メルコインベストメンツ株式会社様

デジタルアニーラとともに挑戦する金融サービスのフロンティア

リスクコントロールされ、運用の経験者から見ても納得できる銘柄が並ぶポートフォリオを得られるようになりました。徹底した分析のもとに株式運用を行う運用会社として他社に対するアドバンテージになります

メルコインベストメンツ株式会社
取締役
金融グループ投資戦略担当
日本証券アナリスト協会 認定アナリスト
国際公認投資アナリスト
佐藤 陽一 氏

背景

数理的な分析が資産運用の重要ファクター

現代の資産運用は、ファイナンス理論、数学・統計学を中心に、さまざまな科学的知見を集めてアプローチするスタンスで行われています。その基本として行う分散投資は、投資対象を組み合わせたポートフォリオの構成比を決めていくことがポイントです。

20世紀半ばから「現代ポートフォリオ理論」として始まった資産運用への科学的アプローチは、精緻な数学・統計学で支えられた経済理論として発展してきました。なかでも重要な役割を担っているのがコンピュータです。

コンピュータによって、大量のデータと数式を駆使して、多くの銘柄へ分散投資しリスク管理する資産運用が可能となります。コンピューティングに基づいた数理的な分析と投資行動は、資産運用のパフォーマンスを左右する重要な大きなファクターとなっているのです。

経緯

量子コンピューティング技術を応用した分析へ

多くの分析がPC上でも実行できるようになりましたが、一方で従来型のコンピューティングでは困難な計算問題もあります。そこで同社は、富士通の次世代アーキテクチャ「デジタルアニーラ」を活用することで、他社に先行したより質の高い運用を提供したいと考えました。

具体的には、組合せ最適化問題を高速に解くデジタルアニーラの特長を活かし、株式ポートフォリオの最適化計算を行います。資産運用のリターンを安定的に得るためには、同時にリスク(値動きの不確実性)を抑制する必要があります。要するに、リターンに対してリスクをできるだけ小さくする複数銘柄のポートフォリオ構成比を求めるのです。

もちろん容易なことではありません。たとえば100銘柄の中から50銘柄を選ぼうとすると、10の29乗という膨大な組合せとなり、これまでの二次計画法では時間的にもコスト的にも不可能です。実際の資産運用業務ではそれ以上の銘柄を扱うことになるため、難易度はさらに上がります。「デジタルアニーラを使うことで、これまで計算困難だった組合せ最適化の解がより良い精度で得られるようになり、より先進的なポートフォリオ分析が可能となります」と佐藤氏は強調します。

効果と今後の展望

投資運用会社のなかでフロントランナーを目指す

ポートフォリオ最適化問題をデジタルアニーラで解くというアプローチは富士通にも前例のない試みであり、手探りで一歩ずつ進めていく開発となりました。しかし、その結果として、ポートフォリオ分析が業務に実装できるレベルにまでに到達できたことは、科学的な基盤を持ち徹底した分析のもとに株式運用を行う運用会社として他社に対するアドバンテージとなります。「量子コンピューティングに着想を得たアーキテクチャを活かした今回の開発成果により、組合せ最適化を行う分野では運用会社で先進的な位置にいるのではないかと認識しています」と佐藤氏は話します。

デジタルアニーラによる革新的な技術を実装したコンピューティングパワーを活用し、徹底したリスク・リターン分析を基盤にすることで、顧客の特性に合った、長期的かつ安定的な収益を生みだすことが可能となります。同社はこの強みを活かし、運用資産の着実な成長に貢献する運用商品を提供していきたいと考えています。

メルコインベストメンツ株式会社

日本
業種投資運用
設立2014年
Webサイトhttps://melcoinvestments.jp/Open a new window

[2020年掲載]

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