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サーバ仮想化の進展とストレージ管理の展望

サーバ集約の目的でサーバ仮想化が進展し、当初はテスト環境など一部のシステムに限られていた仮想化への移行が本番環境でも進み、企業における仮想化の規模は拡大。最近では基幹業務を仮想化へ移行する事例も見られるようになった。多様なシステム要件に応えることが必要な企業の仮想化環境における課題と現状から、ストレージ管理を展望する。

(注) 本連載ではIDCのレポートを基に、中小規模の企業=1~999人以下、大規模の企業=1,000人以上と定義している。(n=回答数)

I/O性能に関する管理課題が順位を上げる

サーバ仮想化環境において、ストレージ管理で課題となっているのはどのようなことだろうか。IDC調査の「サーバー仮想化環境でのストレージ管理の課題」によると、回答率の第1位は「データ量の増大」(33.5%)で、以下は「ストレージのI/O性能の向上」(31.4%)、「災害対策の強化」(28.0%)、「データ保護の強化」(21.6%)、「管理者のストレージスキルの不足」(28.0%)と続く。

前回の調査と比較すると、上位5つの項目は同じであるが、「ストレージのI/O性能の向上」の回答率が増えて順位が1つ上がっている点に注目したい。I/O性能に関しては、IDC調査の「VDI環境におけるストレージ管理の課題」においても、VDI(デスクトップ仮想化)環境の導入済み企業において「ピーク時のI/O負荷の急上昇」が第1位の課題になっている。仮想化環境を実際に構築した後、想定以上のI/O負荷の問題に直面する企業が多いことを示している。

サーバー仮想化環境でのストレージ管理の課題:従業員規模別 のグラフ

サーバ仮想化環境の進展に伴うビジネスクリティカル分野での利用

ではここで、ストレージを取り巻くサーバ仮想化環境の導入状況について押さえておく。IDC調査の「サーバー仮想化(仮想化ソフトウェア利用)の導入状況」によると、サーバ仮想化を「導入済み」の企業は2割以上を占め、特に、従業員規模が1,000~4,999人では「導入済み」3割近く、5,000人以上では4割近くが導入しており、従業員規模が大きくなるほど導入が進んでいることが分かる。また「1年以内に導入」「2年以内に導入」「検討しているが時期未定」の合計は全体で3割に達し、今後もサーバ仮想化の進展が予想される。

サーバ仮想化でどのようなアプリケーションが稼働しているかについては、IDC調査の「サーバー仮想化で稼働しているアプリケーション」によると、回答率の第1位は「データベース」(68.6%)で、以下は「Webアプリケーション」「アプリケーション開発/テスト」と続く。「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス」「ERP」「CRM」などは全体の回答率はまだ低いが、年々上昇傾向にあり、サーバ仮想化環境でビジネスクリティカルなアプリケーションが稼働するケースが増えていることが分かる。これはまた、「データ量の増大」や「ストレージのI/O性能の向上」といった、前述のストレージ管理課題へ直結していると考えられる。

サーバー仮想化で稼働しているアプリケーション:従業員規模別 のグラフ

外付型ストレージ需要の高まり

サーバ仮想化におけるストレージはどのような基準で選定されているのだろうか。IDC調査の「サーバー仮想化におけるストレージシステムの選定基準」によると、回答率の第1位は「システム価格」(55.9%)で、以下は「システムの信頼性/可用性」(48.3%)、「大容量」(28.8%)と続く。「I/O性能が高い」(15.7%)の回答率は第5位であり、VDI環境と同様、選定段階ではそれほど優先されず導入後に課題として顕在化していることが分かる。

サーバー仮想化におけるストレージシステムの選定基準:従業員規模別 のグラフ

次に、サーバ仮想化環境で利用されているストレージシステムを押さえておく。IDC調査の「サーバー仮想化環境で利用しているストレージシステム」によると、内蔵型ストレージシステムで最も回答率が高かったのは「サーバー内蔵型DASのみ利用」で、特に従業員規模の小さいセグメントでの回答率が高い。一方、何らかの外付型ストレージシステムを利用しているという回答率は7割近くに上り、この値は、非仮想化環境と比較しても大幅に高く、サーバ仮想化の普及が外付型ストレージの需要を牽引していることが分かる。また、外付型ストレージシステムだけで見ると、NASがすべての従業員規模のセグメントで第1位となっており、外付型ストレージシステムの需要の高まりが見られる。

仮想化環境全体にわたる安定した処理性能の確保を

サーバ集約を目的として進められてきたサーバ仮想化は、企業におけるICTリソース全体の最適化を目的として、ミッションクリティカルな業務を始め様々なシステムが運用され、大規模化してきている。そのためVMwareやHyper-V、Oracle-VMなど、仮想化プラットフォームとの連携機能が強化されたストレージシステムのもと、それぞれのシステムの要件を満たしながら仮想化環境を統合的に管理し、安定した処理性能を確保していくことが求められる。

富士通のストレージソリューション

富士通は、VMwareやHyper-V、Oracle VMに対応し、システム性能の向上や仮想化プラットフォームの統合管理など仮想化環境に最適なソリューションを提供します。

ETERNUS DX seriesは、VMware vSphereのディスクストレージ向けAPIである「VAAI(vStorage APIs for Array Integration)」をサポートし、VMware環境のシステム性能を向上させます。また、レプリケーションやスナップショットなどを仮想マシン単位で細かく設定できるVVOLにより、きめ細かなバックアップ運用やリソース管理を実現します。

ETERNUS TR series 仮想化環境専用ストレージは、自動QoSによる大規模な仮想化環境における安定した高い処理性能のほか、仮想マシン単位で取得可能なスナップショット機能によるサーバのアクセス性能に影響を与えない高速なデータ保護を可能にします。

ETERNUS NR series ネットワークディスクアレイは、VMwareの運用管理を効率化し仮想化環境の統合をサポートするVSC(Virtual Storage Console)により、スナップショットを使用した仮想マシンの高速バックアップを実現します。また、動的に容量を増減できるフレックスボリュームにより、容量増加の際の物理ディスクの追加を不要とし、効率的なストレージ運用を効率化させます。

掲載日:2015年8月31日

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