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Fujitsu

Japan

SAP基幹システムの中核を担うプラットフォームとして二世代にわたり基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を採用 予備ボードの搭載で高可用システムをシンプルに実現

宇部興産株式会社様外観写真 宇部興産株式会社 様

宇部興産株式会社様 導入事例


化学分野を中心にグローバル市場で発展を続ける宇部興産。2007年にSAP基幹システムのベースとなるOSをUNIXからWindowsへマイグレーションするため、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」をプラットフォームに採用しました。障害発生時のサーバ切替処理をソフトウェア制御で行うクラスタ構成から、ハードウェア制御による予備ボード切替のシンプルな構成に変えたことで、運用の効率化やTCO削減を実現しました。また、リソースを柔軟に変更することにより、SAP R/3のバージョンアップ作業時間も大幅に短縮。「PRIMEQUEST」の高信頼、高可用を実感したことで、2011年のリプレース時も「PRIMEQUEST」の最新モデルを選択。従来の高信頼、高可用に加え、大幅な性能向上によりバッチ処理時間の短縮も実現しています。

[ 2013年4月5日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 製造業
ハードウェア: 基幹IAサーバ PRIMEQUEST 1800E2、1400S2
ソフトウェア: SAP ERP
Microsoft SQL Server
【課題と効果】
1 SAP基幹システムをWindowsにマイグレーションし、運用を効率化したい 2007年、新プラットフォームに「PRIMEQUEST」を採用し、既存16台のサーバを2台に統合。2011年、独自の高信頼、高可用技術と安定稼働の実績を評価し、最新モデルに刷新
2 ソフトウェア制御によるクラスタ構成システムの運用管理作業を軽減したい 「PRIMEQUEST」に予備ボードを搭載することでハードウェア制御による高可用性を実現。構成のシンプル化と運用の簡素化により初期導入コストの抑制、運用コストの削減を実現
3 データ量が増大するSAP R/3システムにおいてバージョンアップ時間の短縮化を図りたい 「PRIMEQUEST」のフレキシブルI/Oを活用し、CPUやメモリなどのリソースを柔軟に変更することにより、SAP R/3のバージョンアップ作業時間を1/3以下に短縮

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導入の背景

ITインフラの転換点は2006年のIT標準化指針の策定

「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私たちのDNAです。」 広告でもおなじみのキャッチフレーズをもつ宇部興産は、独創的な技術や製品によって医薬品など身近なものから社会インフラ、航空宇宙まで、さまざまな分野で新たな価値の創造を続け、社会の発展に貢献しています。
創業100年以上にわたり「共存同栄」の創業理念のもと、世界を舞台に幅広い製品の事業を展開する同社は、国内外に145社のグループ会社を有し、グループの連携強化やグループ全体の効率化を図るためにITの活用にも積極的です。

宇部地区航空写真 宇部地区航空写真

宇部興産株式会社 経営管理室 情報システム部長 友景 浩氏の写真 友景 浩
宇部興産株式会社
経営管理室 情報システム部長

「当社の情報システム部門は、連結ベースでの経営システム全般の高度化、情報セキュリティの向上、環境負荷の軽減など、ITサービスを活用することで当社とグループ会社の企業価値向上に貢献することを基本方針に掲げています。近年、ITインフラで大きな転換点となったのは2006年のIT標準化指針の策定です」と宇部興産 経営管理室 情報システム部長 友景浩氏は語ります。

導入のポイント

効果の実感と実績に基づく信頼感から「PRIMEQUEST」を再び選択

IT標準化指針では、IT技術者の高度化、育成効率化の観点から、OSはWindows、データベースはMicrosoft SQL Serverを標準とすることを定めています。この指針のもと、各ITシステムの標準化を開始していますが、2007年にはUNIXサーバで稼働していたSAP基幹システムについてもWindowsへのマイグレーション実施を決定しました。会計、販売、購買、生産などを担い、UNIXサーバ並みの高い信頼性が求められるSAP基幹システムのプラットフォームとして適したサーバは何か。「SAP基幹システムにも適用可能な富士通の基幹IAサーバPRIMEQUESTが最適でした」と友景氏は振り返ります。

