国内最大規模のクライアントPC(約1,700台)を擁する学内ネットワークサービスを運営管理、オープン環境で培われたノウハウでITサービスが向上。
[ 2009年10月21日掲載 ]
ハードウェア: | PRIMERGY TX200, RX200, BX620 / ETERNUS4000 等 |
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ソフトウェア: | Red Hat Enterprise Linux,OSSミドルウェア(Apache, Tomcat, Bind, OpenSSH 等),NetVault |
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障害によるサービス停止を抑え、安定運用を図りたい |
富士通SEとの二人三脚で、ゼロベースから構築し、保守性を向上。学生・教職員向けITサービスの安定運用を実現 |
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学内ネットワークサービスの利便性を維持した、セキュアなインターネットプラットフォームにしたい |
Linux標準のセキュリティ機能による不正アクセス防止等、インターネット接続にも安心利用 |
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Linuxのメンテナンスにかかわる負荷を減らすために、設定変更やアップデートに向けた相談をしたい |
Linuxサポートの問い合わせ対応や情報提供、ならびにSE支援など、富士通の総合力が運用負荷の半減化に貢献 |
「富士通SEとの二人三脚で、望んだ通りのシステムが構築できました。
稼働後の安定運用やLinuxサポート品質にも、十分な満足感を得ています」
専修大学 情報科学センターは、国内最大規模のクライアントPC(約1,700台)を擁する学内ネットワークサービスを運用管理しています。旧システムではサービス停止が頻発し教育・研究活動に影響を与えていましたが、当時の担当ベンダーから十分な支援が得られず、当センターの労力は増す一方でした。2007年の春、富士通SEとの二人三脚で、PRIMERGYやETERNUSを利用した新システムへ一新。富士通SEとサポートデスク(Linuxサポート)が連携した技術支援により、サービス運用の負荷半減や十分なセキュリティ対策を実現しました。また、オープン環境としての利便性も継承でき、当センターで培われたノウハウにより、学生・教職員へのITサービスが向上。2008年には本ネットワークサービスに関して、外部調査により国内大学トップ5の評価を得ました。
専修大学 情報科学センターは、生田キャンパス(神奈川県川崎市)と神田キャンパス(東京都千代田区)に約1,700台のクライアントPCを擁する教育・研究用コンピュータネットワークを運用管理しています。
1962年に経営学部用の電子計算室としてスタートした情報科学センターは、情報技術の発展にあわせて常に最先端システムを導入。10ギガビットイーサネット導入による基幹LANの高速化、キャンパス内の随所で利用できる無線LANや、学外からセキュアにアクセスできるVPN接続など、高速かつ安全なネットワーク環境を提供し、「学生を基本に据えた大学づくり」という本学の指針のもと、学生・教職員の教育・研究活動をサポートしています。
旧システムではサービス停止が頻発し教育・研究活動に影響を与え、安定運用を望む学生・教職員の声、およびサービス復旧に費やす当センターの労力は増す一方でした。
2007年のリプレースにあたり、新システムに求めたのは安定運用と保守性の向上でした。専修大学 情報システム部 次長 能美明弘氏は「とにかくメンテナンスに対する苦労が絶えませんでした」と当時を振り返ります。「2004年に稼動したシステムは、設計思想・運用保守に不透明な部分が多く、構築に携わった当時のベンダーから十分な支援も得られず、様々な問題が浮上しました。そのため、我々自身が調べながら、試行錯誤でトラブル対応やOSアップデートを行っていくなど、運用負担の増加に歯止めがない状況でした」(能美氏)。
当センターにおけるLinux担当は2名の少数体制。利用者向けのマニュアルの整備や問い合わせ対応も行っているため、トラブルやメンテナンスに費やす時間が多くなり、サービス向上へ注力することが困難でした。
そこで、富士通は、当センターが十分に納得するまで検討を重ね、ゼロベースで新システムを構築し、多くの要件を取り入れました。インターネット接続のプラットフォームには、セキュリティ面を考慮し、旧システムから引き続きLinuxを採用。また、内部ネットワーク用のWindowsサーバも一様に、コストパフォーマンスに優れたPRIMERGYを採用しました。
