込んでいく方針です。

現在、モールグループの店舗では通常のレジ10台に対してセルフチェックアウトのレジが2台設置されていますが、将来的にはこの数を逆転させる計画です。今回のシステムは他の業界でも関心を集めており、モールグループとサイアム商業銀行は、行政や銀行業界の考えと同様に、今後キャッシュレスの流れがタイ国内で着実に広がっていくだろうと見込んでいます。

サイアム商業銀行のPayments Product Development and Solutions Division でEVPを務めるSrihannath Lamsam様も今回の成果に満足しています。「今回の共創プロジェクトの成功は、この分野における富士通のノウハウとタイでの実績が非常に大きかった。政府が進めるキャッシュレス社会の構想が現実のものとなるように、今後も富士通と力を合わせていきたいと思います。」

サイアム商業銀行

所在地9 Ratchadapisek Rd., Jatujak, Bangkok (タイ王国)
設立1904年
ウェブサイトhttps://www.scb.co.th/en/personal-banking.html(英語)Open a new window

[2019年掲載]

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