2023年8月更新

サスティナビリティへの取り組みが注目される背景やメリットとは(1)

サスティナビリティは現在企業の経営方針策定の際に欠かせないキーワードとなっています。
企業が永続的に活動していくためにはこの観点を事業の中に組みこみ、長期的な目線で取り組むことが必要です。
今回はこのサスティナビリティとは何か?といった説明から具体的に何を行えばよいのか、また最近注目されている「グリーン調達」などについての説明をお伝えします。

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1. 企業においてのサスティナビリティとは?

サスティナビリティ(sustainability)は「持続可能性」を意味する言葉です。
企業が継続的に事業を営むにあたって必要となる広義の意味での環境が破壊されずに維持されている状態を指しています。

従来は少し狭義の意味での環境維持活動を指すケースもありましたが、現在は社会や経済の観点での持続可能性を高める取り組みもサスティナビリティの中に含まれるようになっています。

例えば業務委託先との適正価格での取引や社員の長時間労働の抑制、工場がある地域との良好な関係構築のための取り組みなどがこれにあたります。

自然環境が適切であっても、従業員が働き続けられる環境がなかったり工場の運営に地域から苦情が出ていたりなど各ステークホルダーとの適切な関係がなければ事業が継続できないという観点でサスティナビリティに関係する形です。

2. サスティナビリティが注目される背景

環境問題、人権問題を含む社会問題に対する意識が国際社会全体で高まる中、近年特にSDGsが注目されています。
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略であることからわかるように、サスティナビリティは今や世界の潮流といっても過言ではありません。

2015年の国連サミットで採択されたことにより国際社会での認知が一気に高まり持続可能な社会の構築に対しての注目度があがってきました。

事業の持続可能性を高めることは企業が利益を長期間に創出することにつながるため市場からの資金調達を行いやすくもなります。

また、投資家としてもESG投資などの形で環境や社会、ガバナンスに着目した投資手法を推進している流れもあります。

古くはCSRとして行ってきた活動の目的を整理してサスティナビリティの観点でより明確にし、投資家目線でのESG投資や社会的投資を呼び込むための一助として企業も着目するようになっています。

3. サスティナビリティとSDGsの関係性

SDGsは国家を超えた国際社会として取り組むべき課題とゴールを設定したものになり、サスティナビリティはSDGsにおける課題に対して企業が行う手法のような位置づけとなります。

SDGsの「SD」、つまり“Sustainable Development”の意味として「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような開発」と訳されることから、企業としての目標は将来のことも考えながら現在の要求に応えられるような事業活動を行うことであると捉えることができます。

短期的な収益性のみではなく長期的な総収益に着目することで社会課題の達成と長期的な企業の成長が共に達成されるような方向性を決めることがサスティナビリティの目的とも言えます。

4. サスティナビリティを意識した取り組みを行う意義

持続可能性を意識した事業活動を行うことは、将来的な利益を最大化することにつながると言われています。

例えばグリーン調達により環境に優しい資材を利用することはマイクロプラスチック問題の回避や今後発生し得る環境問題に対するリスク回避につながり企業価値毀損を避けることにもつながります。

また、多くの企業が現在取り組んでいる働き方改革についても社員の定着率を高めることによってノウハウの蓄積や譲渡、スムーズなコミュニケーションなどに効果を発揮することが期待できます。

CSR(企業の社会的責任)との違いはここにあり、サスティナビリティは決して、ただのCSRのためにあるわけではなくあくまでも自社が未来においても成長し続けられる環境を整えることにあります。

5. サスティナビリティに取り組むメリットとは

サスティナビリティに取り組むことによるメリットは数多くありますが、代表的なものとして例えば以下のようなものが挙げられます。

<株主から見た企業価値の向上>

環境問題、福利厚生、社会貢献活動などに取り組むことは企業のブランディングに寄与し、社会問題への意識が高い機関投資家などからの投資が見込めるため企業価値向上が見込めます。

<長期的な目線で見た事業成長>

持続可能性を高めることにより、社内のリスク耐性が高まる他将来の顧客育成や安定株主の獲得にも貢献するため長期的な目線での投資が可能となります。

<従業員定着率の向上>

クリーンなイメージによるブランディングで求職者から見た魅力が高まり採用効率が向上します。
また、福利厚生などを充実させることにより定着率も向上し人材確保と安定した組織体制の構築が可能になります。

いずれも短期的に見ると収益性が低下するように見えますが、きちんとストーリーを作り上げ長期的な企業価値向上に寄与することを説明することで株主、特に安定株主の確保につながるため財務計画も立てやすくなります。

ここまでの内容で、サスティナビリティに取り組むことの重要性がイメージできるかと思われますが、そもそも工場などをはじめとする製造業においては、各設備からのデータの取得に難航することが見込まれますし、とくに大規模工場の場合はどこから手を付ければいいのかわからない、のようなお悩みも多いです。

そこで、幅広い種類の設備から簡単にデータ収集し、エネルギー監視や稼働管理等の上位システムとシームレスにデータ連携ができる方法をまとめたホワイトペーパーをご用意いたしました。

「集める」、「可視化する」、「分析する」をまとめて解決することができるため、一挙にサスティナビリティへの取り組みを実現できます。

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著者プロフィール

富士通Japan株式会社

富士通グループの社会における存在意義であるパーパス「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を国内サービス市場において具現化し、One Fujitsuとして取り組み、富士通Japanは、日本のために何ができるかを考え「日本を強くする会社」として、お客様や社会の課題を解決することで、日本の持続的な成長を支援します。

富士通Japan株式会社

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