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2017年11月6日から9日、Salesforceの年次カンファレンスイベント「Dreamforce 2017」が米国サンフランシスコで開催されました。イベントには世界90ヶ国以上の国々から17万人を超える事前登録があり、サンフランシスコの街中は参加者で溢れかえりました。
今回のDreamforceの基調講演でテーマとなったのが、製品やサービスが顧客とつながることで起こる「第四次産業革命」です。「大事なのは顧客とつながるための技術です。それで社会をより良い方向に変えていくのです」と言うのは、Salesforce.comのCEO マーク・ベニオフ氏です。
第四次産業革命で未来を切り開いていくのは今回のDreamforceの参加者であり、ベニオフ氏は彼らを「Trailblazers(先駆者)」と呼びます。TrailblazersがSalesforceのクラウドプラットフォームを使い、より良い社会を切り開いていくと言うわけです。
また基調講演の冒頭、ダイバーシティの問題、平等の重要性にもベニオフ氏は触れました。「世の中の全ての子どもたちが、教育を受けられるようにする必要があります」と言い、LGBTQにも触れ多様性がある中での平等が重要だと指摘します。そして第四次産業革命は、世の中の全ての人たちを巻き込む必要があると主張します。
顧客とつながることで実現する第四次産業革命、それを実現するのがSalesforceのクラウドプラットフォームです。今回のDreamforceでは、このクラウドプラットフォームに新たなブランド「myシリーズ」を展開すると発表がありました。「my」には、サービスのパーソナライズ化、さらには自分の手で組み立てるといった意味があります。myシリーズの1つとして紹介されたのが「myTrailhead」です。Trailheadは、Salesforceのプラットフォームを使いこなせるようにする学習用プログラムとして提供されてきました。
myTrailheadでは、Salesforceを利用している顧客自身が独自の学習環境を構築できます。それで自分たちのための学習を行い、スキル取得状況の管理などが可能になります。基調講演では米国携帯電話キャリアのT-Mobileの事例が紹介されました。「画面はT-Mobileのカラーであるマゼンダ色です。これを使いT-Mobileの数多くの店舗でのスマートフォンの売り方やサービス提供方法を学べます。学習環境はT-Mobileが自ら作り、それをT-Mobileの社員が使います」と説明するのは、Salesforce ファウンダーで全ての製品戦略を統括するパーカー・ハリス氏です。
もう1つのmyシリーズが、AI機能の「myEinstein」です。Einsteinは昨年のDreamforceで発表され、Salesforceのアプリケーションの裏で動くAI、機械学習機能です。セールスやCRMのアプリケーションの中でこれを用いて、さまざまな予測機能などが使えるようになります。新たなmyEinsteinは、Einsteinの予測分析機能を取り出し、ユーザーが独自のカスタムアプリケーションを作れるようにしたものです。myEinsteinを利用するのに、ユーザーはコードなどを書く必要はありません。
「myEinsteinが、Salesforceのプラットフォームからデータを自動で取得し機械学習を行います。その結果を使って自分たちが行いたい予測ができるのです。これを使えば、みなさんはすぐにデータサイエンティストになれます」(ハリス氏)
さらに「myLightning」では、開発ツールのLightningでパーソナライズ機能を強化しました。myLightningを使えば、ユーザーごとにアプリケーション画面のレイアウトを動的に変えることも可能となります。他にはGoogle マップの共同制作者でFacebook のCTOだったブレット・テイラーと、Google でGoogle App Engine の製品化を行ったケビン・ギブズの2人が設立し、昨年Salesforceに買収されたリアルタイムにコラボレーションを行いながら文書作成をするツールのQuipが、新たにSalesforceのコラボレーションプラットフォームとなったことも基調講演で明らかにされました。
もう1つ、Googleとの新たなパートナーシップも発表されました。「GoogleのCloud PlatformとSalesforceをネイティブに連携できるようにします。これは、それぞれの顧客のためのパートナーシップです」とベニオフ氏。今回の提携によりSalesforceではクラウドインフラを世界中に拡充するために、Amazon Web Servicesに加えGoogle Cloud Platformも新たに使用します。またSalesforceのCRMのプラットフォームとGoogleのG Suiteなどをシームレスに連携できるようにもします。
会場にはGoogle CloudのCEO ダイアン・グリーン氏も登場し「Salesforce CRMとG Suiteを組み合わせれば、チームはより生産的に作業が進められます」と、両社の提携のメリットについて言及しました。
Dreamforceでは「Customer Success Expo」も実施され、Salesforce自身はもちろん100を超えるパートナー企業が製品やサービスの展示を行いました。パートナーの1つとして、富士通もSalesforce関連のソリューションを紹介しました。富士通では、Fujitsu AmericaやFujitsu UKが先行し2003年という早い時期からSalesforceのビジネスを行っています。Dreamforceへの出展も、今回で5回目となります。
ブースではISVの立場からERP on AppExchangeのGLOVIA OMを、またグローバルプラチナコンサルティングパートナーとして小売業界や金融業界向けのソリューションを紹介しました。さらにSales CloudやService CloudといったSalesforceのサービスを各国企業で導入、活用している事例についても説明しました。
米国、UKで先行して始まったSalesforceのビジネスは、今や日本においても順調に拡大しています。Salesforceのライセンスのリセール、Salesforceのアプリケーションやプラットフォームを活用するシステムインテグレーション、さらにはGLOVIA OMを提供するISVとして、顧客に最適なSalesforceのソリューションを提供できることが、富士通のSalesforceビジネスの強みでもあります。そしてその強みを活かしながら国内はもちろん、グローバル化を目指して海外に進出する企業のSalesforce活用も、富士通では強力にサポートしていきます。