ビーム・サントリー様

膨大な数のバーボン樽をIoTでトラッキング
手違いのリスクを削減

生産から貯蔵、出荷までを合わせると、数十万もの熟成樽を有するジム・ビーム®。ビーム・サントリーはこれらを主に手作業の帳票ベースで管理していたため、時として手違いが生じていた。在庫状況をより効率的に、そして正確に把握する解決策として、センサーとIoTデバイスをつないで商品の生産や貯蔵、出荷に関する詳細なデータを提供するGlobeRanger iMotion IoT Edgeware Platformを採用。さらにプロセスの自動化とソフトウェア開発を進め、RFIDタグによる熟成樽のトラッキングを実現。将来的に一般消費者に熟成情報を提供できると期待されている。

重要なのはIoTを最大限に活用すること、新しい仕組みを既存の記録システムに統合すること、そしてグローバル企業と協業することでした。富士通のGlobeRangerはそのすべてを叶えてくれます。

Beam Suntory
Senior Manager of Platform Solutions
Nick Moberg 様

背景

非効率な手作業による記録から詳細で正確な商品トラッキングへ

蒸留酒売上世界第3位のビーム・サントリー様(以下、ビーム・サントリー)。同社は、バーボンとウイスキーで業界トップを誇り、ウイスキー造りのノウハウでは他の追随を許しません。また、バーボンやウイスキーのほかにもテキーラ、ウォッカ、コニャック、ラム酒、リキュールなどを手がけ、高い商品力を擁しています。特に米国のケンタッキー州で造られているジム・ビーム®は、バーボンとして世界で最も販売されているブランドのひとつで、1795年以来、8世代にわたりビーム家がその熟成を手がけてきました。

各地にある貯蔵庫や蒸留所に保管されている熟成樽の総数は数十万にものぼり、それらをすべて管理するのは困難を極めます。500ポンド(220キロ以上)の重さがあるバーボンの熟成樽は、毎年ジム・ビーム®のケンタッキー蒸留所で製造され、オーク樽造りから樽詰め、熟成、そして樽出しまで、すべての工程がトラッキングされています。

従来は、熟成樽の管理に帳票が使われ、貯蔵庫の担当者が手作業で記入したのち記録システムに入力していました。しかし、このやり方では時間と手間がかかります。

「当然ながら、樽の容量が自然に減っているような場合、それを表示しておく必要があります。また熟成が進めば、樽出しの指示が必要になります」と話すのは、Senior Manager of Platform SolutionsのNick Moberg様です。「バーコードなどを使ったトラッキングとトレースのソリューションをいくつか評価してみましたが、RFIDタグが最適という結論に落ち着きました。」

その後、同社は様々な意見を聴きながら2年間ソリューションの候補を検討し、最終的に新しいプラットフォームのバックボーンとしてGlobeRanger iMotion IoT Edgeware Platformを導入しました。

「重要なのは、IoTを最大限に活用すること、新しい仕組みを既存の記録システムに統合すること、そしてグローバル企業と協業することでした。富士通のGlobeRangerはそのすべてを叶えてくれます」とMoberg様は話します。「富士通は私たちの親会社のサントリーとも長年のつきあいがあり、企業文化の相性がよかったのです。iMotionソリューションはコストメリットが高いと強く勧められました。」

経緯

データ連携でシームレスに自動化されたIoTモニタリングを実現

GlobeRanger iMotion IoT Edgeware Platformは、IoTデバイスの活用、データ連携、センサーやその他機器を管理することができます。防衛や商業分野で10年以上の実績を備え、安定性や柔軟性、使いやすさに定評があります。

ケンタッキー州の貯蔵庫に届いた樽にRFIDタグを付けてGlobeRangerで認証します。タグが破損している場合は、生産ラインが止まって警告が発せられます。タグに問題がない場合、樽は棚に収められて、管理者が出荷工場と原料、樽詰めの日付や品質などを記した帳票をシステム上で作成します。この帳票は発注書としてGlobeRangerに連動しており、自動でバッチ情報が書き込まれます。

Moberg様は、「今回のプロジェクトはタグの発行フェーズ、タグ付けフェーズ、樽移動フェーズという3段階で進めました。バーボンを樽詰めするエリアにRFIDアンテナをくまなく埋め込み、手持ちスキャナーを使えるようにしました。そうすればいつでも樽の状況を正確に把握することができます」と話します。「電子証跡が残るので、工場から貯蔵庫、そして出荷トラックへと自然に樽の追跡ができます。」

効果と今後の展望

プロセスの正確な可視化が生み出す効果

プロセスの可視化こそ今回の導入の最大のメリットだ、とMoberg様とPlatform Solutionsのチームは見ています。バーボンの熟成状態を詳細に把握することで容量の減少を未然に防げると同時に、個々の樽の保管場所もほぼリアルタイムで確認できるようになりました。

「数十万個もの樽を取り扱うので、なかには所在がわからなくなるものもありました。しかし、現在は工場から出荷された樽については誰が何を、どこでどう扱ったか追跡できますので、問題が生じてもその原因を突き止めたり、問い合わせにすばやく回答したりできます」とMoberg様は語ります。「帳票ベースの手作業では、こうはいきません。」

現場の負荷も軽減されています。帳票への書き込みが減り、ボタン一つで樽のトラッキングが行えるので、手違いを未然に防ぐことができるようになりました。また、長い熟成を経た貴重な商品を扱う場合は、このデジタルの正確な情報が重要です。

「樽出しの際になにか手違いが起こると、貴重な商品が台無しになります。だからこそシステムを使ってそうしたミスをなくすわけです」とMoberg様は話します。「GlobeRanger iMotionは使い勝手がいいので、樽の状況を自動でくまなく把握できるようになりました。」

共創やコラボレーションに真剣に取り組む富士通の姿勢に感銘を受けたビーム・サントリーは、デジタル革新の次の一歩として、一般消費者向けにバーボンの熟成情報をより詳しく提供する仕組みを提供しようと計画しています。

「業界No.1のバーボンに秘められた匠の技と科学を、ブランドストーリーとして、お客様が手にする1本1本に結びつけたいと思っています」とMoberg様は語ります。「産業用IoTソリューションは、商品のトラッキングに役立つだけでなく、ブランド力の強化にも貢献します。」

ビーム・サントリー

所在地222 W Merchandise Mart Plaza, Suite 1600 Chicago, IL (アメリカ合衆国)
設立1795年
ウェブサイトhttps://www.beamsuntory.com/ (英語)Open a new window

[2019年掲載]

ページの先頭へ