サイバー上の信頼性をリアルのフィジカル情報による裏付けで強化する
「Trust-Enhanced Networking」のコンセプトに関するホワイトペーパーを公開
2022年12月12日
English
富士通は、益々進展するサイバー上の企業・社会活動において、サイバーとリアルを繋ぐネットワークが、リアルにおけるフィジカル情報の裏付けを提供することで、サイバー上のトラストを強化する「Trust-Enhanced Networking」のコンセプトを策定し、そのホワイトペーパーを公開しました。
メタバースやWeb3の普及とともに、企業や社会の活動がサイバーへシフトしていく中で、様々なステークホルダーとの関係を構築していくには、サイバー上での信頼性の根拠となる情報を新たに確立していく必要があります。「Trust-Enhanced Networking」は、サイバー上での取引相手のアバターや交換するデータに対し、サイバーとリアルをつなぐネットワークが、リアルにおける発信元などのフィジカル情報を裏付けることで、サイバー上の活動におけるトラストを強化していきます。
今後、富士通は「Trust-Enhanced Networking」のコンセプトを基点として、ネットワークを中心としたトラストの技術開発を進めていきます。大学やパートナーとの協業、関連する標準化団体への参加を進め、「Trust-Enhanced Networking」の社会実装を目指していきます。
背景
これまでリアルを中心としてデジタルを活用してきた企業や社会活動は、今後、メタバースやWeb3の普及によって、デジタルを中心として、あらゆる取引や活動がサイバーを通して実行されていきます。サイバー上には、世界中のあらゆる企業や組織が参加し、グローバルを跨いだ多様なステークホルダーとの関係構築がより重要になってきます。一方、サイバー上での新しいステークホルダーとの関係の構築には、デジタルの信頼性の根拠となる情報だけでなく、リアルにおける実体や実物といったフィジカル情報が必要になってきます。
富士通は、サイバーとリアルを繋ぐのに必要不可欠なネットワークに着目し、ネットワークが新たに担うべき役割として、リアルにおけるフィジカル情報の裏付けによってサイバーにトラストをもたらす「Trust-Enhanced Networking」というコンセプトをまとめ、ホワイトペーパーを公開しました。
Trust-Enhanced Networkingについて
従来、ネットワークは、フィジカルにデータを運ぶ役割が中心でしたが、我々が提唱する「Trust-Enhanced Networking」は、サイバーとフィジカルをつなげ、データを運ぶことに加えサイバー上での活動や取引における信頼性の根拠となるフィジカル情報をサイバーに提供し、デジタルトラストを強化する重要な役割になると考えています。
「Trust-Enhanced Networking」では、サイバー上で登場するアバターや取引で扱うデジタルデータについて、その発信元や転送先といったリアルにおけるフィジカルの状態を検証し、その情報をサイバーに提供することを可能とします。また、その検証によって明らかになったフィジカルの状態に基づき、ネットワークの制御を行うことも可能です。これらによって、サイバー上のトラストを強化するだけでなく、ネットワーク自体のトラストも強化します。
今後の取り組み
今後、コンセプトとしてまとめた「Trust-Enhanced Networking」について、その実現に必要となる技術を開発していきます。また、2022年10月13日にプレスリリースしたインターネット上のデータの確からしさを検証可能な「Trustable Internet」(*1)との技術連携も進めていく予定です。これらの推進にあたっては、ネットワークおよびセキュリティの知見のあるイスラエルのベングリオン大学(*2)をはじめとした大学やパートナーと協業し、より効果的に開発を進めていきます。また、プロトコル等標準が必要な部分に関しては、標準化団体に参加し、標準化を進めていきます。
本件に関するお問い合わせ
研究本部 データ&セキュリティ研究所
contact-nwt@cs.jp.fujitsu.com
EEA (European Economic Area) 加盟国所在の方は以下からお問い合わせください。
Ask Fujitsu
Tel: +44-12-3579-7711
http://www.fujitsu.com/uk/contact/index.html
このページをシェア
Recommend
Connect with Fujitsu Research
