FNETSグループの健康経営への取り組み
目的
ありたい姿
FNETSグループは、「ネットワークを核にお客様価値を創造・提供することで社会・お客様にとってなくてはならない存在であり続ける」という目指す姿を掲げており、その実現を支える大切な価値観の一つとして「従業員の幸せ」を掲げております。FNETSは、富士通グループの一員として、健康経営を経営の重点テーマとして捉え、社員の健康意識醸成および健康行動を促し、社員とその家族のwell-beingを実現し、社員一人ひとりが心身ともに健康でいきいきと働くことができる会社を目指します。
2022年度目標
KPI:社員意識調査:エンゲージメントスコア 71%
ありたい姿の実現に向けて、なぜ、エンゲージメントスコアをKPIに設定しているか?
富士通グループがDX企業として社会やお客様に新しい価値を提供するためには、社員一人ひとりのエンゲージメント(*1)を高めていく必要がある。
富士通全体で、グローバルベンチマーク(*2)である「75%」を設定する。
- *1企業のビジョンやパーパスに共感し、組織との絆を感じながら仕事に熱意をもって働いている状態
- *2テクノロジー業界のグローバル平均
方針
パーパスの実現に向けたGRB(グローバルレスポンシブルビジネス)において、健康経営は「ウェルビーイング(従業員の成長の実現とその力を最大限に発揮できる機会の提供)」と「安全衛生(安全で健康的な職場環境の提供)」の取り組みとして全社で推進していくものと位置付けています。
ご参考:FNETSグループ健康経営宣言
健康経営で解決を目指す課題、取り組みの効果
推進体制
代表取締役社長をCHO(Chief Health Officer:健康経営推進最高責任者)とし、産業医、保健師等、グループ各社の担当部門、健康保険組合と連携した推進体制を構築しています。
目標と実績
重点施策に対し数値目標を設定し、目標達成のため様々な取り組みを実施しています。
2017
年度 | 2018
年度 | 2019
年度 | 2020
年度 | 2021
年度 | 2022
年度目標 | 2023
年度目標 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
定期健康診断受診率 | 99.90% | 98.10% | 98.80% | 99.90% | 100.00% | 100.0% | 100.0% | ||
任意健診受診率 | 精密検査受診率 | ― | ― | ― | 80.40% | 93.30% | 70.00% | 90.00% | |
婦人科健診受診率 | 71.00% | 67.10% | 67.30% | 67.10% | 61.04% | 70.00% | 70.00% | ||
歯科検診 | 2.70% | 32.00% | 46.20% | 31.50% | 73.07% | 70.00% | 70.00% | ||
生活習慣病対策 | 高リスク者率(※1) | 1.40% | 1.20% | 1.20% | 1.30% | 1.70% | 1.00% | 1.00% | |
メタボ該当率 | 18.70% | 20.10% | 20.50% | 23.20% | 25.14% | 15.00% | 15.00% | ||
適性体重者率 | 63.30% | 61.70% | 60.40% | 57.50% | 57.79% | 65.00% | 65.00% | ||
特定保健指導実施率 | 1.60% | 11.60% | 1.50% | 14.60% | 16.42% | 37.00% | 37.00% | ||
メンタルヘルス長欠者率 | メンタルヘルス長欠者率(※2) | 0.90% | 1.20% | 0.80% | 0.50% | 0.50% | 0.50% | 0.50% | |
ストレスチェック受検率 | 75.80% | 85.20% | 91.00% | 85.10% | 94.25% | 100.00% | 100.00% | ||
高ストレス者率 | 15.80% | 15.90% | 11.40% | 12.50% | 9.43% | 10.00% | 10.00% | ||
喫煙対策 | 喫煙率 | 29.70% | 29.20% | 28.60% | 26.10% | 24.70% | 20.00% | 20.00% | |
健康意識の向上 | ウォーキングイベント参加率 | ― | ― | 16.80% | 16.40% | 56.40% | 60.00% | 60.00% | |
運動習慣
*1回30分の運動を週に2回以上すると回答 | ― | ― | 28.00% | 25.00% | 38.13% | 50.00% | 50.00% | ||
働き方 | 平均月所定外労働時間 | 26.6h | 27.5h | 27.8h | 28.8h | 27.9h | 27.0h | 27.0h | |
年次休暇平均取得日数 | 14.0日 | 14.8日 | 14.5日 | 14.1日 | 16.2日 | 16.0日 | 16.0日 | ||
生産性指標 | アブセンティーズム(※3) | ― | ― | ― | ― | 1.03% | 1.00% | 1.00% | |
プレゼンティーズム(※4) | ― | ― | ― | ― | 1.10% | 1.05% | 1.05% | ||
個人・組織の活性化 | ワーク・エンゲージメント(※5) | ― | ― | ― | ― | 2.5 | 2.5 | 2.5 |
- ※1健康診断データで、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)の高リスク者と判定された者の割合
- ※2年度内のメンタルヘルス疾患による1カ月以上欠勤または休職者数を年度末在籍者で除した割合
- ※3(傷病および外傷休業延日数÷在籍労働者の延所定労働日数)×100 で算出
- ※4質問票による過去3ヵ月間に何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、通常のパフォーマンスを発揮できなかった日数とその損失割合の調査から、1年間の損失割合を算出(2021年度より算出方法変更のため、2019、2020年度はデータなし)
