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Fujitsu

Japan

圧倒的な低コスト、オンデマンドですぐに使えるなどIoT時代に最適!
安心・安全、高信頼の「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」を支える

ニフティ株式会社様 導入事例


インターネット社会の可能性を切り開いてきたニフティ。同社はIoT時代のニーズに応えるべく、2016年6月29日から容量無制限、GB単価5円の「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」のサービスを開始しました。サービスの基盤にはOSSの分散ストレージ技術Ceph採用のETERNUS CD10000 S2を導入。CephのCRUSHアルゴリズムやイレージャーコーディング注1により安定性や可用性の向上を図るとともに、Cephコミュニティに貢献する富士通からの情報提供もサービス強化に活かしています。またニフティクラウドのサービス基盤への利用などETERNUS CD10000 S2の活用領域を拡大することで投資対効果を高め、圧倒的な低価格を実現しています。

(注1) 分散ストレージを構成するサーバ間でデータのパリティを作成することで可用性と容量効率を高める技術。オブジェクトアクセス時のみ使用可能

[ 2016年10月27日掲載 ]

導入事例 ニフティ株式会社様 (770 KB)(A4・2ページ)


【導入事例概要】
国名 日本
業種 ISP事業、Webサービス事業、クラウド事業
ハードウェア FUJITSU Storage ETERNUS CD10000 S2 ハイパースケールストレージ

「ニフティクラウド オブジェクトストレージは利用しやすい低価格に加え、ニフティクラウドのアカウントさえあれば申し込みも不要です。ログイン後、オンデマンドですぐに使えることから、開発者が急に検証が必要になったとか、突発的な案件にも柔軟な対応が可能です。またビッグデータの保管場所としてはもとよりスモールスタートで試しに利用するといった使い方にも適しています」

【課題と効果】
導入前の課題 導入による効果
  • OSS採用の巨大なクラウドストレージで安定性や可用性、品質を高めたい
  • CephのCRUSHアルゴリズムやイレージャーコーディングにより安定性、可用性を向上。またCephコミュニティに貢献する富士通からの情報提供をサービス強化に活用
  • IoT時代のストレージサービスとして利用しやすい低コストを実現したい
  • ニフティクラウドのサービス基盤への利用やAPIによるオブジェクトアクセスのサービスに限定しない、高付加価値サービスの提供などETERNUS CD10000 S2の活用領域を拡大し投資対効果を高めることで、GB単価5円を実現
  • 巨大なクラウドストレージにおいて運用負荷を軽減したい
  • ETERNUS CD10000 S2の導入によりパッチ適用やメジャーバージョンへの対応に手間をかけることなく安心して利用が可能。運用負荷を軽減し開発に集中する時間を創出

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導入の背景

IoT時代に応える「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」がサービス開始

2010年1月、ニフティは業界でもいち早くパブリッククラウドサービス「ニフティクラウド」の提供を開始。以来、4,500件(2016年3月末時点)以上の導入実績があり現在も伸び続けています。ニフティクラウドが選ばれる理由についてクラウド事業部 クラウドプラットフォーム部課長 安部潤一郎氏はこう話します。

「SLA(品質保証制度) 99.99%以上の月間サーバ稼働率の保証、国産ならではの安心感と万全のセキュリティ対策、同程度の他社サービスを凌駕する高性能など基本要素を徹底追求しています。またわずか5分でサーバの追加・削除が行えるオンデマンド性や、ブラウザから簡単にリソースを管理できるコントロールパネルといった使いやすさも好評です。現在、インターネットサービス「@ニフティ」の95%がクラウド環境上に構築されており、社内実践で積み上げられた実績と運用ノウハウは大きな強みとなっています」。

安部潤一郎氏 近影
安部 潤一郎 氏
ニフティ株式会社
クラウド事業部
クラウドプラットフォーム部
課長

IoTやビッグデータを本格的に活用する時代が迫る中、2016年6月29日、ニフティクラウドはGB単価5円(5,000円/TB/月から)という画期的な低価格で提供する「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」のサービスを開始しました。同サービスの魅力は低価格、容量無制限だけではなく、巨大なクラウドストレージで優れた安定性や信頼性を確保しているという点です。こうした革新的なサービス実現の鍵となったのが、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)の分散ストレージ技術「Ceph」でした。

