株式会社ホンダアクセス(以下、ホンダアクセス)様では、お客様との「絆」を深めることを目的に「Circle h(サークル エイチ)」と名付けたモール型ECサイトを2015年1月にオープンしました。同社は、本田技研工業株式会社(以下、Honda)様のグループ会社として、ナビゲーションシステムやオーディオ商品、ドレスアップパーツなどHonda車の純正アクセサリーを世界中に提供しています。企画→開発→供給→販売までの一連の部門をあわせ持つ「小回りの効くタイムリーな商品提供」ができる企業として、商品の拡充はもちろん、Hondaグループ全体と連携したマーケティング施策にも取り組んでおり、富士通のECサイト構築ソリューション「SNAPEC-EX」を利用したサイトは、趣味やスポーツといったライフスタイルとクルマをつなぐHondaグループの新しい取り組みとして期待を集めています。
[ 2015年7月24日掲載 ]
業種 | 自動車用品の商品企画・開発・供給・販売 |
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ソリューション | ECサイト構築ソリューション FUJITSU Business Application SNAPEC-EX |
「お客様の声」
穗谷 和宏 氏 株式会社ホンダアクセス 商品企画部 主任
「Circle hは、単なるモノ(商品)だけを提供する物販サイトにはしたくありませんでした。今後の各種コンテンツ拡張に伴う出店社(ショップ)増加を想定して、モール型ECサイトの適用は考えていましたが、ECサイトを使った新しいお客様とのコミュニケーションを実現するためにインタラクティブなコミュニケーションの仕組みを包含した多機能なサイトを目指しました。一方で、構築期間は限られていましたので、ECサイト構築にあたっては富士通さんのような総合力を備えたベンダーがふさわしいと考えていました。ECサイトの構築実績も豊富でしたので、安心して依頼することができました」
1 | Hondaファンの拡大
Hondaファンだけでなく未開拓層との新たな関係構築のために、コミュニケーション機能を強化したい |
Honda様が運営する既存のコミュニティサイトと親和性の高いECサイトを「SNAPEC-EX」のモール型で構築。お客様の幅広いニーズに応え、遊びや趣味をもっと楽しむためのコト(体験)をコンテンツで提供 | |
2 | ライフスタイルを通じてHondaとお客様との絆を作る存在になりたい
従来接点の少なかったお客様の声や意見を直接聞きたい |
ECサイト内に双方向コミュニケーションの機能を実装し、Hondaファンのみならず幅広いお客様の生の声がダイレクトに入る仕組みと導線強化を実現 | |
3 | ライフスタイル型の商品を提供することでお客様の生活をもっと豊かに楽しく
新しい趣味を始めたいが「まだ始められていない」お客様でも、安心・便利に利用できるECサイトにしたい |
堅牢なセキュリティ環境の提供と、個人情報保護や誹謗中傷対策も考慮した付加価値の高いECサイトを実現。
ECサイトを通じて、会員との相互のコミュニケーションが可能なアクティビティの場を提供 |
お客様に、より魅力的で快適なカーライフを楽しんでいただくために、「ものづくり」の段階からHondaグループと一体となって、Honda車の純正アクセサリーを世界中に提供しているホンダアクセス様。こうした連携は開発領域だけでなく、マーケティングの領域においても展開されています。「お客様を守り、増やす」を合い言葉に、既存顧客のロイヤリティアップをはじめ、未開拓層への新たなアプローチとその顧客化に関して、Hondaグループとしての長期的な顧客とのリレーション強化を図るべく、デジタルマーケティング施策に取り組んでいます。
「車両専用に開発している純正アクセサリーだけでは、クルマと多様化するライフスタイルをつなぐ商品・サービスとして弱いという課題がありました。Circle hは、お客様との接点をECサイトを通じて具現化し、趣味などのライフスタイル面から『絆』を深めるための取り組みです」と、同社商品企画部 主任でプロジェクトの立ち上げから参加している穗谷和宏氏は語ります。
「『ライフスタイルとクルマをつなぐ役割』をCircle hは目指しました。Hondaでは以前より、直接的にクルマを宣伝するのではなく、釣りやゴルフ、キャンプのようにクルマを通じて得られる体験(コンテンツ)を発信し、自然なコミュニケーションを追求することで、クルマのある暮らしに興味や共感を持っていただくことを目的としたコミュニティサイトを運営しています。
Circle hのTop画面
(2015年6月現在)
https://www.circle-h.jp/shop/
ライフスタイルの側面から、少しでもお客様にHondaを好きになっていただく取り組みです。そこでホンダアクセスでは、ECサイトにこれらのコミュニティサイトとも相性がよいアクティビティの場所としての役割を持たせました」と穂谷氏は導入までの経緯を振り返ります。
ホンダアクセス様にとって、商品を実際に使用しているお客様の「生の声」は、商品の企画や開発の重要なヒントとなります。しかし、これまで同社では実際のお客様の声を収集する機会は非常に限られていました。
「Hondaのお客様はもちろん、そうではないお客様からも声を集め、オリジナル商品の企画と具現化に向けたスパイラルアップをしたいと考えました」と穂谷氏は語ります。こうして、お客様のニーズや評価を収集するコミュニケーションサイトとしてCircle hは誕生しました。
穗谷 和宏 氏
株式会社ホンダアクセス
商品企画部 主任
2013年冬に発足した社内プロジェクトを通して、理想とするコミュニケーションサイト構築のための方法や機能が絞り込まれていきました。
まず必要とされたのは、お客様からの「声」を受け取ったり、同社からも提案したりできるインタラクティブなコミュニケーションの機能。そして、企画した商品を提供するためのECサイトです。Circle hでは複数の出店社(ショップ)が利用する「モール型」による構築が今後の拡張を考慮し必須要件とされました。
