富士通を変革し、お客様の真の課題を解決する「デザイン思考」の力

富士通は、自らがIT企業からDX企業へ変革し、イノベーションによって世界をより持続可能にしていくことを目指しています。その変革を推し進めるカギとして重要視している手法がデザイン思考です。デザイン思考は、未来の予測が難しい時代において、真の課題を見つけ出し、正解のない問いを解に導くために必要なマインド・ナレッジ・スキル・ツールセットであるといえます。
富士通グループ内でレガシー化していた決裁システムを約20年ぶりに刷新した際にも、その新システム構築にデザイン思考の手法が用いられました。本記事では、DX推進に向けた、デザイン思考浸透の取り組みと社内外での実践例についてご紹介します。

目次
  1. グローバル全従業員13万人に「デザイン思考」のスキルを
  2. 今なぜ、デザイン思考なのか
  3. デザイン思考を実践し、レガシー化したシステムを刷新
  4. 真の課題を解決する「デザイン思考」の力で、世界を持続可能に

グローバル全従業員13万人に「デザイン思考」のスキルを

富士通は、一人ひとりのパーパス(働くことや生きることの意義)を削り出して言葉にし、企業としてのパーパスと個人のパーパスとの共通点を見出だし、 その実現を変革のモチベーション、エネルギーとしたパーパスドリブンな経営を行っています。

デザイン思考を全従業員に必要なスキルであると位置づけ、まずお客様の声を直接聞く役割を持つビジネスプロデューサー(以下、BP)8,000人に、他部門に先駆けてデザイン思考教育を実施しました。BPは従来の「営業」としての役割を超え、真のビジネスパートナーとしてお客様が認識しているニーズだけに留まらず、お客様自身も気づいていない潜在的な課題を、DXテクノロジーを通じて解決していくことをミッションとしています。その実践のためには、これまでに主に用いられてきたシステム思考に、デザイン思考を加えシーンごとに適宜使い分けることが必要になります。
その後、デザイン思考の浸透施策は、SE、事業部門、スタッフ部門へと対象を拡大しグローバル全従業員13万人に向けて実施されています。

今なぜ、デザイン思考なのか

不確実で変化の速いVUCA(注1)時代において、企業には困難に立ち向かい柔軟に対応する力が求められています。数か月先のことでさえ予想するのが難しい状況下では、的確な課題を見つけ出し、その課題に対する最適な問いを立てることすら難しく、その問いに対する正解もありません。そのため、最初から完成形を目指すのではなく、こまめにプロトタイプを作って試し、フィードバックをもらって必要なところは改善する。ダメならほかの案に切り替える。観察(Observe)、状況判断(Orient)、意思決定(Decide)、実行(Act)する、一連のループ(OODAループ)を高速で何度も回しながら、最適なソリューションを見つけ出していく必要があります。デザイン思考は、そのループを回すのに適した手法であり、「正解」に近づくためのマインド、ナレッジ、スキル、ツールが含まれています。

2021年には、富士通オリジナルのデザイン思考テキストブック「Transformation by Design デジタルトランスフォーメーションに挑戦するデザイン戦略とサービスプランニング」(日本語版・英語版)をPDFとして公開しました。これは、2016年から富士通のデザイン部門が中心となって調査・研究を続けてきた独自のデザイン思考について、富士通のデザインセンターとイタリアのミラノ工科大学デザインスクールPOLI.Designが共同で企画・編集したものです。
ここでまとめられたデザイン思考は、富士通が長年取り組んできた「ヒューマンセントリック・エクスペリエンスデザイン(HXD)」を軸にした実践ノウハウと、アカデミックに研究を続けているミラノ工科大学のフィロソフィーを掛け合わせたものです。その基本にあるのは、①「人」起点で考える ②多様性を活用する ③プロトタイプを回す、という3つのポイント。これらを実践することによって、お客様やエンドユーザーの課題解決のための最適解を導き出していきます。

デザイン思考の認知を進めるため世界中に無償公開したこのテキストブックは、デザイン業界やその枠を超えて多くの方に閲覧・ダウンロードされ、SNSなどでも話題にしていただきました。さらにテキストブックの公開をきっかけに、デザインセンターや社内のデザイン思考の取り組みにも興味を持っていただき、それまで接点のなかった企業や大学などからもイベント出演や講演の依頼が届くようになりました。

  • (注1)
    VUCA(ブーカ)とは、「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ:複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)」の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味する

デザイン思考を実践し、レガシー化したシステムを刷新

ここでは、社内外でのデザイン思考を用いた実践事例をご紹介します。
様々な課題を人起点で考察し、最適解をデザインすることにより、ユーザーにとっても使いやすく、さらに使った人たちの幸せや喜びにつながるソリューションを提供しています。

さらに、デザインセンターの新たな取り組みとして、お客様とのデザイン活動も始まっています。

真の課題を解決する「デザイン思考」の力で、世界を持続可能に

前述のデザイン思考のテキストブック(日本語版・英語版)は現在も無償で公開中です。デザイン思考を、VUCAの時代を乗り切るためのひとつのアセットとして富士通社内や日本だけでなく、世界で共通の資産・言語にしていきたいと考え、このテキストブックを世界に向けて公開しました。みなさんに自由にご活用いただくとともに、みなさんの知恵を活かしてともに不確実な時代を乗り切りっていきたいと考えています。

富士通グループ内でのデザイン思考浸透・実践促進の取り組みは今も続いています。今後はさらに、あえてデザイン思考という言葉を使う必要がなくなるくらいに、全従業員が当たり前に人起点で考え、デザイン思考が実践できている状態を目指していきます。
富士通のパーパスは、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです」。 このパーパスを実現するため、ひいてはお客様の真の課題解決やイノベーションを支援するために、私たちはデザイン思考をさらに浸透させ、実践していきます。その取り組みを通じて、これまで以上にお客様に寄り添い、信頼していただける存在になれるよう、DX企業としての変革を続けていきます。

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