そんな課題にお応えする、Oracleミドルウェアを活用した高速Business Intelligence ソリューションをご紹介します。
Business Intelligence とは、膨大なデータを体系的に収集、分析し、ビジネスにおける意思決定を迅速に行うための情報を生み出すことを指します。IT業界では、その情報を生み出すツールを「Business Intelligence」や、省略して「BI」と表現します。
BIは大量のデータを多角的に計算し、最適解を見出します。そのためには、膨大な計算をスピーディに処理できるシステムが必要です。データベースを蓄積しているだけでは、宝の持ち腐れ・・・。データベースに溜まった情報をいかに活用するかが、これからのビジネスではキーポイントになってくるのです。
UNIXサーバ SPARC M10は、Oracleミドルウェア製品である「Oracle TimesTen In-Memory Database (以下TimesTen)」と「Oracle Business Intelligence (以下Oracle BI)」を組み合わせることで、既存のデータベースをそのままに、高速Business Intelligence 基盤を実現できます。
UNIXサーバ SPARC M10は、TimesTen と Oracle BI を搭載することで、お客様の ビジネスの意思決定を迅速化します。
では、Oracle TimesTen In-Memory Database と Oracle Business Intelligence とは、一体どんなものなのでしょうか。
Times Ten で大量なデータを超高速処理し、その膨大で明細なデータを、Oracle BI を通してリアルタイムに検索できるインフラが、SPARC M10上にできあがるのです。
インメモリデータベースにとって最も重要な要素は、巨大なデータを搭載できる大容量のメモリです。Oracle TimesTen In-Memory Databaseによるインメモリ化と、SPARC M10の高速で大容量なメモリにより、データ量が増加しても高速なレスポンスを実現できます。
SPARC M10は、Building Block 方式で拡張することにより、最大64TBのメモリシステムを最小4コアから利用できます。社内の複数の部門で管理している基幹システムの統合だけでなく、基幹システムとリアルタイム性を要求される情報系システムの統合も、この巨大なメモリを搭載するSPARC M10であれば可能です。
SPARC M10の以下の特長を活かしてであれば、圧倒的な高速レスポンスを実現するBI基盤が構築できます。
Oracle Solarisに標準で組み込まれた仮想化機能である Oracle VM Server for SPARC の仮想ドメインとして、1つのサーバ上で TimesTem と Oracle BI を動作させることで、サーバ外部のスイッチを経由する必要がありません。そのため、SPARC M10の高速インターコネクトによる超高速データ転送を活かして TimesTem と Oracle BI の高速連携を実現できます。
また、SPARC M10に搭載されているSPARC64 X+ 、SPARC64 X プロセッサには、従来ソフトウェア上で行われていた処理をハードウェア(プロセッサ)上に組み込む Software on Chip というアクセラレーターが実装されているため、より一層の高速化が実現できます。
Software on Chipに含まれている SIMD命令 を使い、仮想ドメイン間のデータ転送を高速に行います。
さらに、SPARC M10では、高速なデータ分析を実現するために、動作周波数の高いメモリを採用しています。プロセッサとメモリ間は、低レイテンシで広帯域なメモリ帯域を確保し、インメモリデータベースを高速化します。
オラクル社の仮想化に対するライセンス費用は、使用する仮想化機能によって変わってきます。オラクル社では、仮想化機能を主に2種類の「Soft Partitioning」と「Hard Partitioning」に分類しています。
Hard Partitioning に該当する仮想化機能の場合には、オラクル製品が"稼働しているCPUコア"のみがライセンス対象となり、SPARC M10で使用できる仮想化機能「Oracle VM Server for SPARC」は、この Hard Partitioning に分類されます。Soft Partitioning の場合はOracle 製品が稼働するサーバーの"全てのCPUコア"がライセンスのカウント対象となります。一般的なPCサーバで使用できる仮想化機能の多くは、この Soft Partitioning に分類されています。
そのため、一般的なPCサーバと、SPARC M10では、仮想化環境でアプリケーションを集約した場合、ライセンスに大きな差が生じてきます。
(注)オラクル社の仮想化に対するライセンスポリシーは以下で公開されています。
コアに対する係数が「0.5」の仮想化機能の場合として、具体的なライセンスの違いを計算してみましょう。
一般的なPCサーバでは、仮想化環境でアプリケーションを集約した場合、仮想化機能で割り当てているCPUコア数とは関係なく、搭載しているサーバのすべてのCPUコア数のライセンスが必要になります。実際にアプリケーションが割り当てているコア数は、合計12コア( 4+6+2 )にも関わらず、32コアのサーバ上で稼動しているために、32コアすべてに係数が掛かり、16プロセッサ分のライセンスが必要となります。
一方、SPARC M10では、オラクル社が規定する Hard Partitioning である仮想化機能 Oracle VM Server for SPARC 上でアプリケーション を動作させるため、それぞれのアプリーケーションに割り当てられたCPUコア数のみのライセンスで良いのです。合計12コア分にのみ係数が掛かるため、ライセンスは6プロセッサ分に抑制できます。
このように、SPARC M10ではライセンス費用を最適化できるのです。さらに、SPARC M10の拡張性を活かすことで、将来はデータベースの統合も視野に入れることができます。
このように、Oracle Database 11g や、Oracle Database 10g など、既存の Oracle Database はそのままで、SPARC M10と Oracleミドルウェアを追加するだけで、高速BI基盤を実現することができます。
関連情報