ニコンでは従来、開発環境としてはASP.NETやVB、Javaなど様々なものを使用してきたが、将来性、拡張性などを見据えた上で、今後は統一性のある共通基盤での開発を推進、生産性を向上し、内製対応力の強化やデータセンターへのサーバ集約も同時に行うことにより、メンテナンスまで含めたトータルコストを抑制したいという意向があった。 10年前に社内申請システム(経理系、調達系、人事系、等の申請)を構築したが、ニコン向けとグループ会社向けで2システムに分かれており、メンテナンス性・保守性に問題があった。またコンプライアンスへの遵守強化などIT内部統制の対応レベル向上も求められていた。 そこでこれらシステムを統合し、以前より進めていたシェアードサービスにも対応可能な社内申請システム (以降BEAMS)として再構築することとなった。 再構築に当たっては幾つかのワークフロー製品との比較を行い、最終的には国産パッケージで2500社を超える導入実績のあるintra-martをベースに開発することとし、開発パートナーとしてintra-martでの大規模開発経験を持つ日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)を選定した。
「intra-martは単なるワークフロー製品でなく、開発フレームワークとして共通基盤構築に適している点、国内導入実績が多い点、国産パッケージなので将来的に保守の面で安心感がある点を評価しました。また、オープンソースで自由度が高い点もいいですね。」と株式会社ニコン システム本部 情報システム部の半田 央子プロジェクトマネジャーは語る。
BEAMSは図にある通り、経理、人事などERPシステムのフロント機能を始め、11種のシステムのデータエントリーのフロント機能を担っており重要度が高い。また社内システムの中ではグループ全体でのユーザ数も12,000人と多く、常時数百から千名程度と、エンドユーザの利用頻度が最も高いシステムの一つで、システムレスポンスも満足のいくものとなっている。
「また、日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)には私共のシステム化の狙いを把握した上で、将来的な内製対応力の強化に役立つようintramart開発に特化した設計ガイドラインや開発ガイドラインを提供していただきました。性能要件が重視されるシステムにおいて、intra-martで実績のあるオープンソフトを使用した性能テスト手法を提示するなど、ユーザ企業の要求に確実に応えていただけるところがいいですね。」と半田氏は語る。
さらに旧社内申請システムからの踏襲だが、ERPなどバックエンドの基幹パッケージの画面にはあまり手を加えず、その分フロントシステムできめ細やかな入力制御を行うことにより、ERPリプレースやバージョンアップに要するコストを抑制するメリットが期待できる。BEAMSではintra-mart+Javaによるシステム構成としたため、オープンソースということもあり、さらに自由度や拡張性を高めることが可能となっている。 これまでニコンはBEAMSを2012年8月にグループ10社に展開した。また、2012年後半は個人の振込情報、部門費などの情報検索機能増強、勤怠管理システムへのフロント機能の横展開を行い、2013年4月現在、11社まで展開を行った。 「今後はシェアードサービス対応をより推し進めるために、グループ会社のフロー様式を共通化してシンプルかつ効率的なものを構築し、より多くのユーザにサービスを拡充していきたいです。また、現在はニコンでのみ利用可能なきめ細やかなワークフローナビゲーション機能をグループ会社も利用可能にしたいと考えています。」と半田氏は語る。 ニコンはBEAMSを展開することにより、グループ内のコンプライアンス強化およびIT内部統制の対応レベル向上を図ることが可能となり、今後もさらなる拡充を計画中である。
intra-mart は、株式会社NTTデータイントラマートの登録商標です。
そのほか、記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標および商標です。
設立 | 1917 年(大正6 年)7月25日 |
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本社 | 東京都千代田区有楽町1-12-1 新有楽町ビル |
資本金 | 65,475 百万円(2012 年3月末現在) |
売上高 | 連結 918,651 百万円(2012 年3月期)
単独 688,781 百万円(2012 年3月期) |
従業員数 | 連結 24,348 名(2012 年3月末現在)
単独 5,397 名(2012 年3月末現在) |
事業内容 | 光学機械器具の製造、ならびに販売 |