会計で使うPL(損益計算書)とは?見方や作成方法などを解説!
2023年4月21日更新
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PL(損益計算書)とは、一定期間の会社の経営成績を記した決算書のことを指します。会社にどのくらいの利益が出ているのか評価する際に利用します。この記事では、損益計算書の構成要素、作成方法について説明します。企業の経理や財務担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
PL(損益計算書)とは
PL(損益計算書)とは、「Profit and Loss statement」の略で、一定期間の会社の経営成績を示している決算書の1つです。収益、費用、利益の3つの要素で構成されています。
損益計算書を見れば、商品やサービスなどの売上、消費した費用から、最終的にどれくらい儲けがあるかを読み取ることができます。その他、本業と本業以外での利益の把握することもできます。
PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の違い
PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)は、税法が定める「決算書」や会社法が定める「計算書類等」、金融商品取引法における「財務諸表」などに含まれています。どちらも法律に基づいた適切な提出や開示が必須です。 損益計算書と貸借対照表の違いは、損益計算書が一定期間(期中)の「経営成績」を表すのに対し、貸借対照表は決算日時点での「財務状況」を示していることです。
管理会計の大きな目的は、「売上」を増やすことと、出ていくお金「コスト」を減らすことです。実施することで企業の弱点を知ることができます。さらには、その過程で得たデータを活用して、企業をさらに成長させることもできます。いわば、「攻めの会計」と言えるのです。
PL(損益計算書)の構成要素
PL(損益計算書)の構成要素について解説します。
収益
収益とは、企業の営業活動や財務活動によって得られた総額のことです。さらに、収益は入手経路や特性に合わせて、「売上高」「営業外収益」「特別利益」の3種類に分けられます。
「売上高」とは、企業が商品やサービスを提供による収益です。ここでは本業で得た収益で、本業以外の収益は含まれません。
「営業外収益」は、株式投資や資産運用など、企業の本業以外の活動で得た収益のことです。例えば、不動産収入や株式の配当金などが、営業外収益に含まれます。
「特別利益」は、企業経営において臨時的に発生した利益を指し、固定資産売却益や投資有価証券売却益などが該当します。
費用
費用とは、企業が商品やサービスの作成、販売経路の構築や広告・宣伝などに使用した総額を指します。代表的な「費用」の例として、「売上原価」「営業外費用」「特別損失」の3つが挙げられます。
「売上原価」は、製品やサービスなど売上高を生み出すためにかかった費用のことです。材料費や人件費などが含まれます。
「営業外費用」は、企業が主力としている製品の販売やサービスの維持など以外にかかった費用です。借入金や社債に対する支払利息などが該当します。
「特別損失」は、企業経営で臨時的に発生した損失にあたり、固定資産売却損や投資有価証券売却損の他、災害損失などが対象です。
利益
利益とは、収益から費用を引くことで求められ、最終的に企業に入る「純粋な儲け」を示します。プラスの場合は黒字、マイナスの場合は赤字でいわゆる「損失」と捉えます。利益については、対応している費用により求め方が異なり、5つの利益が存在します。
「売上総利益」は、商品力で獲得する利益で、「粗利益(荒利益)」ともいいます。 売上高 ― 売上原価
「営業利益」は、通常の営業活動で獲得する利益です。 売上総利益 ― 販売費・一般管理費
「経常利益」は、企業の総合的な稼ぐ力を示します。 営業利益 + 営業外収益 ― 営業外費用
「税引前当期純利益」は、企業活動の最終結果です。 経常利益 + 特別利益 ― 特別損失
「当期純利益」は、最終的な企業の利益で1年間の経営成績(業績)を示すものになります。 税引前当期純利益 ― 法人税、住民税および事業税
利益は、企業の経営状況や財務状況の健全さの判断、将来性、倒産リスクなどを把握するために役立つ指標ともいえます。