導入の経緯

CephのCRUSHアルゴリズムという優れたアーキテクチャーに注目

IoT時代を見据え、巨大なクラウドストレージをいかに構築し運用していくか。「既存のニフティ クラウドストレージの立ち上げ時から、当時はまだ論文の段階でしたがCephに注目しており、その動向をずっと追いかけていました」とクラウド事業部 クラウドインフラ部 エンジニア 五月女雄一氏は振り返ります。

同社がCephに注目した大きな理由がCRUSHアルゴリズムという優れたアーキテクチャーでした。「通常、分散ストレージシステムではデータの配置情報と、実際にデータを格納する場所が分かれているケースが多く、複雑性が増すことで安定性にリスクが生まれます。CephはCRUSHアルゴリズムによってファイルの配置先ディスクを決定するためデータの配置情報が不要です。シンプルなアーキテクチャーにより安定性や処理スピードの向上が図れることに加え、構成変更時のデータ移動を最小限にとどめるため、追加や削除にも柔軟な対応が可能です」(五月女氏)。

五月女雄一氏 近影
五月女 雄一 氏
ニフティ株式会社
クラウド事業部
クラウドインフラ部
エンジニア

障害発生時にOSSなら自分たちでも原因を追求できる

CephがOSSであることも重要なポイントでした。「お客様に提供するサービスに対して自分たちで責任を持つことを大切にしています。システム障害が発生したときブラックボックスではベンダーに任せるしかありませんが、OSSであれば当社で原因を追求することが可能です。またCephのコミュニティは活発に活動しており将来性も期待できます」とクラウド事業部 クラウドプラットフォーム部 エンジニア 小林研氏は話します。

Cephを採用したペタバイト級のクラウドストレージが登場し、欧米でOpenStackのストレージ基盤としての導入が進むなど、その実績も踏まえ、同社は検証も兼ねて社内システムのストレージ基盤にCephを採用するべく検討を開始。その検討段階で富士通パートナーのPFUから、富士通が日本初Cephを使ったハイパースケールストレージ ETERNUS CD10000を開発しているという話がありました。同社はCephの採用に関して自社構築、オープンソースが得意なベンダーとの連携、ETERNUS CD10000の導入と3つの選択肢を検討しました。

導入のポイント

Cephの特長を活かすETERNUS CD10000 S2の構成

同社はCephを検証環境や社内利用はしていましたが、サービス環境へ採用するのが初めてであり、いかにサービスとしての信頼性や安定性を担保していくかは重要なテーマとなりました。「富士通様やPFU様とは既存システムの導入実績から、最後まで“やりきってくれる”という大きな信頼がありました。検証機をお借りして1年間にわたり、性能や可用性など細部にわたって検証を重ね、沢山の課題をつぶし満足のいく結果が得られたことからETERNUS CD10000 S2の導入を決断しました。サービス化に際してCeph コミュニティへ参加されている富士通さんの情報提供も有益でした。当社独自で取り組んでいたらサービスインまでもっと時間がかかり、運用設計もより大変だったと思います」(五月女氏)。

同社はCephの特長を活かすETERNUS CD10000 S2の構成も高く評価しています。「オブジェクトストレージに蓄積される莫大な量のデータを効率的に保護するためにCephは、CRUSHアルゴリズムを採用しています。ETERNUS CD10000 S2はCRUSHアルゴリズムや冗長性を担保するためのイレージャーコーディングを深く理解したうえでそのメリットを最大限に引き出すシステムアーキテクチャーとなっています」(小林氏)。

2016年6月29日、ETERNUS CD10000 S2をベースとする「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」はサービスを開始。「利用しやすい低価格に加え、ニフティクラウドのアカウントさえあれば申し込みも不要です。ログイン後、オンデマンドですぐに使えることから、開発者が急に検証が必要になったとか、突発的な案件にも柔軟な対応が可能です。またビッグデータの保管場所としてはもとよりスモールスタートで試しに利用するといった使い方にも適しています」(小林氏)。

