RFIDシステム導入成否の最終的な判断は、実際の現場での読取精度に依存すると言っても過言ではありません。
実際の現場で、読み取り性能が十分に発揮されているかどうかを判断する必要があります。
そのためには、実際の業務に合わせた読み取り方法(ゲートタイプ等)を疑似的に準備し、期待する読み取り精度を確保できるか否かを検証することが重要です。
読み取り検証の前に、読み取り確認方法(方式)を説明します。検証内容に合わせて、方式を選択する必要があります。
【据え置きゲートタイプの場合(据置型リーダライタを想定)】
読み取り精度向上のためのポイントを下記に示します。このポイントを考慮し検証を行います。
読み取り精度向上のためのポイント | |
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1 | アンテナ種類は直線偏波または円偏波のいずれを使うか |
2 | アンテナの台数は何台にするか |
3 | アンテナの向きは適正か |
4 | タグの貼り付け位置による影響はあるか |
5 | 電波送信出力は適正か |
6 |
ゲート通過ラインは適正か
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7 | タグとの交信機会は十分か |
8 | ゲート幅は適正か |
9 | 誤検知は発生していないか |
検証内容 | 評価基準 | |
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1 | 上記ポイントを考慮して、単発方式でゲート通過時の読み取り回数を測定する。 | 読み取り回数が多いほど読取精度が高いため、回数が少ない場合は、上記ポイントを見直す。また、ログ内容から各アンテナの読み取り回数を確認し、アンテナの設置位置・向きが適正であるかを評価する。 |
2 |
上記ポイントを考慮して、累積方式(場合によっては重複認識防止機能(注) 使用)で実際の業務を想定し、読み取り枚数を測定する。 |
期待する読み取り枚数を達成できていることを確認する。達成できない場合は、上記ポイントを見直す。 |
【ハンディタイプの場合(特小ハンディリーダライタを想定)】
読み取り精度向上のためのポイントを下記に示します。このポイントを考慮し検証を行います。
読み取り精度向上のためのポイント | |
---|---|
1 | アンテナの向きは適正か |
2 | タグの貼り付け位置による影響はあるか |
3 | 電波送信出力は適正か |
4 | タグとの交信機会は十分か |
5 | 誤検知は発生していないか |
6 | ハンディリーダライタでの読み取り動作は業務上支障はないか |
検証内容 | 評価基準 | |
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1 |
上記ポイントを考慮して、累積方式(場合によっては重複認識防止機能(注) 使用)で実際の業務を想定し、読み取り枚数を測定する。 |
期待する読み取り枚数が達成できていることを確認する。達成できない場合は、上記ポイントを見直す。 |
(注)1度読み取ったRFIDタグに対し、重複して応答しないように設定する機能のこと。これにより、アプリケーションによるデータ抽出の無駄な処理を極力省くことができるのと同時に、高速・高精度なアクセスを実現することが可能。