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予測できないデータ増に柔軟に対応する オブジェクトストレージ
ETERNUS CD10000~抜群の拡張性と運用性を備え、大容量データをセキュアに保管

富士通株式会社 ストレージシステム事業本部 ストレージソリューション事業部 CS・VT開発部:マネージャー 捧 宏太郎 / 主任 利根 直佳 / 奥村 正一、村上 順一

OpenStackのストレージ基盤として、欧米で人気の高いオープンソース「Ceph(セフ)」。ETERNUS CD10000はこのCephを採用し、RAIDでは困難であった大容量と拡張性を実現している。オープンソース採用の経緯やETERNUS CD10000の優位性について、製品化を担当するメンバーに話を聞いた。

それぞれの役割は?

 捧

ETERNUS CD10000はドイツの富士通テクノロジー・ソリューションズ(以下、FTS)と共同開発したオブジェクトストレージ製品です。私は日本国内向け製品化プロジェクトのマネージャーをしています。

 利根

利根:世界のコミュニティと連携しながらより良い製品提供で貢献していく昨年春までFTSに駐在し、グローバル製品の開発を推進するために、特に日本側との調整を行っていました。ETERNUS CD10000の担当になって帰任し、国内向けの製品化および拡販支援に携わっています。

 村上

村上:信頼性を保ちつつ広めていきたい主にハードウェア関連を担当し、評価機の手配から実際の評価、コスト調査、製造保守、関連部門の調整などを行っています。

 奥村

奥村:未知のテクノロジーへの挑戦でした主にソフトウェア関連を担当し、ETERNUS CD10000で採用しているオープンソースのサポートや保守マニュアルの作成、製品の評価などを行っています。

ETERNUS CD10000はどのようなニーズに向けた製品か?

 捧

捧:時代に即した製品をつくり続けるためにモバイル、ビッグデータ分析、ソーシャルビジネス、クラウドという4つの柱からなる「第3のプラットフォーム」が急速に拡大し、データ増の予測がますます困難になってきています。従来、アーカイブには大容量のテープが広く使われてきましたが、ディスクほど俊敏にアクセスできない。従来のスケールアウト型ストレージはと言うと、ディスクを増設できてもコントローラーの数が制限され、容量とともに性能を柔軟に拡張していくことが難しくなります。

こうした状況を打開するために、従来のRAID(スケールアウト型ストレージ)のアーキテクチャとはまったく異なり、ソフトウェアで複数のサーバ上にストレージシステムを構築する分散ストレージが登場しました。分散ストレージは、ハードウェア構成が定まらないという性質から従来のファイルとは異なるオブジェクトという単位でデータが格納される「オブジェクトストレージ」です。代表的なサービスにAmazon Web Service S3(以下、AWS S3)やGoogle Driveがあります。WindowsやLinux、Android、iOSといった様々な端末から多くのユーザーがIPネットワークを介してデータをアップロードし必要に応じて参照するといった、従来のブロックストレージやファイルストレージではできなかったサービスを実現し、今では広く普及しています。

こうしたアーカイブやコンテンツデポ(動画や写真などの映像データ、音楽、ゲームなどの保管)に適したストレージとして開発されたのがETERNUS CD10000です。これまで富士通は、構造化データを中心に扱う「基幹系(ミッションクリティカル向け)」、非構造化データの「情報系(サービス指向 / 仮想化環境向け)」、そして「バックアップシステム向け」の製品を提供してきましたが、ETERNUS CD10000は「データサービス(パブリックサービス基盤向け)」の第一号となる製品です。クラウドサービス事業者や、自社で大規模分散型のアーカイブシステムを構築したいお客様に向けて提供しています。

ETERNUS CD10000がどのようなニーズに向けた製品を表した図

オープンソフトウェアの分散ストレージ技術「Ceph」を採用した理由は?