小林研氏 近影
小林 研 氏
ニフティ株式会社
クラウド事業部
クラウドプラットフォーム部
エンジニア

導入の効果と将来の展望

投資対効果を高めることで圧倒的な低価格を実現

手軽にデータをどんどん貯めることができる低コストの実現にはETERNUS CD10000 S2も大きく貢献しています。「オブジェクトストレージのサービスだけでは、GB単価5円の実現は難しい面があります。今後、ニフティクラウドのサービス基盤への利用はもとより、NASヘッドやビッグデータ分析、IoT部門との連携による高付加価値サービスとして提供するなどETERNUS CD10000 S2の活用シーンを拡大していくことで投資対効果を高めていきます。CephのAPIはAmazon Web Services(AWS) S3や OpenStackのSwiftとの互換性があることも可能性を広げます」(小林氏)。

運用負荷の軽減面でも効果がでています。「パッチ適用やメジャーバージョンへの対応などに手間をかけることなく安心して利用でき、運用負荷の軽減により高付加価値サービスの開発に集中する時間を創出できることを期待しています」(五月女氏)。

今後の展望について安部氏は次のように話します。「ユーザーブログでオブジェクトストレージのベンチマーク結果を掲載していますが、今後は活用事例の公表も行っていきます。また他拠点展開も実現していきたいと考えています。Cephコミュニティに貢献する富士通さんからはリリース情報をいち早くご提供いただいており、サービス強化に活かしています。今後もサービスを継続的に拡大していくために富士通さんには変わらぬご助力とサポートをお願いいたします」。

IoT時代のニーズに応える「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」。これからも富士通とPFUは一体となってお客様企業の付加価値創造に貢献するニフティクラウドのサービス基盤を支えていきます。


ニフティクラウド オブジェクトストレージ サービス開発担当メンバー

【サービスのご紹介】

IoT時代のニーズに応える
「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」

「ニフティクラウド オブジェクトストレージ」は大容量ファイルの保管場所として、低価格で容量を気にすることなくご利用いただけます。エンタープライズのお客様のニーズに応えるべく安全性や使いやすさを徹底追求しています。

  • 安心・安全のセキュリティ
    気になるセキュリティやデータ保護については、SSL(https)対応やデータの冗長化により安全性に力を入れています。
  • マルチアップロード機能(ファイルの分割アップロード)
    マルチアップロード機能により、GB、TBクラスの大容量データについても分割して送信が可能となるため、インフラへの負荷軽減、作業効率化につながります。
  • 自由度の高いAPI開発
    REST API(Amazon S3互換)の利用により、Webアプリケーションを利用したブラウザやモバイル環境からの操作、ハードウェアへの組み込み連携などが容易にできます。

【担当営業、担当SE、パートナーメッセージ】

株式会社PFU
カスタマサービスビジネスユニット
第一インフラソリューション事業部
第二ソリューション部
伊藤 誠

本商談は、富士通と連携し、検証からサービスの立ち上げに関わってきました。お客様目線に立ち、運用・保守まで考慮した検証を支援したことに対し、お客様より評価いただいた結果と思っております。今後もよりよいサービスをご提案できるよう努めてまいりたいと思います。

株式会社PFU
営業グループ
グループ企業営業統括部
第二営業部
奈良 泰洋

この度は、ニフティクラウドの新オブジェクトストレージサービス基盤としてETERNUS CD10000のご採用、ならびに本システムの設計検証から導入運用までの幅広いサービス提供を実現できました。これも一重に今までのPFUの実績をお客様にご評価いただけた結果と感謝しております。今後も、ニフティクラウドの事業拡大とサービス向上に貢献できるよう、誠心誠意努めていく所存です。

【ニフティ株式会社様 会社概要】
所在地 〒169-8333 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー
代表取締役社長 三竹 兼司
設立 1986年2月4日
社員数 連結:806名、単体:658名(2016年3月31日現在)
資本金 37億4,677万9,000円(2016年3月31日現在)
主な事業 ISP事業、Webサービス事業、クラウド事業
ホームページ
http://www.nifty.co.jp/新規ウィンドウが開きます

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。なお、社名敬称は省略させていただいております。

関連情報

分散ストレージ ソフトウェア Ceph(セフ)とは
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製品情報

増え続ける様々なデータを、最適な投資で効率的に活用 お客様ビジネスのイノベーションを支える
FUJITSU Storage ETERNUS CD10000 S2 ハイパースケールストレージ

ETERNUS CD10000 S2 ハイパースケールストレージは、2019年12月26日に販売終息しました。