【社会課題への挑戦】 限りある海の資源を守り、持続可能な社会を目指す

富士通グループでは、日本全国の企業や自治体、医療、教育機関とともに日本が抱える様々な社会課題の解決に向けて取り組んでいます。今回は、近年大幅な減少傾向にある海洋資源の問題を取り上げます。その原因には、地球温暖化や海洋汚染による生態系の破壊、乱獲などが挙げられます。

ここでは、ツナ缶を始めとする缶詰やレトルト食品、パスタなどを製造する大手加工食品メーカーとともに、限りある海の資源を守り、持続可能な社会を目指すための食品ロス削減や生産性向上など、様々な提案を行う営業の活動をご紹介します。

目次
  1. お客様と富士通グループのこれまでの取り組み
  2. 海洋資源の問題にどう取り組んでいるか
  3. おいしい幸せが持続する未来に向けて

お客様と富士通グループのこれまでの取り組み

今回取り上げるお客様は、人と地球に愛されるブランドを目指して企業活動をされている食品加工メーカーです。海と大地の恵みを大切にしながら、おいしい製品を提供することで、食卓の笑顔、家族の団らん、人々の幸せを追求されています。その主力製品であるのがツナ缶。そのため、お客様はツナ缶の原料であるマグロやカツオを守り、限りある海洋資源を持続可能にすることが使命だと考えられています。
富士通Japanでは、これまでお客様に対して、全社共通のコミュニケーション基盤の整備、ワークフローやペーパレスシステムの導入を行ってきました。そして、2020年にはツナ缶工場のIoT化による各種データの可視化に取り組みました。これにより、製造機器の稼働データ、エネルギーや水などの使用データ、製品に関連する品質データなど、工場における様々なデータを統合させ、ダッシュボードで知りたい情報をすぐに確認することが出来るようになりました。消費者や取引先からの問合せ対応が迅速化するなど、日々の食品製造業務を支援する基盤となっています。これらの取り組みが、社会課題の解決にどうつながっていくのか、富士通Japanの静岡支社で営業を担当する中村 達彦に話を聞きました。

富士通Japan株式会社 関西・中部エリア本部 静岡支社 中村 達彦 富士通Japan株式会社 関西・中部エリア本部 静岡支社 中村 達彦

海洋資源の問題にどう取り組んでいるか

――中村さんがご担当されているお客様は、どのような社会課題に取り組まれていますか。

中村: お客様は、豊かな海洋資源を守るために様々な取り組みを行なっています。生態系に与える影響が少ない「一本釣り製品」や、海のエコラベルと言われる「MSC認証取得製品」の拡大によって、持続可能な原料の使用を推進しています。
また、食品ロスの削減も大きなテーマとして掲げています。そのテーマへの取り組みの主なものが、ツナ缶の原料であるマグロとカツオの100%使用です。食品に使用されるのは一匹の魚の約45%ですが、その他55%の骨や血合いなどの部分は動物の飼料や肥料に、魚を蒸したときの煮汁は濃縮し、エキスとして調味料や化粧品等に有効活用しています。原料における無駄をゼロにすることで、魚の乱獲防止に繋げています。その他にも、環境負荷の少ない容器や包装資材を使用したり、工場におけるエネルギー使用の削減、配送の効率化をしたりなど、数え始めればきりがありません。

――海洋資源の問題に対して、富士通Japanはどのように貢献していますか。

中村: 自然の恵みを大切にするという観点で、食品ロス削減や生産性向上を支援する環境整備に貢献しています。これまで導入したシステムにより、一日の製造目標予定数に対して、各製造工程での予実がリアルタイムでわかるようになりました。「工場の今」のパフォーマンスが可視化できるようになったことで、経験と感覚で捉えていた歩留まり率(※1)が定量的にわかるようになり、各製造工程の分析および改善活動に繋げています。また、工場で使用するエネルギーや水の量もデータ化されることで、より効率的な製造が実現でき、環境負荷の低減に寄与していると言えます。

  • ※1 歩留まり率:
    製造・生産の全般において、原料や素材の投入量から期待される生産量(生産数)に対する、実際の出荷可能な生産数量の割合のこと

――今後のお客様に対する中村さんの想いを教えてください。

中村: 将来を見据えたチャレンジとしては、お客様とともに歩留まり率のさらなる改善に貢献したいと考えています。たとえば、AIや量子コンピュータなどのテクノロジーがさらに進化すれば、歩留まり率の良し悪しに影響する詳細の因果関係をさらに究明できると思います。そうすることで、より適切な缶詰の充填方法をデータ起点でコントロールするとか、魚の種類によって製造方法を変えるとか、様々な改善策が生まれてくるでしょう。ワクワクするような面白い世界が待っていると思います。

おいしい幸せが持続する未来に向けて

――今後、お客様とともにどのような世界を目指したいですか。

中村: 私は、お客様の名前を日本だけでなく世界中の人々に知ってほしい、そして、このツナ缶のおいしさで世界の食卓を笑顔にしてほしいと心から思っています。
ツナ缶は技術の結晶です。ひとつの缶詰ができるまでには、たくさんの人々が携わっており、長い歴史によって培われた知見と最先端のテクノロジーによって、そのおいしさは常に高められています。お客様の名前を世界に響かせ、ツナ缶のおいしさを広めるために、富士通Japanができることはまだまだあると思っています。

――富士通Japanは、今後お客様にどのように貢献できるでしょうか。

中村: 富士通Japanの良さは、複数のテクノロジーやソリューションをコーディネートできる総合力です。今回、お客様の要望された内容はとても広範囲に及びましたが、富士通グループ内の10以上の部署を横断し、集結したメンバーの技術と知恵を注ぎこむことで、想像以上の成果を上げることができました。
また、今回、加工食品メーカーに対して初めて「COLMINA(※2)」を導入させていただきました。これは安全安心な食品製造業務を支え、商品のブランド力向上や工場見学時のファン創出に繋げるためのものです。そのために必要不可欠であるデータドリブンなプラットフォームを提案し、無事採用いただきました。現場目線とコト起点で、理想のシステムを実現してくれそうだという期待から、富士通Japanでの導入が実現できたのだと思います。
これからもお客様の課題解決のために、富士通の技術者を集結させ、チームとして全員が切磋琢磨しながら、様々なご要望を実現していきたいと思っています。

  • ※2
    「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMNA工場最適化ダッシュボード」、「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINAエッジプラットフォーム」を富士通Japanにて導入。
導入したCOLMINAダッシュボード例

――今後、中村さんはどのように業務に取り組んでいきたいと考えていますか。

中村: お客様とは常にパートナーの関係でありたい、同じ目線で幸せな未来に向かって歩んでいきたいと思っています。私ひとりの力は小さいものです。だからこそ、チーム全員にお客様の思いを丁寧かつ熱意を持って伝え、チームをまとめることが重要です。お客様と自分とスタッフ全員がひとつになること、それが何より大切だと考えています。

中村は、今日もお客様とタッグを組んで、海の恵みを守るために課題解決に挑戦し続けています。その挑戦が、持続可能な社会と地球の未来に繋がると信じて。

※富士通CM未来を変える篇 今回記事に登場した中村も出演しています。
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