 捧

Cephを使ったアプライアンスはETERNUS CD10000が日本初であり、業界でもかなり先進的な採用と位置付けられています。日本とドイツの両拠点で検証した結果、ソフトウェア自体が先進的でかつ優秀な分散ストレージであり、将来性も見込めると判断し、採用を決定しました。

 利根

Ceph採用の背景には、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)に対する注目の高まりがあります。日本はまだこれからという状況ですが、欧米ではかなり導入が進んでいます。OpenStackでシステムを構築する際のストレージ基盤としては、すでにデファクトスタンダードで、Cephコミュニティも非常に活発化しているので開発のスピードが目覚ましく、新しい機能が次々と提供されます。もちろん、OSSには自社だけでマネジメントできないというリスクはありますが、速いスピードでの提供が可能です。最近は「OSSのほうが安心」と考えるお客様も増え、オープンであることが好意的に捉えられています。OpenStackの事例も出てきていますし、またベンダーロックインを回避できるというメリットからも、今後は日本でもOpenStackやCephの採用が進むと見られます。

ETERNUS CD10000の開発メンバーは米国にもいて、Cephコミュニティと定期的にミーティングを持つなどしてコミュニケーションを密にとっています。欧米は日本と比べて、コンプライアンスのためにデータを「守る」よりもBIのためにデータを「使う」ことを重視し、そのためデータのアーカイブにも積極的ですし、新しい技術もいち早く使おうとします。そのような環境下にある富士通拠点が開発をリードし、常に現地の企業動向や最新技術をキャッチアップして製品に反映できたことは、ETERNUS CD10000の大きな優位性であると感じます。

ETERNUS CD10000のテクノロジーの優位性は?

 奥村

奥村 近影ETERNUS CD10000は、コントローラーとディスクを組み合わせたノードを最大224ノード、56ペタバイトまでシームレスに拡張できますので、大幅なデータ増大への対応が可能になります。またノードを束ねているCephは、独自のアルゴリズムを使ってデータをノード間で分散管理してくれますので、特定のノードに負荷が集中することがなく、RAIDでは必要な冗長性設計も不要です。

 村上

今まではスケールアウトできると言われる装置も、5年でハードウェアの寿命を迎え、新しい装置へ引っ越しすることは回避できませんでした。1ペタを超えるデータ規模になってくると、マイグレーションは計画も含め1年から数年がかりの作業です。これに対し、「つなげば使える」ETERNUS CD10000では、ノードの追加や減設時のデータ配置をCephが自動調整してくれます。新しい装置を追加するとデータ移動が自動的に始まり、終わったところで古い装置を外すと、今度は残った装置のノード間で再配置が自動的に行われます。ですからシステム停止なしで10%ずつ装置を切り替えていく、といった段階的なマイグレーションを簡単に実施でき、まるで体の古い細胞が少しずつ新しく生まれ変わっていくような新陳代謝性を実現します。

またETERNUS CD10000の優位性として、AWS S3およびOpenStack Swift互換のオブジェクトアクセスと、OpenStack Cinder互換のブロックアクセスに対応している点があります。しかもノードごとにアクセス方式を選択できますので、よりOpenStackに適したクラウドストレージ基盤と言えます。Cephはファイルアクセス対応も予定しており、リリースされれば富士通としても評価のうえETERNUS CD10000で提供したいと考えています。

OpenStackのリソースコンポーネント のイメージ

機能ごとに個別に用意されているコンポーネント。
上段がコンポーネントにより提供されるサービス、下段がコードネーム。
ブロックストレージは、仮想マシンが使用するストレージの管理を行い、オブジェクトストレージは、オンラインストレージを提供する。(技術解説「OpenStack(オープンスタック)とは」より)

ETERNUS CD10000をアプライアンス製品として提供する理由は?

 利根

OpenStackやCephに興味はあっても、ハードウェアやソフトウェアの選定から構築、導入、さらに導入後の保守まで、自社では対応できないというお客様の声を多く届いています。そこでETERNUS CD10000は、Software-definedの考え方に基づき、必要なハードウェア、OS、ソフトウェアを富士通で検証し、最適構成をパッケージ化してご提供しています。OSSは3か月、半年ペースでメジャーバージョンがリリースされますが、それを富士通で評価し、安定したリリースを採用していきますので、お客様は安心してOSSをお使いいただけます。

 村上

村上 近影ハードウェアやソフトウェアに問題が発生した場合、お客様自身が様々な異なる開発元に確認するといったことは必要なく、富士通が窓口となってワンストップで対応します。OSSは、それ自体は無料ですが、構築や運用・保守までのコストをトータルで考えた場合、自社で対応するとかえってコストがかかったという話もよく聞かれます。Cephによる運用負荷の大幅な軽減、柔軟なスケールアウトによる効率的なハードウェア投資、充実したサポート体制。トータルで考えていただくとコスト的にも非常に競争力のある製品をご提供できたと感じています。

営業やお客様からはどのような点が注目されているか?

