SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。
関連製品:SPARC Enterprise M4000, M5000, M8000, M9000
パーティショニングは、一台のサーバを複数の領域に区切り、それぞれの領域でOSやアプリケーションを動作させて、複数のシステム構築を可能にする機能です。区切られた1つ1つの領域をパーティション(注1)と呼びます。 SPARC Enterpriseでは、高信頼と柔軟性を兼ね備えたパーティショニング機能(注2)をサポートしています。
各パーティションは、1CPU単位で構築可能であり、パーティ ションごとに物理的に独立しています。そのため1つのパーティションで業務負荷が高くなった場合や、万が一のトラブル時にも他のパーティションに影響しません。
本機能は、SPARC Enterprise M4000以上のモデルで採用しています。
注1:「ドメイン」と呼ぶ場合があります。
注2:SPARC Enterpriseでは、PRIMEPOWERでサポートしていた「ハードウェアパーティショニング」、「拡張パーティショニング(Extended Partitioning)」を総称して、「パーティショニング」と呼びます。
SPARC Enterpriseでは、CPUやメモリを搭載したボード単位でのパーティション分割に加えて、CPU単位でもパーティション分割をすることができます。2つの分割方法を混在させることもでき、どちらの分割方法でも、あるパーティションで起きた故障が他のパーティションに影響を与えることはありません(注3) 。そのため高い障害隔離性を確保できます。
パーティションの制御はハードウェア自身で行うため、パーティショニング運用による性能への影響はありません。
リソースを有効活用したい場合には、CPU単位のパーティション分割が有効です。 CPU単位の分割により、高信頼を保ちながら、きめ細やかなシステム設計が可能です。
注3:一部の共通ハードウェアにおける故障を除く。
それぞれのパーティションは完全に独立しているので、あるパーティションで発生した障害が他のパーティションに影響することはありません。ソフトウェアパーティショニングや論理パーティショニングに比べて、1箇所の故障により全システムがダウンするシングルポイントが少なく、高い障害隔離性を提供できます。そのため業務継続性の向上につながります。
ハードウェアリソースからOS、アプリケーションまで分割してシステムを構築できるので、ラック内に小さいサーバを複数台並べたシステムと同じことが、1台のサーバで実現できます。
また小さいサーバを並べたシステムでは、ミドルウェアを利用しないとシステム同士でハードウェアリソースの共有はできませんが、パーティショニング機能を利用して1台のサーバで複数システムを構築した場合、サーバの予備リソースをシステム間で共有できる利点があります。
SPARC Enterpriseでは、パーティションの設定・管理やDR(Dynamic Reconfiguration)操作をXSCF(システム監視機構)で行うことができます。パーティションごとにユーザアカウントを作成して管理を行えるので、管理性に優れているとともに、高いセキュリティを確保できます。
DRの操作は、XSCFで行う方法に加えて、各パーティションに直接ログインして、設定やハードウェアリソースの移動等を行う操作も可能です。この操作方法では、パーティション間のリソース移動を、スクリプトを利用して自動で行いたい場合に適しています(これは、従来機種のPRIMEPOWERと同じ操作方法です)。
XSCFを経由したDR操作は、データセンターでの運用など、パーティションごとに運用管理者をきめ細かくわけ、セキュリテイを向上させたい場合などに適しています。