Linux運用担当の専修大学 情報システム部 情報システム課の小川孝人氏は「富士通には、無停止運用や冗長化といったシステム構成に加え、Linux運用・保守まで綿密に相談できました。納得できる回答を得られていたため、今回は保守性の大幅な改善が期待できました」と、Linux on PRIMERGY導入を振り返ります。
2007年のリプレースでは、サーバやストレージ、ネットワーク機器、ならびに全クライアントPCの最新機種への入れ替えが行われ、ゼロベースでの全体的な再設計/構築が行われました。ネットワーク回線は二重化して可用性を向上。ストレージは高信頼ディスクアレイ装置ETERNUSや、NetVaultによるバックアップ効率化で、データの保全性を確保しました。
また、当センターマシン室内のインターネットサーバには、Red Hat Enterprise Linuxおよび、Apache(Webサーバ)・Tomcat(CGIサーバ)・OpenSSH(外部アクセス用サーバ)・Bind(DNSサーバ)のOSSミドルウェアを採用。Linux/OSS構成は旧システムを継承したものの、すべて富士通評価済みの構成によりPRIMERGY上に再構築したうえで、160を超える既存ソフトウェアをそのまま移行しました。
インターネットサーバでは、Linux標準の通信系セキュリティ機能(tcp_wrapper, iptables)を利用しています。その理由について小川氏は「Linuxの通信系セキュリティ機能は、技術としては十分成熟しており、関連情報を入手しやすいというオープン環境のメリットがあります。また、万が一問題が発生してもチェックすべき箇所が少ないので、すぐに対策を講じることができ、運用性が高く、安心して利用できます」と説明します。
稼動から2年経過した現在も、当センターのITサービスは、順調に安定運用を続けています。Linux保守について小川氏は「LinuxとOSSに関することは、まず富士通に相談しています。Linuxサポートや富士通SEからアップデート情報・手順を提供いただくなど、いろいろ支援してもらえるので、我々の運用負荷は半減しました。また、安定運用により精神的負担・不安が解消されたことも大きな効果です」と、富士通のLinuxサポートとSE支援を高く評価。Linux/OSSが安定運用を続けていることから、インターネットサーバにおけるLinux適用の範囲拡大が検討されています。
当センターでは、他の大学によく見られるような利用上の制限をできる限り設けず、学生・教職員が使いやすい利用環境の構築を基本方針としています。授業の合間の、少しの時間でも待たずに使えるよう、キャンパス内の複数箇所に多数のクライアントPCを設置していることも、その方針によるものです。各授業で利用希望があがったアプリケーションにもできる限り対応するなど、教育・研究を支援する環境を提供し続けています。
運用負荷の半減により、ユーザーへのITサービス向上に対しても注力できるようになりました。例えば、オンライン利用申請や端末利用状況確認のWebアプリケーション作成など、Linux/OSS本来の手軽さを生かした利用環境の整備に取り組んでいます。
「当センターのネットワークサービスは、全国の学生を対象にした外部機関の調査アンケートで、利用しやすい環境であるとトップ5にランクされるなど、高い評価を得ています。これを維持・向上できるよう、今後もより一層利用環境の整備を進めていきたいと考えています。そのためには、我々を支えてくれる富士通の全面的なサポートが不可欠です」と能美氏は期待します。今般、情報科学センターと富士通が再び次期リプレースを手掛けることが決定。今度は仮想化技術によるサーバ集約にも取り組む計画です。
法律・経済学校として1880年に開校し、今年で創立130年を迎える専修大学。来年度には新学部・新学科の設置をひかえ、当センターの役割はますます大きくなっていきます。富士通は、情報科学センターのITによる教育・研究への貢献を、今後も最先端のテクノロジーと総合的なサポート力で支えていきます。
所在地 | 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1 |
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ホームページ | 専修大学 情報科学センター様ホームページ |
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