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Fujitsu

Japan

第四章 エピソード「特長の実現を左右する攻防」/開発技術者のこだわり

メインフレームに匹敵する高信頼性への挑戦

インテルのラボに装置を持ち込み、最新CPUのデバックも合わせて協業

-- 今回、インテルの最新Xeonプロセッサー 7500番台を採用しています。インテルとの協業はどのように進められたのですか?

樋川: さまざまな課題についてインテルが最新Xeonプロセッサー 7500番台を開発している段階から電話会議を続けていました。インテルXeonプロセッサー 7500番台が出来上がった段階で、すぐにインテルのラボに装置を持ち込み、現地でインテルの開発者と一緒に評価、検証し、CPUのデバックも合わせて協業を進めていきました。その中で、1つの大きな問題が持ち上がりました。

富士通株式会社
IAサーバ事業本部 第二サーバ事業部
《システム仕様》 石田 健祐

石田: 新しいCPU間の高速通信(QPI)では、本来、好きなようにつなげることができます。ブロックと同じで、自在に組み合わせることでいろいろな形のネットワークができるのですが、インテルの立場に立てば、複数のパターンをすべて検証するのは手間も時間もかかって大変です。そこで、インテルでは、いくつか標準的なパターンの提案を行っています。今回も当社に対して提案があったのですが、そのパターンではどうやっても私たちの設計条件に適合させることができませんでした。

西野: 特定のCPUが抜けてしまうと、それぞれのCPUをつないでいる通信が切れてしまってつながらなくなるという状態は避けなければなりません。Reserved SB機能やフレキシブルI/Oなどが確実にどの実装位置でも機能するような組み合わせは、インテルから提案があったパターンではかたちにすることができなかったのです。

河野: 実装位置も重要です。もともとCPUからでている信号(ピン)の数は決まっていますから、全部のCPUに1対1ではつなげられません。この位置のCPUはこことこことしかつながらない。そういう組み合わせの制約の中で冷却なども配慮しながらかたちをつくっていきますから、決められたパターンに合わせるというのは現実的には不可能な状況でした。

須江: これしかないとかなり粘り強く主張しました。インテルと地道にミーティングを重ね、なぜこのかたちでないといけないのかということを訴え、インテルのエンジニアに理解してもらえるまでとことんやりました。結構、時間もかかりましたね。

ミッションクリティカルを担うIAサーバをつくることへの重責とプライド

-- 今回の開発でどのようなことにこだわりましたか?

樋川: インテルに装置を持ち込んで、インテルのエンジニアと協力しながら一カ月くらいかけて評価しました。やりとりは友好的であり、なおかつホットなものでした。
そうした状況は、海を挟んだやりとりでも同じでした。朝、出社したときに「いつまでに解答がほしい」というインテルからの連絡に対し、急いで応えると、またすぐにフィードバックがくる。協業ではありますが、馴れ合いではなく真剣勝負といった面が強かったですね。その点には互いにこだわりがあったのだと思います。真剣なやりとりの中で信頼関係は築かれていくのだなと実感しました。

河野: 今回、バックパネルを介してシステムボードを接続し高速伝送を実現した構造で、インテルXeonプロセッサー 7500番台の8ソケット構成というのは、恐らく当社が初めてのことだと思います。
伝送と冷却の関係、サイズの縮小など制約条件が複雑でかたちにするのに思考錯誤を繰り返しました。それだけで一年近くかかっています。PRIMEQUESTらしさをいかにかたちにしていくか。その点にこだわりました。

西野: PRIMEQUESTとは何か、お客様から何が評価されているのか、その点をきちんと理解した上で、新しいPRIMEQUESTを開発していかなければならないという点は、最初にこだわったところです。
高信頼性・高可用性はもとより、フレキシブルI/Oなど特長的な機能がなければ、PRIMEQUESTとは呼べません。加えて、ご利用いただいているお客様の声を活かした細かな改善点を反映させ、より使いやすいシステムにしていく。そうした姿勢も大事にしました。

石田: 私は主にシステムの仕様書などを書きましたが、実際に装置がつくられて実験室で検証を開始するという段階で、ちょっと仕上がり具合を見に行きました。ひと目で品質の良さが伝わってくる。モノとしての美しさがありました。メインフレームから継承してきたノウハウ、考え抜かれた設計、パーツごとの品質の高さ、そうした積み上げがひとつのかたちになっている。携わった技術者のこだわりを強く感じた瞬間でした。

富士通株式会社
IAサーバ事業本部 第二サーバ事業部
[総括役] 小泉 徹

小泉: 今回、ラインナップの各モデルにおいて部品の共通化を進めることで全体の開発費の抑制にもつなげています。苦慮したのはコストと信頼性のバランスです。本当にそれだけ必要なのか、見極めることは大切ですが、どうしてもゆずれない部分はあります。ミッションクリティカルのニーズに応えられるシステムであること、その点は徹底してこだわりました。

須江: お客様に最新のCPUを搭載したIAサーバをいち早くご利用いただくために、今回、エントリーモデル、エンタープライズモデル、ロングライフモデルの新ラインナップを同時に販売するというスケジュールのもとで開発を進めました。
新ラインナップでは2種類の筐体を使っています。構造も含めて違う筐体で電源や冷却の検討も含めて両方走らせながら、プリント板の設計や論理の検証も行ったりと、開発期間の1年半はかなりタイトでした。なんとか2010年年明けからの量産体制にこぎつけることができました。

-- 今後、PRIMEQUESTはどのように進化していくのでしょう?

須江: 今後も、ICTの進展や市場の変化を見据えながら、お客様の声に真摯に耳を傾け、PRIMEQUESTをさらに進化させていきます。見た目や機能は変わると思いますが、PRIMEQUESTのコンセプトが変わることはありません。
メインフレームに匹敵する高信頼性・高可用性とオープンシステムのメリットの融合。富士通だからできる基幹IAサーバ、それがPRIMEQUESTです。私たちは、ミッションクリティカルを担うIAサーバをつくるということへの重責とプライドをもって開発に取り組んでおり、PRIMEQUESTのコンセプトを堅持することがお客様企業の継続的成長に貢献すると確信しています。

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