 捧

国内ではクラウドサービス事業者だけでなく、医療サービスの電子カルテや図書館の電子辞書、交通情報など、アーカイブ用途の商談が多くなっています。そのような商談では、長期運用が必要となるため、Cephの新陳代謝性を評価してくださいます。また、日本ではまだOpenStackを実際に導入しているケースは少ないですが、お客様とお話させていただくなかでは、OpenStackとの親和性に興味を持って頂いています。OSSということで既にCephをご存知のお客様では、富士通のサポートに期待していただくことも多いです。

 利根

利根 近影ドイツのFTSでは大学のアーカイブシステムに採用されました。「学内でストレージサービスを提供したいが外部のサービスを使いたくない、Cephは使ってみたいが自分たちでは構築できない」というご要望でした。FTSでは「OpenStackのストレージ基盤」という商談が非常に多いですね。ですからCephのアプライアンス製品があるなら使ってみたい、とお問い合わせいただくケースが多くなっています。

ドイツFTS社との共同開発体制はどのように築いた?苦労したことは?

 利根

コアテクノロジーとして採用したCephだけでなく、ETERNUS CD10000は周辺技術にもOSSを多数採用しています。OSSの本場である欧米の取り巻く状況、各社ベンダーの動きは日々変わっていきますので、日本側も最新の状況を常にキャッチアップしなければいけません。私自身、それまでドイツと日本の開発はありましたが、米国も含めた3拠点はETERNUS CD10000が初めてでした。8時間ずつの時差があるという離れた環境のなか、電話会議などで一緒に開発しているような環境をつくり、相互理解を持つところに苦労しました。

 村上

日本向けの保守マニュアル作成では、日本とヨーロッパの文化の違いを感じました。日本では、全国に保守専門員を配備し、迅速に対応できる体制を整えますので、マニュアルを充実させる必要があります。一方のドイツは、トレーニングでETERNUS CD10000の専門家を養成し、彼らがSEとCEも兼ねるというスペシャリスト文化です。このようにサポート体制が異なるため、ドイツには日本で求めるレベルのマニュアルがなく、我々が実際にETERNUS CD10000を触り、日本向け保守マニュアルの内容を充実させるということも行いました。

これからの取り組みは?

 利根

ETERNUS CD10000の開発やサポートで得たものをCephコミュニティへフィードバックすることでコミュニティへも貢献したい。それによってCeph自体がより進化し、広く使われる技術になっていくといいと思っています。そしてCephのアプライアンスであるETERNUS CD10000っていいね、と言ってもらえればいいですね。

 奥村

私と村上は、以前はテープの開発に携わっていました。ですからCephは未知のテクノロジーでしたし、テープと違って詳しい人が近くにいません。ネットで調べてもCephの情報は少なく、ドキュメント類は英語。評価機を選定する段階から苦労しましたが、Cephの分散ストレージの動きを実際に見ることができた時は本当に驚きました。この先進的な技術を採用したETERNUS CD10000をより多くのお客様にお使いただけるよう、導入しやすいハードウェア構成の評価に注力し、すそ野を広げていきたいです。

 村上

現行のETERNUS CD10000は、例えば日本では自前のラック利用が可能になるよう、日本と海外で仕様が異なっています。今後はドイツ側とも検討を重ねながら、信頼性は変えず構成を一本化し価格を下げられればと思います。そして富士通全社に「クラウドと言えばETERNUS CD10000」ということをアピールし、より広げていきたいです。

 捧

捧 近影お客様とお話をさせていただくなかで現状の製品では対応できていないニーズも見えてきており、お客様のニーズに柔軟に対応できるようにモデル追加を検討しています。また、最新のCephを採用することで最新のテクノロジーをお客様にタイムリーに提供するよう取り組んでいきます。

世界は確実にオープン化へ向かっている。そうしたなか富士通は何をすべきか。その一つの答えがETERNUS CD10000の提供である。ますますスピードが増す時代に、長年の経験で蓄積されているノウハウ、サービスを含めたグローバルな総合力で、富士通はお客様のビジネスイノベーションを支えていく。


本稿記載の肩書きや、固有名詞等は取材日、または公開日時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

掲載日:2015年4月3日

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