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Fujitsu

Japan

"高速化"へのあくなき挑戦がビジネスの未来を変える

SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。

ヒューマンセントリック時代のプラットフォーム高速化へのあくなき挑戦ビジネスチャンスをつかむカギ 柔軟性豊かで安全な社会を支える信頼性

"高速化"へのあくなき挑戦がビジネスの未来を変える

高速性。独自プロセッサ「SPARC64」。1980年代に本格的な商用利用が始まったUNIXは、高い性能とメインフレームクラスの信頼性により、金融をはじめとする企業の基幹システムや、空港、電力などの社会基盤システムで、今もなお高い支持を得ています。
富士通では1991年にUNIXサーバを発表して以来、数々の技術革新に挑み、全世界で5,000社以上の導入実績を挙げました。
今回は速さへの挑戦をテーマに、「SPARC Enterprise™」開発に込められた高速化へのこだわりについて話しを進めていきます。

スーパーコンピュータ「京」にも採用されているSPARC64プロセッサ

SPARC64 VII+ ウェハ(SPARC Enterprise)

コンピュータの歴史は高速化の歴史でもあります。速いコンピュータへのニーズは途切れることはありません。その実現の鍵を担っているのがプロセッサです。富士通は長年、日本で自社開発したプロセッサをサーバに組み込み、提供しているベンダーです。「SPARC Enterprise」に採用されているSPARC64プロセッサのアーキテクチャは、2011年に世界最速となったスーパーコンピュータ「京」にも採用されているプロセッサのベースとなっており、同じ技術者によって開発されています。

CPU モジュール

プロセッサの性能アップには、動作周波数の向上が欠かせません。しかし、動作周波数アップは、消費電力の上昇や発熱などの問題を引き起こします。富士通では、動作周波数の向上に絶えず挑戦しながらも、マルチコア、マルチスレッド処理により、消費電力の増加を最小限に抑制しつつ高速化を図る、バランスに配慮した性能向上を実現してきました。
さらなる取り組みとして、従来ソフトウェアで行っていた処理をCPUで実行する、性能のブレークスルーに挑戦しています。

たとえばSIMD(Single Instruction Multiple Data) 注2。これは、1回の命令で、複数のデータに対して同じ処理を実行させる技術で、演算処理の高速化を可能にしています。また、ハードウェアバリア注3は、複数のコアに分散されていた処理の同期確認を、従来のソフトウェアではなくCPU上のハードウェアで行うことにより処理時間を短縮しています。
SPARC64アーキテクチャは、「SPARC Enterprise」が担うビジネス分野や、「京」が担うスーパーコンピュータ分野にそれぞれ最適化され、最高のパフォーマンスを発揮しています。自社で開発しているからこそ、長年の開発で培った最先端技術を幅広い分野に展開できるのです。

SPARC64 VII+ ダイ(SPARC Enterprise)

SPARC64 VIIIfx ダイ(スーパーコンピュータ「京」)

サーバ性能を引き出す全体最適化

全体最適化による性能向上。

サーバ性能の向上は、プロセッサを高速化させるだけで実現できるものではありません。CPU、メモリ、I/Oなど、ハードウェアの各コンポーネント間でのデータ転送スピードの高速化が欠かせません。「SPARC Enterprise」では、高速インターコネクト技術によりシステムバスの帯域幅の確保することで、この課題を解決しています。サーバを自社で一貫して開発している強みが、全体最適化による性能向上に活かされているのです。

富士通とオラクル社とのアライアンス。

「SPARC Enterprise」は全世界で幅広く使用されているOS「Oracle Solaris」を採用しています。ハードウェア設計とOS開発の分業化が進む中、富士通はオラクル社(旧サンマイクロシステムズ社)と20年以上にわたるアライアンスにより、ハードウェアとOSの一体となった開発を進めてきました。1998年には、米国シリコンバレーに、Solaris開発拠点である富士通テクニカルセンタを設置。オラクル社と連携して、SPARC64プロセッサをはじめとするハードウェアに最適化された機能の開発を行い、さらにSolaris品質向上のための検証などを実施しています。
両社の協業により、「SPARC Enterprise」の備える高いスケーラビリティが十分に発揮され、CPU負荷に左右されない、マルチコア・マルチスレッドの安定的・効率的な活用が可能になりました。

また、協業の強みを活かした「SPARC Enterprise」と「Oracle Solaris」、「Oracle Database」の組み合わせでは、UNIXサーバとしてのより大きな性能効果を発揮します。最新技術では、フラッシュストレージ製品をデータベースキャッシュとして用いる「Oracle Database Smart Flash Cache」より、従来のHDDへのアクセスに比べ、大幅な性能向上を可能にしています。

今後もサーバの高速性にこだわり、その進化を追求し続けるとともに、企業のビジネスの根幹を支えていきます。そして、お客様が過去から未来に渡って安心してお使いいただけるように継続性を重視し、その比類なき性能の向上にさらなる磨きをかけていきます。


(注1)理化学研究所が2010年7月に決定したスーパーコンピュータの愛称。

(注2)SPARC64 VIIIfxで実装

(注3)SPARC64 VII以降で実装