GTM-MML4VXJ
Skip to main content

災害対策の重要性と見直し

東日本大震災とその後に続く電力不足は、多くの企業に影響を及ぼし、企業の経営を支えるICTシステムに被害をもたらした。震災後、企業は災害対策の重要性を再認識し、その見直しを迫られている。企業はどのような災害対策を実施・計画しているか、および災害対策の課題について紹介する。

災害対策の重要性を再認識

IDCは従業員規模別に、 「東日本大震災とその後の電力不足がITシステムに与えた影響」という調査を行っている。

従業員規模別「東日本大震災とその後の電力不足がITシステムに与えた影響」 従業員規模別 東日本大震災とその後の電力不足がITシステムに与えた影響に関するグラフ

この調査では、中堅中小企業の17.3%、大企業の33.4%が「震災や電力不足による電力供給の停止」と回答しており、震災だけでなくその後の計画停電による影響が広範に及んだことが伺える。また、2番目の「通信障害」に続き、「サーバー/ストレージなどのITシステムの損壊」「データセンターやサーバールームなどの損壊」「データの損失」との回答が大企業に多く、大震災および電力不足によって直接的な損害を受けた企業もあることがわかる。
震災前は、災害対策が重要であることを認識しながらも、景気後退を背景にICTシステムへの投資が抑えられていたことから、災害対策を後回しにしたり対策を立てられなかったりする企業も多かった。しかし、ひとたび災害が起こったときに対策がなければ、高い確率でICTシステムに何らかの影響が及ぶことが震災により図らずも明らかになった。
IDCは毎年「ストレージ投資の重点」という調査を行っている。この調査で「災害対策」を挙げている企業は2011年には中堅中小企業12.8%、大企業20.7%であったが、2012年には中堅中小企業18.0%、大企業31.7%と増えており、多くの企業が災害対策の重要性を再認識し始めている。

震災後の災害対策

IDC従業員規模別に、震災前と震災後の災害対策に関して調査を行っている。まず、「ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災前に導入済み)」では、「同一敷地内でのテープ保管」「同一敷地内でのシステムの多重化」「回線経由のリモートバックアップ」「災害対策訓練の実施」「遠隔地でのテープ保管」などの回答率が高い。

従業員規模別「ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災前に導入済み)」 従業員規模別 ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災前に導入済み)に関するグラフ

一方、「ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災後に実施 / 計画)」は、次のような結果になった。

従業員規模別「ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災後に実施 / 計画)」 従業員規模別 ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災後に実施 / 計画)に関するグラフ

企業が実施・計画している災害対策は、震災前とは明らかに変化している。
まず、「災害対策訓練の実施」「事業者が提供するサービスの利用」と回答している企業は企業規模に関係なく、3割以上である点に着目したい。東日本大震災では、地震、津波に原発事故と複数の災害が重なり、さらに電力不足対応のための計画停電の実施という過去に例のない事態となった。このような状況を想定し、即応できた企業は決して多くないだろう。これらの回答からは、震災時の経験を教訓に災害対策を見直し、有事に対応できるようにしたいという企業の考えが見て取れる。また、「事業者が提供するサービスの利用」との回答は、自社だけでは対応できない事態を想定した対策を考えている企業もあることを示している。
さらに、多くの企業が、「回線経由のリモートバックアップ」「サーバー(ソフトウェア)による遠隔地へのレプリケーション」「遠隔地でのシステムの多重化」「ストレージ機能による遠隔地へのレプリケーション」など、距離的に離れた場所でのデータ保護策を挙げている。震災前には同一敷地内でのデータ保護策の回答率が高かったが、同一敷地内では地震や津波、計画停電の際に、データを保護しきれない可能性がある。今後は、データを確実に保護するための条件に距離が求められるようになるだろう。

災害対策の課題

では、震災後の災害対策にはどのような課題があるのだろうか。IDC従業員規模別に、「災害対策の課題」という調査を行っている。

従業員規模別「災害対策の課題」 従業員規模別 災害対策の課題に関するグラフ

トップの「災害対策を実行するための予算の確保」の回答率は、中堅中小企業29.4%、大企業36.8%だが、これは昨年度の同様の調査とほぼ同じ結果である。災害対策の重要性を再認識したものの、限られた予算内で対応しなければならない状況は震災後も変わらないということだ。「災害対策に関わる人員のスキルアップ」「災害対策に関わる人員の確保」との回答も、昨年度とほぼ同じ割合である。災害対策を立てるのもそれを適用・運用するのも人間である以上、コスト率が高く効果的な対策を立案・実施するためにはやはり人材が重要であると言える。

投資対効果の高い災害対策を目指す

東日本大震災およびその後の電力不足は、企業にとって、災害対策の重要性を再認識すると同時に既存の災害対策を見直すきっかけとなった。IDCの調査によると、ストレージ投資の重点項目として「災害対策の見直しと強化」との回答が増えている。対策についても震災前とは異なり遠距離でのデータ保護策へのニーズが高まっており、今後は、震災による電力供給停止や通信障害などの影響を考慮し、電力会社と通信会社の異なるエリアにあるデータセンター間でのバックアップなど、広域にわたる災害対策を視野に入れる必要がある。一方で、災害対策における課題は震災前とほぼ変わらず、予算や人材の確保などだ。企業は、限られた予算や人的リソースの範囲内で災害対策の抜本的な見直しや強化を行わなければならない。

災害対策の不在は有事の際に大損害に直結しかねない。災害対策は日常的なストレージ運用の延長上に存在するものであり、データ増大への対応やバックアップの効率化といったストレージ管理の課題とも密接に関係がある。今後は、東日本大震災を教訓にあらゆる事態を想定し、利用効率の高いディスクやリモートバックアップ機能の検討、運用体制の整備などを行い、投資対効果の高い災害対策を目指すことが重要となる。さらに、災害が発生したときに速やかに対策を実践し、できる限り早く復旧するために、日ごろから有事に備えて訓練や人員の確保を行っておくことも大切である。

富士通のストレージソリューション

富士通は、災害対策のための遠隔地バックアップや迅速なデータ復旧などの機能を備えたストレージ製品を数多くご提供しております。
ETERNUS DX90 S2/DX400 S2 series/DX8000 S2 seriesはリモートバックアップを実現するリモート・アドバンスト・コピー機能(REC)を備えています。SAN環境では、I/Oレスポンスタイムを重視する「非同期モード」と災害発生時までのデータの完全にバックアップする「同期モード」を選択できます。iSCSI環境ではFCスイッチやゲートウェイ装置が不要となるため、機器の導入コストや回線費用を抑えて遠隔地へのバックアップを実行できます。ETERNUS NR1000F seriesネットワークディスクアレイは、LAN/WAN経由で遠隔地のストレージ同士でデータを複製するSnapMirror®機能、複数装置からの統合バックアップにより、効率的にデータを複製するSnapVault™機能を提供しています。
また、ETERNUS CS800 S3 デデュープアプライアンスは、データの重複排除と圧縮により、低コストで高速なディスクバックアップを実現します。拠点間での相互レプリケーションやN対1の統合バックアップも可能です。

関連情報

掲載日:2012年9月25日


ETERNUSサイトについて | サイトのご利用方法 | 総合索引

GTM-5LTXMS