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コラム「グローバル経営と管理会計」

経済がグローバル化し、日本の経済が高成長を期待できない一方で新興国マーケットが高成長を維持すると見込まれている現代においては、企業が成長をし続けるためには経営のグローバル化を避けて通ることはできません。企業がグローバルに事業展開をしていくことは、新たな成長機会を得る可能性があると同時に、国内だけで事業展開していた時には考える必要が無かったリスクや課題に対処していく必要があります。

このコラムではグローバル企業と管理会計というテーマに沿って、組織形態に応じた管理会計の構築、運用方法について解説し、環境変化に対応するためのアダプティブ戦略を支える管理会計について解説していきます。

2014年11月5日公開

一口にグローバル企業といっても、海外販売子会社を通じて輸出中心の海外展開をしている企業、海外子会社が独自の事業展開している企業、複数の国や地域に本社機能を持つ多国籍企業など、その組織形態には様々なものがあります。
グローバル企業の組織の分類として一般的なクリストファー・バートレットとスマントラ・ゴシャールの分類によると、グローバル企業の組織モデルには以下の四つのものがあるとされています。

2014年12月10日公開

管理会計を考えるにあたって最も大切なことは「目的適合性」、言い換えれば「マネジメントの目的に沿った会計情報を作成し、活用すること」です。一見当たり前のことのようですが、この基本を見失って管理会計がうまく運用できないという事例は少なくなくありません。マネジメントの目的という観点からは、3つのマネジメントの階層と2つの役割から次の2×3マトリックスの領域に分けることができ、またそれぞれの領域はそのマネジメントの目的のための管理会計の領域も同時に示しているものでもあります。

2015年3月2日公開

インターナショナル型は本国のグローバル本社が戦略や方針の決定を行い、各国現地法人に現地の事情に応じた運営などの権限をある程度与える形態の組織です。
インターナショナル型は(1)海外事業を本社の付属とみなす「インターナショナル型思考」、(2)多くの資産、経営資源、責任、意思決定が各国に分散されているが本社からのコントロールも受けるという「調整された連合体」、(3)公式な経営計画と統制システムによってグローバル本社と海外事業をになう現地法人が密接に結びついている「管理型コントロール」、という3つの特徴を持っています。

2015年3月31日公開

マルチナショナル型は、各国現地法人が独自の経営方針、経営資源で事業を運営し、独立独歩の経営を行う企業の連合体という形態の組織です。マルチナショナル型は欧州の企業で多く採用されていると言われています。
欧州企業の海外進出は16~17世紀の東インド会社の時代にさかのぼることができ、日本企業や米国企業よりもはるかに長い歴史を持っています。400年以上前の東インド会社が設立された時代は電信・電話の発明前の通信技術が未発達であり、海外進出のためには権限を大幅に現地に委ねるマルチナショナル型の組織形態以外のものを採用できなかったと思われます。

2015年5月18日公開

トランスナショナル型は、各国現地法人により現地に合わせた自律的な経営が行われますが、各国現地法人が経営資源の調整などの面で連携しつつ事業運営が行われる形態の組織です。各国の法人は親会社と子会社という階層ではなく相互依存するネットワーク型の組織の一員となり、それぞれがグループの中で差別化された役割を担うこととなります。

2015年6月15日公開

「想定外」ということばが流行したように将来の予測が困難な現代においてグローバル事業展開を行うにあたっては、従来どおり中長期の方針・計画などを策定することは重要であることと同様に、事業に影響を与える環境の変化を素早く察知し、環境の変化に合わせて方針や計画の修正に反映するというアダプティブ戦略をその戦略を支えるマネジメント体制が重要なものとなっています。

講師紹介

公認会計士 森川智之氏

公認会計士 森川智之氏の写真

監査法人トーマツに勤務後、独立。 IPO支援、管理会計、ファイナンス等のコンサルティング業務から税務業務などを幅広く行う。
公認会計士、森川アンドパートナーズ会計事務所代表、有限会社フォレストリバー代表取締役。
著書として「決断力を高めるビジネス会計」(中央経済社)、「スタンフォード・ビジネススクールが教える「財務諸表の読み方」」監訳(日本経営合理化協会)がある。

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