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Fujitsu

Japan

開発環境に仮想化機能LDomsを適用
信販業務フロントシステムのトータルコスト半減に貢献

株式会社ライフ様 導入事例


国内有数の信販会社、株式会社ライフでは、SPARC Enterpriseを中心に信販業務フロントシステムを刷新。業務集約により、新システムのサーバ台数を削減。さらに開発環境に仮想化機能LDoms(Logical Domains、論理ドメイン)を適用しサーバを集約。ト ータルコストは1/2、スペースは1/4にまで削減がはかれました。

2009年7月7日掲載 / 印刷用 PDF版ダウンロード (933 KB)

導入事例概要
業種: 信販/金融
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC Enterprise M5000, M4000, T5220(注)
メインフレーム GSシリーズ, ブレードサーバ PRIMERGY BX620,
ストレージETERNUS8000
ソフトウェア: Oracle Database 10g, PRIMECLUSTER, Systemwalker, Interstage

(注)SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。本製品の後継機種はSPARC Serversです。

「LDomsを適用すると、コストパフォーマンスに優れたSPARC Enterprise T5220のリソースを柔軟に有効活用できます。初期導入コストや保有・運用管理コストの削減はもとより、新たな開発要件に対して開発環境を迅速に、なおかつ低コストで構築可能になることから、まずは開発環境にLDomsを適用することにしました」

会員総数1,500万人を突破、日本を代表するクレジットカードの1つ、ライフカード。同カードを中心に事業を展開している株式会社ライフ(以下、ライフ)では、ビジネスの最前線を支える信販業務フロントシステムのリプレースにおいて、SPARC Enterpriseを中核に富士通のプラットフォーム製品を採用。新システムの構築では信頼性や性能の向上はもとよりコスト削減も重視しました。開発環境にSPARC Enterprise T5220を採用し仮想化機能LDomsを適用、開発環境構築のスピードアップを実現。さらに業務集約によるサーバ台数の削減などの結果、トータルコストは1/2、スペースは1/4にまで削減できました。

課題と効果
1 コスト削減を実現するために効果のある施策を打ちたい。 仮想化機能LDomsを開発環境に適用しサーバ集約を実現。ハードウェア、ソフトウェアのトータルコスト半減に貢献。
2 信頼性、性能のさらなる向上をはかりたい。 SPARC Enterpriseの信頼性に加え、富士通製ストレージと組み合わせることで信頼性が向上。また性能アップによりログのバックアップが従来の20時間から30分以内に短縮。
3 信販業務フロントシステムの開発期間を短縮したい。 従来と同じSolarisサーバへ移行。Solarisの互換性により、多くのSolaris資産をスムーズに継承でき、約10ヵ月間の短期間での構築を実現。

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導入の背景

コスト削減重視の中でのフロントシステムのリプレース

暮らしをより便利に、より豊かに彩るカード。店舗でのショッピングはもとより、高速道路、コンビニ、病院、公共料金、インターネットショッピングなど、カードを利用して決済するシーンが大きく広がっています。また、ポイントやマイレージ加算などの特典もカードの利用に拍車をかけています。

多彩なカードと魅力的なポイントプログラム、お客様や提携先へのきめ細かな対応などにより、会員総数が1,500万人を突破した「ライフカード」。同カード事業を展開しているのが国内有数の信販会社、ライフです。クレジットカード、ショッピングクレジット、キャッシング&ローンの3つの事業を柱にビジネスを展開する同社が目指しているのは「世界でいちばんユニークなカード会社」。時代のニーズを先取りしたサービスを創造し続けています。

少額決済においてもカードの利用が一般的になりつつある中、同社の成長とともにデータ量も増大。一方、経営的な視点ではコスト削減も不可避です。2007年10月、同社では信販業務フロントシステムの更改時期が迫ってきたことをきっかけとしてリプレースに着手しました。新システムの構築で重視されたポイントは、信頼性や性能の向上、そしてコスト削減でした。

導入のポイント

コスト削減を実現するべくLDomsを適用

株式会社ライフ 情報システム部 システム企画課 課長 仲田 貴之 氏

2000年以降、各店舗に展開していたシステムがコンピュータセンター内のシステムに集約されたことでサーバ数が急増。マシン室のスペース不足、運用コストの増大といった課題が浮上してきました。

