フォトニック結晶および左手系媒質による負の屈折率によるスーパープリズム、およびスーパーレンズ効果の解析事例を紹介します。なお、本事例は以下の文献を元に作成しました。
「スーパーレンズを組み合わせたフォトニック結晶スーパープリズムフィルタのFDTD解析」 松本 崇、藤田 晋司、馬場 俊彦、電子情報通信学会技術研究報告 OPE2005-23 LQE2005-23 2005/06
通常の物質では媒質となる物体に入射した光は反対側に屈折しますが、負の屈折率を持つ物質では入射と同じ側に屈折が起こります。負の屈折率をもつ物質は自然界には存在しませんが、光の波長以下の人工構造(フォトニック結晶)を作ることにより、負の屈折率を実現できることが知られています。
また、負の屈折率効果を利用して、回折限界を超えた極小のレンズを作成することなどが可能です。
解析領域 | 10,000 x 40 x 10,000[nm] |
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波源 | CW, Z偏光, λ=480nm
平面波, 入射角10度 |
媒質 | n=2.963 |
円孔 | n=1.000
r=44.336[nm] |
円孔間隔 | a=141.42[nm] |
- | 45度傾斜正方格子 |
解析領域 | 6,450 x 40 x 10,000[nm] |
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波源 | CW, Z偏光, λ=480nm
球面波, FocalPoint= -2500nm(発散光) |
媒質 | n=2.963 |
円孔 | n=1.000
r=44.336[nm] |
円孔間隔 | a=141.42[nm] |
- | 45度傾斜正方格子 |
また、Poyntingでは左手系媒質モデルによって、媒質条件自体に自然界には存在しない負の屈折率条件を与えることができます。
以上、2モデルについてフォトニック結晶構造の代わりに下記の分散特性を持つ左手系媒質によって同様に負の屈折率を実現した場合を合わせて解析します。
左手系材料の分散特性