[2013年1月21日掲載]
東京都港区にある本社
2005年に施行された厚生労働省令により、医療機器業界でさらなる治験品質の向上が求められ、臨床試験の実施ための基準(以下、GCP)が法令化されました。このことにより、医療機器各社はGCPに対応するために必要な業務(以下、GCP業務)が大きく増加しました。これを受け、富士通システムズ・ウエストは、医薬品開発におけるGCP業務支援システムで国内シェアNo.1を誇り、今や業界標準ともなっている「DDworks21」シリーズを改良し、その蓄積されたノウハウをベースに、医療機器業界に向けたパッケージソフト「DDworks21/MD」を2007年に販売開始しました。
日本メドトロニック株式会社カーディオバスキュラーグループ臨床開発部様では、上記法令への対応、及び今後さらなる治験品質の向上と業務効率化を目的に、外資系医療機器メーカーとして、初めて「DDworks21/MD」の導入を決定され、2012年10月より運用を開始されました。
カーディオ
バスキュラー
グループ
臨床開発部
ダイレクター
ラッセル ハスキン 様
医療機器の臨床試験の実施のための基準が法令化されたことにより、法令を遵守するとともに管理すべきドキュメントの種類や量が増加し、それらをより適切に管理する必要性が高まっていました。
「治験データの記録/管理は取り扱い量が増加しても、一貫した高い品質を保持する必要があります。また並行して行う治験の数が増えるにつれ、担当者が管理できるドキュメントの量も必然的に増え、効率化を図る必要性を感じていました。」と語るのは同グループ杵淵洋美様。そこでGCP業務の効率化及び標準化、管理業務をより高い品質で確保すること等を目的に検討された結果、グループ内における「DDworks21/MD」の導入に至りました。
同グループ臨床開発部ダイレクターのラッセル ハスキン様は、導入の背景をこう語ります。「当初は海外のシステムの導入等も検討していたのですが、日本語対応や、薬事適合性書面調査等PMDA(*2)に対する実績、他社の導入事例がある等、日本のビジネス環境下における信頼性の高さにメリットを感じました。GCP業務の重要性を鑑みると、品質を確保するために相応の投資を行うのは当然のことと考えています。」とも。
カーディオ
バスキュラー
グループ
臨床開発部
杵淵 洋美 様
「DDworks21/MD」は多くの種類と量の必須文書等を一元管理するとともに、使い易いユーザーインターフェースを採用し、必要手続きの漏れ、業務手順の違反等をレギュレーションチェック機能により未然に防ぎ、GCP業務を正確かつ円滑に進める機能を有しています。その他、法令の要求事項であるGCPの必要確認事項を網羅したモニタリング報告書作成機能、法令のガイドラインに完全対応した各種治験届書等、豊富な治験業務支援機能が充実しています。
「システム導入までの期間が4カ月余りと非常にタイトなスケジュールでしたが、SEの方々のきめ細やかなサポートのおかげで、予定通り導入/本稼働を迎えることができました。本稼働後すぐにモニターから、「『DDworks21/MD』を導入してくれて良かった!」という反響を得て、導入までの苦労が報われました。」と語るのは同グループ有林まゆみ様。
導入後、「過去の記録を画面上で閲覧できるため、治験の流れが把握しやすくなり、書類作成の効率が上がった」「Webシステムなので、デスク以外の場所でも仕事ができることが非常にありがたい」等々、多くの前向きな評価をいただきました。
カーディオ
バスキュラー
グループ
臨床開発部
有林 まゆみ 様
また、「同じシステム上で統一されたフォーマットで個々の情報が管理できるので、効率が上がりました。導入後はモニターがモニタリング情報を登録後、リアルタイムに第三者がシステム上で進捗状況の確認をさまざまな角度から行えるので、モニターが独自の管理ツールを作成する手間や時間が省け、部内で各治験の管理体制が強化されました。」と同グループ深瀬雅子様によると、運用面でも業務効率の向上が得られています。
ハスキン様も「治験の立ち上げから進行管理、必要なプロセスの確認等が一括してできるため、治験の申請から書面調査までにかかるグループ内の期間と労力を大幅に削減することに貢献しています。さらにGCP業務の管理にシステムを導入したことで、均一な品質でデータチェックが行え、一貫した高いレベルでの品質の確保をサポートしてくれています。」とコメントしています。
カーディオ
バスキュラー
グループ
臨床開発部
深瀬 雅子 様
今後、富士通システムズ・ウエストの展開としては「モニター側からの意見も吸い上げながら、より当グループに適した運用を検討し、DDworks21を効率的に活用していきたい」(深瀬様)、「医療機器の特性に鑑みたシステムへさらなるレベルアップを期待したい」(有林様)とのご要望にお応えし、サポート/開発の充実とサービスレベル向上を実現させていきたいと考えております。
最後に、ハスキン様は「患者様により多くの治療選択肢となる治療法の提供を目指し、当グループの臨床開発活動を充実させていきたいと考えています。今後もDDworks21がより一層医療機器治験へ対応したシステムになることを期待します。」と、大きな期待をお寄せいただきました。
富士通システムズ・ウエストは、このご期待に応えるべく、今後も日本メドトロニック株式会社カーディオバスキュラーグループ様をはじめとする医療を開拓されるお客様を全力でサポートしてまいります。
日本メドトロニック株式会社の皆様と富士通システムズ・ウエストプロジェクトメンバー
*1 GCP: "Good Clinical Practice"の略。臨床試験の実施基準
*2 PMDA: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
日本メドトロニック様は米国に本拠地を置く世界的な医療機器メーカーであるメドトロニック社の日本法人。メドトロニック社は設立以来、生体工学技術を応用し、心臓疾患をはじめ、パーキンソン病、糖尿病、脊椎疾患、脳疾患等慢性疾患をお持ちの方々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす医療機器の提供を通して人類の福祉に貢献することを目指しています。
今回「DDworks21/MD」を導入されたのはカーディオバスキュラーグループ。同グループは経皮的冠動脈インターベンション(PCI)治療に使われるバルーンカテーテルや冠動脈ステント、大動脈瘤の治療に使われるステントグラフトシステムとその周辺機器、その他心臓外科手術用の製品等、心臓血管領域の治療法等を提供しています。
社名 | 日本メドトロニック株式会社 |
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所在地 | 東京都港区東新橋2-14-1 |
設立 | 1975年11月17日 |
代表者 | 代表取締役社長 島田 隆 |
従業員数 | 約880名 |
事業内容 | 医療機器の製造販売、輸入、販売・賃貸、修理、技術情報の提供 |
ホームページ | 日本メドトロニック株式会社ホームページ |
以下より、PDF版の事例紹介をダウンロードできます。
事例紹介 日本メドトロニック株式会社様 (934 KB)
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。