信販業務フロントシステム刷新に際してインフラに求めた要素について、情報システム部システム企画課長の仲田貴之氏はこう語ります。「従来のSolaris資産を短期間で安全に移行することを最優先し、互換性に優れたSolarisサーバであるSPARC Enterpriseを採用することにしました。また、コスト削減などの課題を解決するために、仮想化技術によるサーバ集約を実現したいと考え、富士通に協力を求めました」。

富士通の提案の中から同社が選択したのはファームウェア層における仮想化機能LDomsでした。「LDomsを適用すると、コストパフォーマンスに優れたSPARC Enterprise T5220のリソースを柔軟に有効活用できます。初期導入コストや保有・運用管理コストの削減はもとより、新たな開発要件に対して開発環境を迅速に、なおかつ低コストで構築可能になることから、まずは開発環境にLDomsを適用することにしました」と、仲田氏は話します。

導入のプロセス

2009年の年始、システム稼働日の厳守を実現

同社では、カード利用者の多様なニーズ、ビジネスの急速な変化、法規制などに応えるべく一カ月に200案件程のシステム開発が行われています。稼動までの間、従来システムと新システムで並行して開発が進められていました。「開発案件の振り分けと調整には少し苦労しましたが、Solarisの互換性などによりSolaris8からSolaris10への移行はスムーズに行えました。ミドルウェアへの影響範囲の調査と確認のためのテストには時間を要しましたが、LDomsによる仮想化で、テストも柔軟に対応できました」。

また、サーバ統合によるコスト削減効果を高めるために、維持管理に配慮しながらソフトウェアごとにサーバを統合するなどの工夫もしています。

2008年2月に要件定義を行い、2009年1月に新フロントシステムが稼働、構築ベースでは約10カ月の短納期でした。「カード会社は、24時間365日、お客様へのサービスが必要です。システムの停止による影響を最小限にするため、リリースは年始と計画段階から決めていました。予定していたリリース日を守れたのは、当社と富士通とのコミュニケーションがスムーズだったことも大きなポイントです」。

新フロントシステムは、高性能・高信頼性UNIXサーバSPARC Enterprise M5000、M4000を中心に構成。ストレージやミドルウェアにも富士通製を採用することで高い親和性による信頼性のさらなる向上を実現しています。

導入効果と今後の展開

トータルコストを1/2、スペースを1/4に削減

開発環境の構築でLDomsの真価を実感しましたと語る仲田氏

「当初の課題だったサーバ台数、コスト、スペースの大幅な削減を実現できました。開発機も含めて旧システムでは56台あったサーバが、LDomsの採用や機能集約、業務集約などにより、新システムでは39台になり、結果として17台の削減となりました。トータルコストもハードウェアとソフトウェアを含めて1/2に、スペースは従来に比べて約1/4に抑えることができました」。

コスト削減効果を高めるために、ソフトウェアごとにサーバを集約してソフトウェアライセンスを抑制するなどの工夫もしています。

性能面ではデータベースのバッチ処理が大幅にスピードアップし、ログのバックアップも従来の20時間から30分以内に短縮。また、SPARC Enterpriseと合わせてストレージを従来の他社製からETERNUSに変更することで、信頼性のさらなる向上がはかれました。

「開発環境においてはLDomsの真価をあらためて実感しました。導入しているサーバの中に、仮想的に開発環境を構築していくというスピード感がありましたから、法改正の案件が立て込んできたとき、さっそくLDomsを使って新たな仮想環境を構築しました。従来の開発環境の構築期間を約1/3にまで圧縮できたことに加え、新たなサーバを購入する必要がなく、SEの作業コストがかかったくらいでコストの削減もはかれました」。

今後の展開について仲田氏は「お客様に新たな付加価値をもたらすサービスを迅速にご提供できるように今後もフロントシステムを強化していくことが必要です。また、LDomsについては今回、効果を実感しノウハウも蓄積していますから、開発環境以外の適用に関してもLDomsの動向を含めて注視していきたいと思います」と、語ります。

時代のニーズを先取りしたサービスの創造を、SPARC Enterpriseは、これからも支え続けていきます。

【株式会社ライフ様 会社概要】

所在地 本社 〒225-0014 神奈川県横浜市青葉区荏田西1-3-20
(東京)〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル
創業 昭和27年10月27日
資本金 700億円
代表者 代表取締役社長 磯野 和幸 氏
従業員数 1,495名
事業内容 クレジットカード、ショッピングクレジット、融資、信用保証、保険サービス、その他付随業務
URL http://www.lifecard.co.jp/

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