「弊社が扱うHonda純正アクセサリーだけではなく、趣味やスポーツに関連する各メーカーとのタイアップ商品を幅広く紹介したいと思いました。これを考えたとき、自社商品のみのラインナップではなく、『遊びや趣味』を中心にそういった商品を扱う企業様にも出店社として参加していただくことで可能性が広がると判断しました」と、穂谷氏は「モール型」によるECサイト構築の狙いを語ります。
ECサイトの構築にあたっては、まずICTベンダー5社によるコンペを実施。その提案の中でも富士通のECサイト構築ソリューション「SNAPEC-EX」の「モール型」での構築プランが一番高い評価でした。
理由として、まずスケジュールへの対応があげられます。当初の計画では構築期間は約7カ月。その期間内にモール型によるECサイト構築に加え、双方向コミュニケーションなど、今回の必須要件機能をすべて実装するスケジュールであった点が高く評価されました。さらにコストの面でも、他の提案と遜色なかった点も評価されています。
そして、最終的にSNAPEC-EXを選択したポイントを穂谷氏は次のように語ります。「我々はBtoBがメインの会社ですので、BtoC事業の取り組みも、ECサイトの構築や運用も初めての試みです。ですから、柔軟な対応力や信頼性があり、それらを含め総合的にサポートすることが可能な企業を探していました。その点、弊社はもちろんHondaグループ内でも豊富な実績があり信頼感のある富士通さんは社内評価基準でも高評価でした。加えて、ECサイト構築でも豊富な実績がありましたので安心してお任せすることができました」。
構築開始は2014年初夏。SNAPEC-EXの開発元である富士通システムズ・ウエストの高い技術力を活かしたサポート体制でスタートしました。ECサイトのオープンまでの状況を穗谷氏は次のように語ります。「単に商品を並べるだけのECサイトではなく、『遊びや趣味』を中心にカーライフを楽しむイメージを大切にしたかったのです。そのため、ECサイトのコンセプト設定やデザイン企画に多くの時間がかかってしまったのですが、デザイン検討時から開発までいろいろとお世話になった富士通システムズ・ウエストさんには、こうした遅れをECサイト開発作業のスケジュールの中で吸収していただき、予定通りオープンできました。これは富士通システムズ・ウエストさんの精力的なご支援の賜物だと思っています」。
「大きな要件のひとつであったモール対応も、SNAPEC-EXの標準テンプレート機能を利用し短期間で構築できました。会員制サイトのため個人情報の取り扱いへの対応が必要になるなど、BtoCならではのノウハウが必要となりますが、こうした点でも導入経験の豊かなSEさんから多くのアドバイスをもらいました」(穗谷氏)。
こうして、SNAPEC-EXを基盤に構築されたCircle hは、モールによるECサイト、「声のアトリエ」と名付けられた双方向コミュニケーション機能、ライフスタイルの楽しさを広げるムービーを含む多彩なコンテンツを搭載し、多くのお客様とのコミュニケーションが生まれています。
Circle h2015年1月29日にオープン。約半年が経過し、ホンダアクセス様をはじめHondaグループ各社を通じて広く一般のお客様にも浸透し、会員数も着実に増えてきています。それに伴ってECサイトを利用する会員も増え、「声のアトリエ」にもメッセージが寄せられるようになってきました。
そしてオープン後もサイトの拡充は続いています。季節に応じた情報の発信やそれに連動させたコラボレーション商品の販売も計画しており、会員がより楽しめるコンテンツ作りにも注力して進められています。
「通常のECサイトでは珍しいコンセプトや機能を盛り込みましたが、期待以上のサイトを構築することができました。日々のECサイト運用に関しても、初めて立ち上げたBtoC事業でもあり、操作の不明点やコンテンツ追加によるシステム調整などの問い合わせや依頼事項が発生した際にも、適切なアドバイスや素早い対応をしてもらえるので、運営する側としては非常に心強く感じています」(穂谷氏)。
Circle hの今後の展開について、穂谷氏は「ライフスタイルを軸にしたモノ・コトを提供しながら、お客様とクルマの距離を近づけていく」と表現しています。発信するコンテンツの情報や取り扱う商品の幅を広げていくことで、会員様に趣味をより楽しんでもらい、最終的にはクルマの楽しみにつなげていくことを目指しています。また、Honda様が展開しているコミュニティサイトとも役割分担をしながら連携を深めることで、さらなる相乗効果も狙います。
「Hondaのコミュニティサイトでは、イベント情報の掲載や趣味に合ったクルマの選び方、趣味の楽しみ方を動画で紹介するなど、充実したコンテンツを提供しています。それを受けてECサイトであるCircle hでは、その趣味の幅を広げたり、初めての人でも楽しんでいただける商品や出店社とのコラボレーション商品も紹介しながら、会員様の関心がクルマにも向くようにしたい。さらに、お客様の声を活かし、純正アクセサリーともからめたクルマの楽しみ方の幅広げとなるCircle hならではの商品の企画にもつなげたいと考えています。さらなる商品ジャンル拡大のため、システム構築以外にも新規イベント企画や運営業務の支援を富士通さんには期待しています」と穂谷氏は締めくくりました。
富士通グループは、これからも一丸となってホンダアクセス様のチャレンジを強力にサポートしていきます。
【株式会社 ホンダアクセス様 会社概要】
所在地 | 〒352-8589 埼玉県新座市野火止8-18-4 |
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代表者 | 代表取締役 社長執行役員 松居 祥二 |
設立 | 1976年 |
従業員数 | 717名(2014年4月1日現在) |
事業内容 |
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ホームページ | ホンダアクセス ホームページ |
ECサイト | Circle h ホームページ |
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