宇部興産株式会社 経営管理室 情報システム部 情報・インフラグループ グループリーダー 大井 和之氏の写真 大井 和之
宇部興産株式会社
経営管理室 情報システム部 情報・インフラグループ グループリーダー

同部 情報・インフラグループ グループリーダー 大井和之氏は「PRIMEQUEST」の信頼性について「当社は富士通のメインフレームを長年使用してきた経験があり、信頼性についても十分な実績がありました。このメインフレームの技術を活用して設計されたPRIMEQUESTの高い信頼性とハードウェアの柔軟な拡張性には大きな期待を寄せていました」と話します。
そして、今回のリプレースにおいて、改めてSAP基幹システムに適したサーバの観点から複数社の製品で慎重に検討を重ねた結果、実績に基づく高信頼性に加え、独自技術の優位性、将来性から「PRIMEQUEST」の最新モデルの採用に至りました。

まず運用性の面で予備ボードを活用した高可用性が高い評価を得ました。「UNIXサーバを利用していた当時、ソフトウェア制御によるクラスタ構成にしていましたが、構築や検証作業に手間がかかることに加え、仕組みが複雑で維持管理が大変煩雑でした。PRIMEQUESTは予備ボードを搭載し、簡単な設定をするだけ。アプリケーションに依存しないため早期復旧が可能です。シンプルな構成と運用により業務の効率化やTCOの削減が図れることが今回の採用でも大きなポイントとなりました」と、UBEグループの運用管理・企画を担当する宇部情報システム 情報処理サービス部 運用技術グループ ITコンサルタント 蔵重誠氏は話します。

システムの概要

「PRIMEQUEST」ならではのリソースの柔軟な変更も重視したポイント

運用管理・企画を担当する蔵重氏が「PRIMEQUEST」ならではの特長として重視したポイントが、リソース変更への柔軟な対応です。従来のシステムでは、SAP R/3のバージョンアップ作業時に、作業時間の短縮の為にCPUやメモリ等のリソース追加が必要になる事がありました。その際は追加機器の購入手続きやカスタマーエンジニア(CE)の作業手配など、費用と時間がかかることが課題でした。「PRIMEQUESTは、追加費用やカスタマーエンジニアを必要とせず、Webからの簡単な操作でCPUやメモリ、I/Oなどの変更ができます。大量データを処理するときには他のシステムからリソースを借りて短時間で処理させることも可能です。2007年の導入後、2012年に行ったSAP R/3からERPへのバージョンアップで非常に高い効果を発揮しました」(蔵重氏)。

株式会社宇部情報システム 情報処理サービス部 運用技術グループ ITコンサルタント 蔵重 誠氏の写真 蔵重 誠
株式会社宇部情報システム
情報処理サービス部 運用技術グループ ITコンサルタント

今回の採用では性能面も大きなポイントとなりました。「膨大な数のジョブが同時に動いているので、多重処理が行えるように高性能なCPUを求めていました。当時、当社の要件を満たしていたのは10コアのCPUを搭載可能なPRIMEQUEST 1800E2と1400S2だけでした」(蔵重氏)。

導入時には周辺機器との連携も必要です。「PRIMEQUESTは既設の他社製ストレージとの接続保証の認定も早い。この点も重要です。ストレージとの接続保証がないとSAP基幹システムのサーバとして採用することができません」(大井氏)。

同社はSAP ERPのグループ会社の共同利用も図っており、今回、新SAP基幹システムでは、宇部興産のSAP ERP(10社以上で共同利用)、グループ会社宇部興産機械のSAP ERP、BI(Business Intelligence)システムのデータベース、予備ボードの4パーティション構成となっています。
新システムは2011年10月に導入。宇部興産が2012年5月、宇部興産機械が同年8月に本稼働し、現在まで大きなトラブルはなく安定稼働を続けています。

