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Fujitsu

Japan

株式会社明電舎様

センシング・見える化から、製造現場の最適化へ
IoT活用によりリードタイムを40%削減



いま、ものづくりの現場では、IoT技術を活用した「生産効率アップ」「リードタイム短縮」へ向けた取り組みが本格化している。明電舎様は、IoT導入のファーストステップとして、製造現場の人とモノの動きを見える化するシステムを導入。今後、収集したデータを分析し作業や作業環境のムダを減らし、作業手順の標準化、要員配置やスケジュールなどの最適化を図っていく計画だ。

[2018年(平成30年) 5月 30日掲載 ]

導入事例概要

業種:
重電機器・各種制御装置など 製造
ソリューション:
ビーコン✕MESによる製造管理
製品:
FUJITSU Manufacturing Industry Solution
COLMINA MES Smart Shop-Floor
(旧名称:GLOVIA ENTERPRISE MES Smart Shop-Floor)

課題

1
製造現場の状況を数値化して改善点を把握したい
2
作業のムダをなくして生産効率を向上させたい
3
作業手順・時間を標準化し現場の管理をスムーズに

効果

1
作業者と製造中の製品にビーコンを装着し、位置情報をもとに作業進捗をリアルタイムに把握し蓄積。製造現場の動きを数値化することにより、KPIを見える化し、経験や勘を頼りに探っていた改善点を明らかに
2
数字に現れた「ムダと思われる作業」を削減することにより、リードタイム(製品完成までにかかる時間)を約40%削減することに成功。作業者にかかる原価率の低減を実現
3
作業者に負担をかけることなく、作業時間(工数)を自動収集。データをもとに工程・時間を標準化することにより、作業指示やスケジューリングなどの工場運営において、的確な判断が可能に

導入の背景

IoT時代のスマートファクトリーへ 見える・見せる化から一歩を踏み出す

電力・エネルギー、電鉄、水環境といった社会インフラシステムや、産業用モーター・インバーターなど、明電舎様の「社会を支えるものづくり」は多岐にわたり、製品・サービスも製造技術も多彩です。製造現場の課題も現場ごとにさまざまですが、同社では、生産改善の基盤として、工場へのIoTシステムの導入を順次進めていく予定です。

そのモデルケースとして、大型の盤製品を製造する沼津事業所に、ビーコン(位置測位システム)とSmart Shop-Floorを用いて製造工程を見える化するシステムを先行導入。経験と勘を頼りに現場判断で行っていた製造工程の改善を、より効果的に推進する取り組みがスタートしました。

大型の制御盤に各種デバイスを実装する現場では、数十台の製品を数十人の作業員が並行して手づくりしています。これまでは、一人ひとりがどれだけの作業を行っているのか、ムダなく効率的に行われているのか、作業の現状や潜んでいる問題点をつかむことが困難でした。今回の見える化システム導入のねらいは、製品が完成するまでの作業者の動きと作業実績をデータ化して現場にフィードバックし、はっきりとは見えていなかった改善点を明らかにすることにあります。

導入のポイント

現場に負担をかけない・運用がしやすいシステムを実現

現場作業を見える化する仕組みは、作業者のヘルメットと作業を行う制御盤にビーコンを取り付けてデータを収集し、管理PCで作業の進捗・実績を確認するというもの。第一に重要なポイントは、無線技術を使ってどれほど正確に位置情報を取れるか、つまり測位の精度です。様々なセンサーを試しながら、1か月ほどをかけて行った実証実験の結果、最適な機器としてビーコンを選択しました。採用した機種は、高精度(UWB(注))な位置測位が可能なため、制御盤から離れることが少ない作業にはうってつけだったのです。

システム利用概念図

もう一つのポイントは、位置情報を生産実績などの数字に結びつける方法です。既存の生産管理システムと連携させることを踏まえて、FAEとして実績・ノウハウのあるSmart Shop-Floorを組み合わせました。

概念実証を含め約1年間の開発期間を経て、作業者、管理者ともに負担がなく、半自動でデータを収集・蓄積する仕組みが実現。事前にビーコンと作業者、制御盤を紐付けておき、いつもどおりに作業を行うだけで、作業の状況、進捗をリアルタイムで把握することができるようになりました。

実際に運用してみると、部品探しや他の作業の応援などで作業者が制御盤を離れる時間が少なからずあること、作業者によって作業の得意・不得意があることが見えてきました。そこで「部品置き場を工夫して部品探しの時間を減らす」といった改善策を講じてムダな時間を削減すると、その効果がダイレクトにリードタイムの短縮という結果に現れました。

(注)UWBとは、Ultra Wide Band(超広帯域無線通信)の略です。

今後の展望

分析・活用を深め、全社をつなぐIoT生産改善システムへ

工場のスマート化は、製造業全体の命題です。その実現へ向けて、IoTやAIといったデジタルテクノロジーが世界中の工場で動きはじめていますが、スマートファクトリーの完成型を見るまでには、要素技術のさらなる進化と活用の新展開を待たなければなりません。

明電舎様の取り組みもまた、動きはじめたばかり。センシングによりデータを集めて可視化する、その効果が見えはじめたところです。

今後は、収集したデータを分析し活用するフェーズへ進んでいきます。KPIの見せ方をよりわかりやすくすることもその一つ。データ分析から導き出される標準作業時間をもとにして、作業手順の標準化や、作業者の技能を反映した配置やスケジューリングも可能になるでしょう。

さらに、別の工場では、AIによる画像認識技術を導入する計画も。国内の主要な生産拠点へ、順次IoT技術を横展開しながら、全社的なIoT生産改善システムへと活用を深化させていけるよう、FAEはご支援をさらに強化してまいります。

From FAE

経験と勘だけでは、現場は動いてくれません。数字を見せることで「やるべきこと」が浮き彫りになり、納得して受け入れられます。明電舎様からは、「現場を動かしやすくなった」とうれしい感想をいただきました。

産業ビジネス本部 IoTビジネス推進室
岡田 純

User Information

株式会社 明電舎 様
本社所在地 〒141-6029 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower
代表者 取締役社長 浜崎 祐司
設立 1917(大正6)年6月1日(創業 1897(明治30)年12月22日)
資本金 170億7000万円(平成29年3月31日現在)
従業員数 連結 8,474名 単独 3,695名(平成29年3月31日現在)
事業内容 社会システム事業、産業システム事業、エンジニアリング事業
ホームページ 株式会社明電舎様 ホームページOpen a new window

導入事例PDFダウンロード(322KB)PDF


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