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Fujitsu

Japan

Oracle OpenWorld Tokyo 2012 SPARC Enterpriseレポート

SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。

2012年4月4日~6日、日本オラクル社が主催する「Oracle OpenWorld Tokyo 2012」が六本木で開催されました。富士通は唯一最高ランクのMarqueeスポンサーとして参加しました。

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富士通セッション レポート

ハードウェアの進化は、ソフトウェアの変革と創造を導きだす。
~ ヒューマンセントリック時代のITプラットフォーム開発 ~

2012年4月10日

富士通 エンタプライズサーバ事業本部 統括部長 瀬古茂

本格的なビックデータ時代を迎える今、プロセッサを開発しているベンダとして、富士通がどのように基幹システムや社会、人々に貢献していくのか。富士通がICTの力で、今後も社会に貢献していくためのサーバ開発戦略について、当社エンタプライズサーバ事業本部 統括部長 瀬古が語りました。

Oracle OpenWorld Tokyo 2012 富士通セッション
日時 2012年4月4日(水曜日)
テーマ ハードウェアの進化は、ソフトウェアの変革と創造を導きだす。
~ ヒューマンセントリック時代のITプラットフォーム開発 ~
講演資料 (4.63 MB )
スピーカー 富士通 エンタプライズサーバ事業本部 統括部長 瀬古茂

ハードウェアの進化は、ソフトウェアの変革と創造を導きだす。

いま、ICTに求められていること

ビッグデータ時代は、ありとあらゆる大量のデータをどう生かしていくかがカギになっています。
富士通はスーパーコンピュータ「京」 の開発によって培われた技術を、ビジネス分野に展開していく、という宣言から瀬古の講演が始まりました。

時代とともに、生産性向上や業務改革など、コンピュータの利用シーンが変わり、それと共にマルチプロセッサ技術やスケールアウト技術などの技術革新が起こりました。

インサイト(=見知、見識)を生み出すICT

これからは、ビッグデータの時代。多種多様な大量のデータを処理し、見知や見識といったインサイトを生み出すことによって、人間の行動を支援し、より豊かな社会を支えることがICTの使命となっています。

ハードウェアの進化 - ソフトウェア・オン・チップ -

では、ビッグデータ時代に起こる技術革新とはなにか。それは並列処理の進化である、と瀬古は語りました。

サーバの性能向上

スーパーコンピュータの性能競争の歴史を見ると、トップレベルでは、10年で1000倍の性能向上が起きています。これは、1年に換算すると2倍の速さになります。集積回路上のトランジスタ数は、ムーアの法則で言われている「1年半で2倍」という数字を勝る速度で、プロセッサの性能が向上しています。

これは、単純にプロセッサの性能を上げるだけではなく、並列処理などの仕組みが組み込まれているからこそ実現できる性能向上です。

富士通は、スーパーコンピュータの開発で培った技術をビジネス分野のサーバの開発に活用し、「ソフトウェア・オン・チップ」という仕組みで、ビッグデータ時代を支えるプロセッサを開発していく、と宣言しました。

ソフトウェア・オン・チップ

ソフトウェア・オン・チップとは、従来はソフトウェアで処理していた仕組みをプロセッサの中に組み込むことで、高速化する技術です。主に、高並列演算処理、インメモリ処理、超高速結合機構の技術を組み合わせることで実現できます。

従来のソフトウェアで行っていたロック制御(ハードウェアバリア)、暗号制御、圧縮/解凍、10進浮動小数点演算などの処理をハードウェア(プロセッサ)側で実行するため、処理時間が飛躍的に短縮できます。Infiniband以上の超高速通信や、2015年までに16倍以上の性能向上、大量データの同時並列処理を実現するプロセッサの開発を目指している、と瀬古は意気込みを語りました。

ソフトウェアの変革と創造

リアルタイム化

インメモリ処理や、超高速結合機構が普及することで、複数のサーバにまたがるメモリを、共有メモリとして扱うことができるようになり、データウェアハウスやビジネス・インテリジェンスなどにおいて、リアルタイム性がさらに向上します。

また、ソフトウェアでは制御できなかったプロセッサのキャッシュ領域は、2つの分割した「セクタキャッシュ」構造にすることで、ソフトウェアからキャッシュ領域の制御ができるようになります。必要なデータを常にセクタキャッシュに置いておけるため、高速処理を可能にします。

このように、ハードウェアの進化により、ソフトウェアの変革が起こると予想されます。大量のデータが押し寄せてきているビッグデータ時代、コンピュータ業界では大きな変化が必要とされています。

新たなステージへ

オラクル・コーポレーションと富士通は、すでに30年近くのパートナーシップを締結しています。このパートナーシップは、2012年から新たなステージへと突入します、と瀬古は語ります。

最先端のソフトウェア技術を持つオラクルと、富士通のハードウェア技術の融合が、先駆的なテクノロジーイノベーションを起こし、ビッグデータ時代を迎え撃ちます。


(注)「京」は、理化学研究所が2010年7月から使用している「次世代スーパーコンピュータ」の愛称です。

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