宇部興産株式会社様 システム構成図

導入効果と今後の展望

性能向上によりバッチ処理の平均応答時間を1/4に短縮

前回、UNIXサーバから「PRIMEQUEST」にプラットフォームを刷新した際には、16台のサーバを2台に集約でき、省スペース化や運用業務の効率化などTCOの削減が図れました。また、CPUやメモリなどのリソースを柔軟に変更することで、課題となっていたバージョンアップ作業の時間が大幅に短縮しました。
今回の導入では「PRIMEQUEST 1800E2」にリプレースしたことで性能が向上し、バッチ処理の平均処理時間を1/4に短縮するとともに、トランザクション処理も平均処理時間を1/2に短縮。増大するデータ量に対しバッチ処理、オンライン処理ともに余裕をもった対応が可能となりました。また、今回もSAP R/3 のバージョンアップがありましたが、検証で72時間想定していたバージョンアップ作業が20時間で完了できるなどさらなる時間短縮が図れました。
今後の展開について「次は仮想化もキーワードになると考えています。またグループ会社に対してSAP ERPのUBEテンプレートの展開やSAPを活用した経理事務のシェアードサービスの拡大を推進していきます。海外の生産システムとの連携も検討しており、富士通には安定稼働を維持するべくサポートの一層の強化をお願いいたします」と友景氏は語ります。
フロンティアスピリットを胸に、社会や地球環境との共生に貢献する宇部興産。世界を舞台に活躍する同社の取り組みを、富士通は先進のIT技術と総合力で支援していきます。

宇部興産株式会社の皆様及び、当社社員の写真 1列目左から、宇部興産株式会社 経営管理室 情報システム部 情報・インフラグループ グループリーダー 大井 和之 氏、宇部興産株式会社 経営管理室 情報システム部長 友景 浩 氏、株式会社 宇部情報システム 情報処理サービス部 運用技術グループ ITコンサルタント 蔵重 誠 氏
2列目左上から、富士通株式会社 システムビジネス営業推進本部 産業プラットフォームビジネス部 部長 大川 洋、富士通株式会社 産業ビジネス本部 化学産業統括営業部 化学産業第一営業部 赤荻 光典

パートナーメッセージ

宇部興産(株)様の基幹システムであるSAP R/3システムを担うサーバとして、PRIMEQUESTをご採用頂きましたことに御礼申し上げますとともに、2世代にわたりご導入頂けたことを光栄に思っております。

2006年のIT標準化指針の策定から(株)宇部情報システム様と一緒になり、インフラの最適化に取り組んでまいりました。当時のプロジェクトが、現在の当社のソリューション確立に非常に役立ったものとなっており、感謝しております。

お客様の要求への回答として、PRIMEQUESTのもつ、高信頼性、高可用性をあらためて訴求させて頂き、基幹業務の継続性、運用の効率化を図ったご提案をさせて頂きました。

富士通株式会社 産業ビジネス本部 化学産業統括営業部 化学産業第一営業部 赤荻 光典の写真 赤荻 光典
富士通株式会社
産業ビジネス本部
化学産業統括営業部
化学産業第一営業部

今後も、宇部興産(株)様及びグループ会社様に安定したサービスが継続してご提供できるようご支援していきたいと思います。また、宇部興産(株)様との末永い関係が続くよう、ベストパートナーとしてお役に立ち続けたいと思います。

【宇部興産株式会社様 概要】
設立 1942年3月(創業1897年6月)
東京本社 東京都港区芝浦1-2-1 シーバンスN館
宇部本社 山口県宇部市大字小串1978-96
従業員数 連結 11,081名 (2012年3月現在)
単独 3,773名 (2012年3月現在)
資本金 584億円(2012年3月末現在)
事業概要 化成品・樹脂、機能品・ファイン、医薬、建設資材、機械・金属成形、エネルギー・環境の6事業を展開
ホームページ 宇部興産株式会社 ホームページOpen a new window
宇部興産株式会社 会社ロゴマーク

【ご紹介した製品】

【導入事例(PDF版)】

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