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PL(損益計算書)を見る際の3つのポイント
PL(損益計算書)を見る際の3つのポイントを解説します
当期純利益を確認する
当期純利益とは、最終的に企業の手元に残る儲けの総額であり、会社の1年間の経営成績を表す値になります。株主に配当を払う財源にもなるため、ステークホルダーは最も重視する部分にもなります。会社の成長率を把握したり、他社と比較したりする際に重要で、対象の企業が黒字か赤字か一目で分かるため、損益計算書の中で優先的に確認したい事項です。
注意点として、当期純利益の数値には固定資産の売却などの特別利益や営業外収益も含まれています。当期純利益が黒字か赤字かだけで、企業の経営状態の良し悪しを判断してしまうと、誤った認識を持つ可能性もあります。経常利益をはじめとした他の利益との評価も含め、総合的な分析を行うことが肝要です。
営業利益よりも営業利益率を見る
営業利益は、会社が本業で得た利益を示すため、営業利益が大きいほど経営状態が良いと考えられます。ただし、営業利益の額が大きくても、営業利益率が低いと赤字に転落する可能性が高くなります。そのため、損益計算書を見る際は、「営業利益」よりも「営業利益率」を優先して確認することが重要です。
営業利益率を確認することで、経営方針や戦略を改善するべきかの判断がしやすいといえます。業種によって利益率の平均値が異なりますので、正しい評価軸で確認するとよいでしょう。 なお、営業利益率は「営業利益率=営業利益/売上高」で算出できます。
営業利益自体は、本業の営業活動で利益を上げられているかの把握が可能です。当期純利益よりも経営状態の判断材料として使いやすいため、営業利益率と合わせて活用しましょう。
「雑費」や「雑損失」の詳細をチェックする
「雑費」や「雑損失」は対象範囲が広い項目です。例えば、本来なら特別損失として計上するべき建造物解体にかかった費用、売上債権売却損として処理するべきファクタリングの手数料なども、雑損失として帳簿に計上しているケースです。
しかし、雑費や雑損失への計上を多用すると会計の透明性が失われるので、勘定科目がどれにも当てはまらないときだけ使用することが基本です。販売費及び一般管理費の「雑費」や、営業外費用の「雑損失」などが多額の場合は詳細をチェックする必要があります。
用途不明な費用が多いと、銀行や税務署などの第三者から不正を疑われ、融資や取引などに悪影響が出るなど、実害につながる可能性もあるため注意が必要です。
PL(損益計算書)の作り方
損益計算書をはじめとした財務諸表を作成するには、簿記一巡の手続きを前提として、日常処理として取引の発生から仕訳計上、転記。決算時には試算表を作成した上で、財務諸表を作成するプロセスとなります。
昨今では、日々の取引や決算整理の結果を仕訳として会計ソフトに入力することで、その情報をもとに帳簿書類や財務諸表が簡単に作成できます。 日々の取引もシステムで連携することで手入力の削減ができ、システムチェックによるヒューマンエラーの抑止により、経理部門の業務効率化につながります。
会計ソフトのシステム形態は、オンプレミス型やクラウド型などがあり、一概にどの形態が良いというわけではありません。費用対効果も考慮し、自社の環境に合わせたシステムを選定することが重要です。
まとめ
PL(損益計算書)の概要や貸借対照表との違いをはじめ、構成要素やチェックするべきポイント、作成方法についてご説明しました。損益計算書をはじめとした財務諸表をただ作成できるだけでなく、経理部門の業務効率化を図るためには、会計ソフトを活用することは必須でしょう。
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著者プロフィール
富士通Japan株式会社
エンタープライズ事業本部 ビジネストランスフォーメーション室
ホリゾンタルソリューションビジネス部
マネージャー 増田 亮介
富士通グループSE会社に入社後、製造業などの基幹システム開発業務に従事
2006年から会計ソリューションの新規提案・導入プロジェクトを担当後、
2022年からGLOVIA製品(会計・人事給与ソリューション)の販売推進業務を担当
※本コラム中に記載の部署名、役職は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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