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バイヤー調達ノウハウ体系化と新コスト分析手法確立で持続的コストダウンを実現する富士通購買本部様

概要

持続的コストダウンを実現する富士通購買本部様での取り組み

富士通購買本部様では、さらなるコスト競争力の向上に向け、「バイヤーのスキル強化」を課題としており、「直接材を中心としたバイヤーの調達ノウハウ体系化」や、「新たなコスト分析手法の確立(Spend Analysis)」に取り組まれました。

課題

直接材のコスト削減の重要課題はバイヤーのスキル強化

デフレ経済の進展に伴い、我が国の製造業では、相対的な製造原価の上昇が収益を圧迫する傾向にあり、「直接材のコスト削減」に取り組む企業も増大しています。

富士通購買本部様では、ネットブックの市場拡大や、中国系企業の競争力強化、FTS統合により、更なるコスト競争力の強化が求められています。コスト削減の課題としては、

  1. グローバルソーシング機能強化
  2. エンジニアリング購買機能強化
  3. バイヤーのスキル強化

などが挙げられます。
ここでは特に、「バイヤーのスキル強化」に焦点を当ててご紹介します。

解決策

1.直接材を中心としたバイヤーの調達ノウハウ体系化

富士通購買本部様には、約500名が在籍しています。人事ローテーションは平均3~4年サイクルです。価格交渉などの日常業務には、業務引継書や標準的な手順、ルール等が存在しません。運用方法も個人で異なります。組織変化に迅速に対応可能なバイヤーを育成するため、ノウハウの可視化・共有化に取り組んでいます。

具体的には、優秀なバイヤーを選定いただき、8つの施策別にインタビュー項目を設計し、個人で異なる作業手順を可視化しました。インプットやアウトプット、関連部門やサプライヤーとの連携プロセスを手順に落とし込み、整理しています。ノウハウ共有手段としては、複数回の勉強会を開催して他部門の方々への共有に加え、新規性や汎用性、利便性などの視点からノウハウの優先度を評価しています。また、効果面、効率面の視点から、調達担当者の利用シーンやプロセスに分類し体系化を定期的に見直しています。

2.新たなコスト分析手法の確立(Spend Analysis)

基幹システム(Phoenix)では部材に関わる多くの情報を有していますが、購買実績の活用方法には改善点があります。源流段階からの設計部門提案や、サプライヤーへのローコスト提案など、さらにコスト競争力を強化するためには、各バイヤーに交渉の武器・弾薬を与えることが必要となります。今回、基幹システムのデータに加え、バイヤーが個別に管理している部材情報を活用した新たな分析手法を開発・定着化を行いました。

具体的には、汎用性があり、マルチソース化が可能な部材を中心に、価格交渉の仕組みを確立しています。例えば、コンデンサーでは、電圧、容量、体積、所要など、過去の支出データを抽出し、「重回帰分析」や「相関分析」により、価格支配要素として有意となる変数の抽出、加えて実交渉に基づく妥当性の検証により、モデル価格(あるべき価格)の方程式を確立しています。

ノウハウ体系化に向けた施策の例示、および、新たなコスト分析手法のスコープを記載
ノウハウ体系化に向けた施策の例示、および、新たなコスト分析手法のスコープを記載

成果

  • 直接材を中心としたバイヤーの調達ノウハウ体系化
    トップ方針の下、担当者からの積極的な協力が得られたため、約80事例のノウハウ可視化ができました。ノウハウ共有にはIT化が先行しがちですが、勉強会などのコミュニケーションを大切にしています。時間はかかりますが、ノウハウの本質的部分の理解が得られ、担当者のスキル向上にも貢献しております。将来的には、組織変更への柔軟な対応も推進したいと考えます。
  • 新たなコスト分析手法の確立(Spend Analysis)
    価格支配要素を変数とした数式モデルを用いることで、実際価格の客観的評価を可能としております。割高、割安部材の可視化による価格交渉余地の抽出、部材集約によるコストシュミレーションなど、部材のコストダウンに貢献しています。今後は、新規部材の価格シミュレーションにも応用し、より早い段階からのコストダウンに貢献できればと考えます。

掲載日:2010年4月2日
(通信ハイテク事業部 シニアコンサルタント 大谷 茂男)


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