【社会課題への挑戦】配送業務を革新することで、物流業界の未来を変える

富士通グループでは、日本全国の企業や自治体、医療、教育機関とともに日本が抱える様々な社会課題の解決に向けて取り組んでいます。
今回は物流業界における人手不足の問題です。コロナ禍におけるECやネットスーパーの急成長によって配送量は大幅に増えました。一方で、2024年からは今まで上限規制のなかったドライバーの時間外労働が年間960時間までとなり、物流業界における人手不足の問題はより深刻になると予想されています。ここでは、埼玉県を中心に主にメーカーから小売店へ商品の配送を行う物流企業のお客様と共に、人手不足の課題解決に向け、配送業務の改革に取り組む社員の活動を紹介します。

目次
  1. お客様と富士通グループのこれまでの取り組み
  2. ドライバーの人手不足の問題にどう取り組んでいくか
  3. 物流業界全体のイメージアップに向けて

お客様と富士通グループのこれまでの取り組み

今回取り上げるお客様は、自社だけでなく物流業界の未来を変えていきたいという大きな志を持っています。業務変革への積極的な取り組み、物流業界で働く人々の待遇の向上、そして業界全体の発展のためならどんな努力やチャレンジも惜しまないという姿勢を持っています。
そんなお客様と富士通グループとの関係は20年以上も続いています。販売管理や連結会計等の基幹システムの開発・運用にとどまらず、お客様のIT/DX人材の補強のために富士通グループとの人材交流も活発に行っています。そして今、富士通Japanの活動は、物流業界が直面する人手不足などの社会課題の解決に向けて動きを始めています。その取り組みについて、富士通Japan埼玉支社で営業として、長年そのお客様を担当する菊池 隆浩に聞きました。

富士通Japan株式会社 東日本エリア部 埼玉支社 菊池 隆浩 富士通Japan株式会社 東日本エリア部 埼玉支社 菊池 隆浩

ドライバーの人手不足の問題にどう取り組んでいくか

――物流業界の人手不足を改善するために、どのような取り組みをしていますか。

菊池: 物流業界において、ドライバーの人手不足を改善するためには、まずは倉庫管理と輸配送管理の業務効率化を図ることが重要です。商品の出荷前と出荷後の情報を的確にとらえ、倉庫内のピッキングや梱包の人員、ドライバーの効率的な配置を図ることで、お客様が抱える人手不足の問題も少しずつ改善することが出来ます。

――倉庫管理や輸配送管理では、具体的にどのような対策が必要でしょうか。

菊池: 倉庫管理では、WMS(※1)で主に倉庫内での商品の入出庫や在庫管理を行うことができます。物量の増加に伴い、日々倉庫を出入りする商品の管理は煩雑さを増していますが、WMS倉庫管理システムを活用することで、入出庫や在庫状況を管理し、倉庫の現場で働く方々の日々の業務をサポートすることが出来ます。
輸配送管理では、TMS(※2)によりトラックの効率的な運行が可能となります。TMSによって、出荷する荷物の量に対して最適なトラック台数を計算するだけでなく、商品を配送しているトラックがどのようなルートで走行し、現在どこを走行しているのかを把握することで、トラックの運行が効率化できます。また、ドライバーの運転に関するデータもデジタコを通して収集することで、安全運転のサポートや運行日報作成の効率化も図っています。

  • ※1 WMS:
    Warehouse Management Systemの略。「Logifit WM(倉庫管理システム)」を富士通Japanにて導入。
  • ※2 TMS:
    Transport Management Systemの略。 「Logifit TM-基幹(販売管理システム)」「Logifit TM-NexTR(運行支援システム)」「富士通デジタコ(DTSシリーズ)」を富士通Japanにて導入。

――人手不足に対して、どのような効果があるのでしょうか。

菊池: 以前は人手で行っていた作業でも、これらのシステムを導入することで労働者一人あたりの作業量を減らすことができます。少ない人数で業務に対応できるようになれば、労働環境の改善にもつながるでしょう。また、これまでは属人化していたノウハウもデータ化し蓄積・分析していけば、作業を効率的に改善するための大きなヒントとなるのです。

――人手不足を改善するためには更なる業務の効率化が必要と思います。業務効率化に向けて、どのようなポイントが重要となるでしょうか。

菊池: 業務効率化のためには自社のみならず、メーカーや小売業など、サプライチェーンを形成する企業とのより強固な連携が重要だと思います。たとえば、メーカーや複数の小売店と連携して行う共同配送・共同調達も有効だと考えます。現在は小売店毎に専用トラックを用意していますが、将来的には、同じルート上にある複数の小売店の荷物も混載して運ぶことで、トラックの運用を効率化できます。さらに、メーカーからの商品調達や在庫管理、配送を一括で行うことにより、不要な在庫が削減でき、調達に必要なトラックの台数削減にも繋げることが可能になります。こうした新しいビジネスモデルやそれを支えるシステムのあり方について、現在お客様と当社を中心に、関係する企業や団体も巻き込んで検討を進めています。

――近い将来、配送のあり方自体も大きく変わるのではないでしょうか。

菊池: そう遠くない未来に、社会インフラの整備によってドローンや自動運転による配送も可能になるでしょう。そうなれば、ドライバーの人手不足の問題もきっと大きく改善されると思います。それらが解決するのは人手不足の問題だけではありません。配送業務の効率化によりトラックの稼働が少なくなると、CO2排出の削減にもつながります。2050年のカーボンニュートラルに向けた、脱炭素というもう一つの社会課題の解決にも大きく貢献できると考えます。

業務効率化を図る倉庫内

物流業界全体のイメージアップに向けて

――お客様が目指している物流業界全体のイメージアップについて、どうお考えですか。

菊池: 私もお客様と同じ想いを持っています。業界全体のイメージアップのために着実なステップアップが必要だと感じています。
例えば配送業務を効率化し、生産性を上げることで、ドライバーの労働時間や報酬などの待遇が改善され、ドライバーという職のイメージが向上すると考えています。イメージ向上によってドライバーを志望する人も増加するでしょう。就職・転職先の希望職として上位にランクインする業界、みんなが高いモチベーションとやりがいを持ち続けて働く業界、さらには日本国内や世界をつなぐ基幹産業となる業界。そんな物流業界の未来を、お客様と共に作っていきたいと考えています。

――お客様の業界を変革するために、菊池さんが心掛けていることは何ですか。

菊池: お客様の業界を変革するために、どんな壁があったとしてもお客様と心を一つに力を合わせることです。そうすることで、どれだけ高い壁であろうと必ず乗り越えられると信じています。チャレンジしなければ何も変えることはできません。これまでやってきたように、チャレンジし続けることで初めて目標に手が届きます。そして、その時初めてお客様の信頼が得られると思っています。私はこれまで培った信頼を糧に、今後一層、お客様・物流業界の未来に貢献していきたいと考えています。

菊池は今、お客様と同じ想いを抱き、物流業界の新しい時代に向かって挑戦を続けています。

富士通CM未来を変える篇 今回記事に登場した菊池も出演しています。
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