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UHF帯RFID導入ガイド 第7章 リーダライタ間の電波干渉への対応

第1章 RFIDシステム導入の進め方第2章 事前に検討すべき事項第3章 タグの選定第4章 RFID機器の選定第5章 アンテナの設置方法第6章 RFID読み取り検証第7章 リーダライタ間の電波干渉への対応第8章 まとめ
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リーダライタの設置位置等を検討する際に確認しておかなければならないことがあります。
複数のリーダライタを近接位置に設置してRFIDタグとの通信処理を行った場合、以下のような原因で電波干渉が発生して、読取精度の低下や場合によっては全く通信ができないといった事象が発生します。

  • 複数のリーダライタから発する送信波をRFIDタグが同時に受信してしまい、正常に応答波を返すことができなくなる。
  • リーダライタが、RFIDタグからの応答を受信する場合に、他のリーダライタからの送信波に妨害されて、正常な受信ができなくなる。

これは、RFIDタグへの送信波とタグからの応答波を同じ周波数で使うFM0方式を採用したリーダライタ(ハンディ、据置タイプ(特定小電力無線局))で顕著に発生する事象です。電波干渉への対策としては以下が考えられます。

  • 周波数帯域の分離(リーダライタの使用チャネル番号を変える)
  • 読取タイミングでの分離(電波送信時間の調整)
  • 読取エリアの分離(電波出力、アンテナ角度の調整)

リーダライタ設置要領

(1)近接するリーダライタの隔離チャネル数は、3以上が望ましい

例えば、チャネル1を使用していたら他方はチャネル4を使用します。2チャネル以下としたい場合には、アンテナ設置角度や送信電力調整などとの組み合わせが必要となります。

(2)互いのアンテナは背面対応で設置(背面で向き合う)することが望ましい

電波の放射方向が同じにならないように設置します。

(3)RFIDタグが読み取れる最小の送信電力に設定することが望ましい

不要な電波を送信しないように使用環境(目的)に適したリーダライタを選択し、適切な送信電力に設定することが重要です。

(4)必要なタイミングでのみ電波を発生する工夫が必要

赤外線センサー等を適用する事により最適なタイミングでリーダライタから電波を発生し、高性能な読み取り制御を行う事ができます。これにより必要なタイミングでのみの電波発生となるため、干渉問題も抑制され、省電力化にも貢献できます。

(5)電波吸収体の設置

電波は壁や床でも反射が発生する為、以上の対策でも電波干渉は完全に対策できない場合もあります。このような場合は、UHF帯の電波を吸収して反射や他のリーダライタからの電波を遮蔽する電波吸収体の設置が有効となります。
パネルやシート形状のものがありますので、設置場所や用途に応じて最適なものを選択可能です。

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