Poynting for Microwave 解析事例
電磁バンドギャップ(EBG)構造を有する電源グランドプレーンのノイズ特性解析
背景
プリント回路基板(PCB)における電磁ノイズ問題
- 電源グランド間を伝搬するノイズの抑制が必要不可欠
- 高周波(百MHz-数GHz帯)では、パスコン(注1)の効果が悪い
電磁バンドギャップ(EBG)構造とその応用
- 周期構造を構成することで、特定の周波数帯域の電磁波が存在できないElectromagnetic Band Gap (以下、EBG)をつくりだせる
- EBG構造を電源グランドプレーンに配置することにより、不要な電磁ノイズを抑制可能
EBG構造を持つ電源グランドプレーンのノイズ特性解析
- 誘電体基板、Cuの表皮効果の周波数依存性を考慮
- 応用例
- ミアンダラインを用いた平面EBG構造
- L字ブリッジとスリットを用いた平面EBG構造
解析モデル
概観
形状
- 誘電体基板の損失および周波数依存性を考慮
- Cuの表皮効果を考慮
1セル(30mm×30mm)の形状
比較対象
EBG構造を持つ導波路モデル
2枚の平行平板導波路モデル
解析結果
電源グランドプレーン内の電磁界分布(2枚並行平板)
波動で励振した電磁波が並行平板導波路を伝搬する
電源グランドプレーン内の電磁界分布(EBG構造)
EBG構造バンドギャップに相当する周波数成分は伝搬できないため、PCBの電源グランド層の電磁ノイズの抑制に利用可能
EBG構造の影響:電磁バンドギャップ
禁止帯内外の電磁界分布(定常状態)の比較
実験値との比較(ミアンダEBG構造)
SパラメーターS21の解析結果と実験結果の比較
広帯域EBG構造モデル
形状: L字ブリッジ+スリットEBG(LBS-EBG)構造
この構造は、UWB通信の帯域(3.1GHz - 10GHz)(注2)のノイズも抑制する。
1セル(30mm×30mm)の形状
実験値との比較(LBS-EBG構造)
SパラメーターS21の解析結果と実験結果の比較
まとめ
- PoyntingによるEBG構造の電磁界シミュレーション
- EBG構造を有する電源グランドプレーンのノイズ特性解析
- 電源グランドプレーン内の電磁界の可視化
- S21に対する電磁バンドギャップの影響
- UWB帯域もカバーする広帯域EBG構造の特性を再現
- 実験結果との比較
- シミュレーション結果は実験結果とよく一致する
注釈
注1 パスコン:
バイパスコンデンサの略
注2 3.1GHz - 10GHz:
米国のUWB通信の帯域
参考文献
- O.M. Ramahi, et.al., “EMI Suppression and Switching Noise Mitigation in Package and Boards using Electromagnetic Band Gap Structure”, Proceedings of ISSSE’07, International Symposium on Signals, Systems and Electronics, 271-274, 2007.
- L. Li, Q. Chen, Q. Yaun, K. Sawaya, “Ultrawideband Suppression of Ground Bounce Noise in Multilayer PCB Using Locally Embedded Planar Electromagnetic Band-Gap Structures”, IEEE Antennas and Propagation Letters, vol.8, 2009.
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