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ファイルデータ管理の重要性

企業が増大し続けるデータへの対応に苦慮している現状は「データ量の増大とストレージの有効活用」で述べた。増大するデータへの対応を難しくする要因として、非構造化データ、すなわちファイルベースのデータの多様化と急激な増大が挙げられる。本格化するビッグデータ時代においてデータを活用し新たなビジネスチャンスを生むためには、ファイルデータをいかに効率的に管理するかがポイントになるだろう。ファイルデータ管理のソリューションとしてファイルサーバー統合とファイル仮想化を取り上げ、それぞれの効果および課題を考察する。

ファイルデータ管理の課題

IDCによる従業員規模別「ファイルデータ管理で利用しているストレージインフラ」という調査では、「ファイルサーバーとサーバー内蔵DAS」、「NAS(ストレージベンダー)」、「NAS(周辺機器ベンダー)」との回答が企業規模問わず多い。一部、外付けDASやFC-SAN、iSCSI-SANを利用しているケースもあるが、ファイルデータは概ねファイルサーバーやNASで管理されているといえる。
では、このようなストレージを使ったファイルデータ管理ではどのような課題があるのだろうか。
従業員規模別「ファイルサーバー / NAS管理の課題」という調査では、「データ量増大への対応」と回答している企業が最も多い。

従業員規模別「ファイルサーバー / NAS管理の課題」(トップ12)のグラフ

データベースなどの構造化データは顧客管理や経理・購買など特定業務システムで生成・管理することが多く、データ量の増加が緩やかである。一方、オフィス文書・音声・動画などの非構造化データは、作成者や管理者に限定されず、急激に増大する。さまざまな業務でICT化が進むと同時に、データの多様化も進んでいる。
近年では、低価格で導入が容易なファイルサーバー・NAS製品が多数出回っている。そのため、部署ごと、拠点ごとにファイルサーバーやNASを導入することで、急増するファイルデータに対応することが多い。しかし、その結果、多種多様なデータがいろいろな種類のストレージに分散して格納されることになり、かえって運用管理に手間やコストがかかるようになってしまう。
「データの種類の多様化」「バックアップの効率化」「分散しているデータの一元管理」などは、まさにこの問題を映し出す回答といってよいだろう。

また、「セキュリティ対策の強化」「災害対策の強化」の回答が多い点にも注目したい。ファイルデータを部署ごと、拠点ごとに管理している状態では、セキュリティや災害への対策もばらばらになる場合が多い。有事の際にデータの損失等が起こらないようにするためには、ファイルデータに対するセキュリティ対策および災害対策を全社的に統一することが重要になる。

ファイルサーバー統合の導入

ファイルサーバー / NAS管理の課題に対して有効な対策の1つとしてファイルサーバー統合がある。ファイルサーバー統合とは、高性能な専用NASを導入し、ファイルサーバー機能を統合することを指す。
IDCは、従業員規模別「ファイルサーバー統合の成果」という調査を行っている。

従業員規模別「ファイルサーバー統合の成果」のグラフ

「データの一元化管理の実現」が最も多く、「バックアップの効率化」がそれに続く。また、「管理者の負担軽減」「セキュリティ対策の強化」との回答も多い。これらの結果から、ファイルサーバー / NAS管理での課題に対してファイルサーバー統合が有効であることがわかる。
また、IDCは、従業員規模別「ファイルサーバー統合の課題」という調査も行っている。

従業員規模別「ファイルサーバー統合の課題」のグラフ

「データ移行に時間やコストがかかりすぎる」「統合コストの負担が大きい」「ファイルアクセスのパフォーマンス維持が難しい」「異機種ファイルサーバーの統合が難しい」といった回答が多い。ファイルサーバー統合には拠点間、部署間の調整が必須であり、その実現にはトップダウン的なアプローチが求められる。しかし、「ファイルサーバー統合の成果」が示すとおり、そのメリットは大きい。近年、多くの企業がTCO削減を目的にICTインフラの再構築に着手しているが、サーバー統合・仮想化に比べると、ストレージ統合・仮想化はまだ普及し始めたところという感がある。これらの回答は、ファイルサーバー統合という新しい技術が浸透する過渡期であることを伺わせる。

ファイル仮想化の導入

ファイルサーバー / NAS管理の課題への有効策として、ファイル仮想化が挙げられる。ファイル仮想化は、複数のストレージを仮想的にまとめて大容量のストレージを形成し、物理的な構造を意識せずに利用可能にする技術だ。ファイル仮想化によってストレージ全体を一元的に管理することで、リソースの分配やデータの移行、バックアップなどの手間を軽減し、運用管理コストの削減が期待できる。

それでは従業員規模別「ファイル仮想化の導入目的」という調査の結果を見てみよう。

従業員規模別「ファイル仮想化の導入目的」のグラフ

「ファイルデータ管理のコスト削減」「ファイルデータ管理の効率化」「IT管理者の管理負荷の削減」「データ移行の容易化」に、「既存資産の有効活用」「異機種ファイルサーバーやNASの統合」が続く。部署ごと、拠点ごとにサイロ化された状態では、ストレージ容量の不足などの課題には個別に対応するしかない。しかし、ファイル仮想化を導入して既存のストレージを1つにまとめることで、柔軟に容量を割り当てることができるため、ストレージの利用効率の向上や、データの移行、バックアップなどの手間を軽減するなどの運用効率も高められる。

データの用途や重要性に応じたソリューションを

企業データの中心は、構造化データから非構造化データに移りつつある。ファイルベースの非構造化データは、雪だるま式に急激に増えていくと同時に、メールや電子文書、画像や動画など多種多様な形式が存在し、作成者や管理者が一定でないことから、管理が難しい。
ファイルデータを効率的に管理するには、データの重要性や機密性をしっかりと認識し、どのデータをどのように活用するかを考えたうえでソリューションを選択しなければならない。増大するデータに対して一時凌ぎでファイルサーバーを矢継ぎ早に導入すると、運用管理コストが大きくなってしまう。長期的に見たときにTCOの削減が可能かどうかを考え、ファイルサーバー統合やファイル仮想化といったストレージインフラの再構築も視野に入れて検討することが重要である。

富士通のストレージソリューション

富士通は、ファイルベースのデータを効率的に管理し、運用管理の手間やコストの削減、セキュリティの強化といった課題の解決を可能にする、高性能、高信頼性のNAS製品を提供しています。
ETERNUS NR1000F series ネットワークディスクアレイは、高性能・高信頼の専用ファイルサーバーです。NFS、CIFS、HTTPなどのファイルアクセスプロトコルをサポートしており、異なるOS間でのファイル共有を可能にします。ファイルサーバー統合に利用でき、実際にセキュリティや災害対策の強化を目的とした導入事例もあります。また、ETERNUS NR1000F series ネットワークディスクアレイとF5 ARX®シリーズの併用によりファイル仮想化を実現し、既存のストレージを有効活用して1つの大容量ストレージとして利用することで、ファイルデータ管理の効率化やコスト削減が可能になります。ファイルサーバー統合やファイル仮想化に伴うデータの移行の課題には、業務を停止せずにデータを移行するファイル(データ)移行サービスをご利用いただけます。

掲載日:2013年3月12日
更新日:2014年10月31日

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