- ※5新職業性ストレス簡易調査票の「仕事をしていると活力がみなぎるように感じる」「自分の仕事に誇りを感じる」2問の平均点
FNETSグループ 健康経営取り組み重点施策
FNETSグループでは、従来より推進している安全衛生活動を基盤とし、社員の皆さんやご家族の健康の維持・増進の観点から健康経営に取り組んでいます。
1. 社員と家族の健康意識の醸成
一人ひとりの自律した健康管理を積極的に支援し、健康意識の向上を目指しています。
社内イントラネットやメールにて、生活習慣病対策、感染症対策、メンタルヘルス対策等の幅広い健康情報を社員に発信し、社員一人ひとりへ健康に関する情報を提供しています。
健康教育の実施
【必修研修】
全社e-Learningの実施
年1回、重要な健康テーマを取り上げてe-Learningにより知識の習得と健康意識の向上を図っています。
- 例)2021年 全社e-Learning:「頭痛の正しい知識と対処法」
- 2022年 全社e-Learning:「リモートワークとメンタルヘルス」
- 2023年 全社e-Learning:「腰痛から学ぶ、身体活動と足腰の健康」
【任意研修】
2020年度健康増進セミナー
- フィジカルセミナー
オンライン形式で計3回実施、延べ73名が参加
アンケート結果:参加者の95%が満足、次回も参加したいと回答 - メンタルセミナー
幹部社員向けオンラインメンタルヘルスセミナー 48名が参加
アンケート結果:参加者の95.4%が有益だったと回答
2021年度健康増進セミナー
- フィジカルセミナー「からだマネジメント」
参加状況:16名
アンケート結果:満足 88.9%
次も参加したい 100% - メンタルセミナー「心のリラクセーション」
参加状況:21名
アンケート結果:満足 77.8%
次も参加したい 100%
2. 疾病予防に対する施策
生活習慣病対策
富士通および国内グループ会社では、法定の健康診断項目に年齢別検査を追加した健康診断を実施、Webシステムで健診結果、健康リスク、経年変化などを提供することで、自律した健康管理を支援しています。
加えて有所見者に対して、産業医・産業保健スタッフが健康指導や受診勧奨を行うことで、生活習慣の改善・精密検査や医療機関受診の徹底を図っています。
要治療と判定された人が受診勧奨後の治療状況は、重症化予防事業として富士通健康保険組合が健診後3カ月間のレセプトでチェックし、未受療者には改めて受診勧奨を行い、適切な治療につなげています。
また、社員の家族(富士通健康保険組合加入者の配偶者、40歳以上の家族)は、社員同様の健康診断(がん検診含む)が受診できるようになっています。
富士通グループウォーキングイベント「みんなで歩活」を年2回実施。
※参加率…
- 2021春 :45.6%
- 2021秋 :56.4%
- 2022春 :60.4%
がん対策
富士通のがん対策は、生活習慣の改善による予防と健診による早期発見・早期治療を基本施策とし、法定の健康診断実施時に年齢別に胃がん、大腸がん、前立腺がん検診を追加して定期的な受診を推進しています。
婦人科健診(子宮頸がん、乳がん検診)については富士通健康保険組合が、女性全員を対象として実施しています。
また35歳時にはピロリ菌抗体検査を実施、陽性者には精密検査を行い、胃がんの発症リスク低減に取り組んでいます。
メンタルヘルス対策
FNETSグループでは、産業保健スタッフが健康相談、メンタルヘルス疾患の就業支援・再発防止や各種メンタルヘルス教育を行うことで、社員および職場を支援し、メンタルヘルス向上につなげています。
ストレスチェックでは、診断による社員のセルフケアを支援するとともに、集団分析結果をエンゲージメント調査など他の社内調査と統合して経営層・幹部社員にフィードバック、Work life shiftの取り組みとも同期して、職場環境の改善につなげています。
また、健康リスクが高い職場や高ストレス判定者が多い職場へは、産業保健スタッフより管理職に対して支援を実施しています。
喫煙対策
富士通グループでは受動喫煙による健康被害から社員を守り、喫煙者の健康リスク低減を図るため、2020年10月から事業所内において完全禁煙を実施しています。
あわせて、禁煙をサポートするために、年1回の「みんなで禁煙チャレンジ」という国内グループの全体イベントでは、喫煙者と非喫煙者がチームとなって禁煙に取り組むことで、職場全体の禁煙への意識向上、喫煙対策への風土の醸成につなげています。
感染症対策
様々な感染症から社員を守るため、相談窓口の設置、情報提供など積極的な対策を講じています。
感染症の予防対策として、季節性インフルエンザ予防接種を社内で実施するほか、家族も含めた予防接種にかかる費用に対して利用可能な費用補助の制度もあります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応
新型コロナウイルス感染症対策本部を社内に設置し、情報収集・情報発信を行っています。
働き方については、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためテレワークを徹底し、対面の会議をオンライン会議や電話会議へ切り替えています。
一方で、新型コロナウイルス感染した場合・新型コロナワクチン接種を受ける場合・接種後の副反応の症状(頭痛・倦怠感・発熱など)により勤務できない場合など様々なシーンで既存の積立休暇や別途付与される休暇によって就業上の不安も軽減できるよう取り組んでおります。
3. Well-beingに向けた取り組み
エンゲージメントサーベイやストレスチェック等を活用し、職場の環境・風土改善を目指しています。
ニューノーマルにおける働き方の実現等によって、長時間労働の防止や年次有給休暇の取得率向上を推進し、社員のエンゲージメントの向上に取り組んでいます。
- ワークライフバランスの実現
- 年次休暇取得推進
- 仕事と治療の両立支援
社外評価
FNETSは社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業として、以下の認定を受けています。
これらは、従来から社員と家族の健康の保持・増進施策として、全国の事業所に医療専門職が在籍している充実した体制を整え、生活習慣病対策の保健指導、メンタルヘルス対策や喫煙対策など、様々な施策に継続的に取り組んできた結果が評価されたものです。