会計業務とは？種類や業務のフローなどについても解説！

2023年4月21日更新

会計業務とは、企業における金銭の出入りなどを帳簿に記録して決算を行い、社外に開示が必須な財務諸表を作成することです。お金に関する一連の業務をまとめて行います。この記事では、会計業務についての詳細や種類、流れなどについて解説します。会計業務について知りたいと思っている企業の経理や財務の方は参考にしてください。

会計業務とは？

企業では日々さまざまな理由で金銭が出入りしますが、それらを記録にまとめて資金の管理を行うのが会計業務です。他にも、金銭の出入りをまとめた記録を「帳簿」へ記載することや、資産や負債、純資産などの状況を確定する手続きである「決算」なども業務に含まれています。

帳簿は大きく分けて2つの種類があります。1つは、仕訳帳・総勘定元帳など、法律によって作成が定められているものです。もう1つは、現金出納帳・得意先元帳など、企業が自社の経営や業務などに役立てるために自主的に作成するものになります。

会計業務の目的

会計業務の目的について解説します。それぞれの項目と詳細について紹介するので、会計業務の目的について知りたい方は参考にしてください。

外部への開示

会計業務の目的の1つが、会計業務によって作成される財務諸表である「決算書」を社外へ開示することです。決算書は、会社法や金融商品取引法、法人税法などの法律によっての開示が義務付けられており、それぞれの法律に則って適切な相手への開示が必要です。

決算書の開示によって、企業が生み出している利益の大きさ、保有している財産の量などの情報が分かります。株主や取引先、投資家などは、決算書から企業の経営状態や将来性などを判断して株の売買や取引、投資などを行います。

税金の計算

法人税や法人住民税、事業税など、企業にかかる税金の計算を正しく行うことも会計業務の目的です。納めるべき税金の額を正しく把握するには、日々の売上や仕入などを記録した帳簿・決算書から利益を算出する必要があり、これらの記録も会計業務に含まれています。

事業活動を通じて得た利益が赤字となる場合、法人税は免除されるなどの例外はありますが、基本的に企業は税金を納める必要があります。税効果会計のためにも税金の計算は必須です。

内部の管理

金銭の出入りを記録することで経営状態や財務状況などを把握し、経営管理に役立てたり戦略や方針決定の判断材料にしたりすることも会計業務の目的として挙げられます。

内部の管理は、企業の経営をより良くするために行われる社内向けの業務です。外部の特定機関への開示や税金に関連する業務ではないため、法律による規則や義務はなく個々の企業が任意で行います

会計業務の種類

会計業務の種類について解説します。それぞれの項目と詳細について紹介するので、
会計業務の種類や内容の違いについて知りたい方は参考にしてください。

財務会計

法律や制度によって定められており、義務として行う会計業務全般を主に「財務会計」と呼びます。財務会計の1つは、会社法や金融商品取引法、法人税法などによって規則が定められている決算書の開示や作成業務です。また、会計基準に沿って仕訳帳や総勘定元帳といった帳簿を作成する業務も財務会計に含まれます。さらに、納めるべき法人税や事業税などの計算も行います。

管理会計

「管理会計」は財務会計とは逆に、法律や制度による規則や義務がなく、企業が任意で行う会計業務です。管理会計の主な目的は、自社の経営状態の改善を目指し、業務や内部統制を効率的にすることです。

管理会計はさらに「業績評価会計」と「事業評価会計」の2種類に分類されます。「業績評価会計」は組織別の予算管理や業績目標の設定、「事業評価会計」は経営資源の配分を効果的に行う業務です。

会計業務の流れ

会計業務の流れについて解説します。それぞれの期間ごとの詳細について紹介するので、会計業務の流れについて知りたい方は参考にしてください。

1日の業務フロー

日次決算とは、会計部門が日々行う仕事を指します。日次決算の業務は下記のとおりです。

• 領収書の整理と仕訳
• 現金出納帳への入力と残高のチェック
• 預金出納帳への入力
• 商品有高帳への入力
• 伝票や請求書、領収書の作成
• 従業員の立替経費の精算

月間の業務フロー

月次決算は管理会計において重要な位置づけです。外部に開示する必要がありませんが、自社の経営状況を理解し、判断を誤らないためには、正確な情報を提供する必要があります。

月次決算業務は、下記の順で進めていきます。

• 各種伝票の締め
• 売上確定
• 在庫の確定、計上
• 各種伝票の記帳処理
• 入金消込
• 仮締め、経過勘定、減価償却費の計上
• 経理締め、試算表作成

月次決算で重要なのは、各種伝票処理の記帳処理のスピード化です。経営者に少しでも早く正確な情報を伝えるために、決算早期化は経理部の命題ともいえます。

年間の業務フロー

年次決算の業務内容は下記のとおりです。

• 経過勘定項目、減価償却費の計上
• 財産・債務の実地調査
• 決算書（財務諸表）の作成
• 有価証券報告書の作成
• 連結財務諸表の作成
• 税務申告書類の作成
• 納税
• 予算作成

会計部門は決算日の2か月以内に決算業務を終了したうえで、適切な納税額を納めます。

会計業務を効率的に行うための手段

会計業務を効率的に行うための手段について解説します。

会計ソフトを導入する

会計業務を効率的に行うための手段として、会計ソフトの導入がおすすめです。自動作成機能により、データを入力することで自動的に帳簿などを作成することができます。また、入力支援機能やチェック機能を活用することで、会計業務の効率化やミスの低減などが期待できます。

また、新しい制度が施行されたとしても、会計ソフト側がアップデートされれば、いち早く対応が可能です。

ERPを導入する

会計業務の効率化に加えて、会社の複数の業務を一元管理して効率化を図れるシステムが「ERP」です。ERPは会計ソフトとは異なるシステムですが、販売管理システムとの連携や、給与管理システムとの連携による自動仕訳作成などで会計業務の効率化が可能になります。ほかのシステムと連携して複数の業務をカバーすることで、組織全体の業務効率化につなげられます。

まとめ

会計業務は日々発生し、決算の時期などは膨大な業務量になりやすいため、効率的に対応できる体制作りが大切になります。そこでおすすめしたいのが、多機能で会計業務をサポートする仕組みの導入です。

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