Poyntingを用いたフォトニック結晶光導波路の事例を紹介します。
Poyntingは、フォトニック結晶光導波路における光波の伝搬の様子を解析することができます。この例では、図1に示すような2次元正方格子フォトニック結晶に欠陥を設けた、図2に示す90度曲がりフォトニック結晶光導波路内を光波が伝搬する様子を評価しています。
このフォトニック結晶では、TEモードに対して規格化周波数 ωa/(2πc) が0.302から0.443の範囲にフォトニックバンドギャップが存在しますが、TMモードに対してはフォトニックバンドギャップが存在しないことが知られています[1]。 ここで、ω、c はそれぞれ各周波数、真空中の高速度です。
図3, 4はそれぞれ規格化周波数0.394における TEおよびTMモードに対する光波の伝搬の様子です。TEモードに対してはフォトニックバンドギャップによって光波が欠陥部分に閉じ込められて伝搬するのに対し、TMモードにおいては、フォトニック結晶内に光波が広がっていく様子が確認できます。
[1] M. Koshiba, J. Lightwave Technol., Vol. 19, pp. 1970-1975, Dec. 2001.