GTM-MML4VXJ
Skip to main content

第11回 データ量増大への対応

今回は「データ量増大」を考える。企業のストレージ投資の理由として「データ量増大への対応」がトップに挙げられる。しかし、増え続けるデータに比例してストレージを増設しても、データを効率的に管理できるわけではない。データ量増大の対応策としてどのような点に注意すべきなのだろうか。

(注)本連載ではIDCのレポートを基に、中堅中小企業=1人~999人以下、大企業=1000人以上と定義する。

データ増大という課題

電子メール、各種ドキュメント、データベース、画像・動画など、企業ではさまざまなデータを扱う。その多様性もさることながら、増大し続けるデータ量にどのように対応すべきかがストレージ管理者の課題の1つとなる。第10回で紹介したIDCの調査結果「ストレージ管理の課題」 でも、多くの企業が「データ量の増加への対応」を課題として挙げている。
また、次のグラフのとおり「2010年度ストレージ投資の重点項目」という調査でも、ストレージ投資の理由として「データ量増大への対応」がトップとなっている。このことからも、各企業が増大するデータへの対応に苦慮している現状がよくわかる。

ストレージシステムの容量の利用率は?

続いて、外付型ディスクストレージシステムを導入している企業に対し、システム保有容量の利用率について調査した結果を見てほしい。

驚くことに、ディスクの利用率が50%未満の企業が6割以上を占める。中堅中小企業を見ると、20%未満が20.8%、20%~30%未満が22.7%という結果だ。前述のとおり、データ量増大への対応がストレージ投資理由のトップではあるが、このディスク利用率のグラフをみると、使いきっている状況ではない。 ある程度余裕をみて、業務・アプリケーションに容量を割り当てる必要はあるものの、無駄ともとれる使われていないディスク領域が多くては問題だろう。
現在、ストレージ技術の発展により、TB(TerraByte、1012バイト)オーダーのストレージを比較的安価に導入できる。ストレージの大容量化、低価格化がさらに進み、PB(PetaByte、1015バイト)時代に突入する日も遠くないだろう。だからといって、増大するデータに比例して、ストレージ容量を増やし続ければよいというわけではない。増大するデータに対応するためには、投資対効果を考えながら、どのようにストレージシステムを導入・運用するかを検討する必要があることがわかる。

ディスク利用効率の向上を可能にする技術

では、現在、企業は外付型ディスクストレージシステム容量の利用率向上のために、どのような技術を利用できるのだろうか。

実際に利用している企業は少ないが、利用率向上のためにシン・プロビジョニングおよびデ・デュプリケーションという新技術を利用したいと考えている企業が多い。
シン・プロビジョニングとは、第10回でも説明したように、物理ディスクより大きな容量の仮想ディスクをサーバに割り当てることで見た目上、大容量のストレージを利用可能にする技術のことである。シン・プロビジョニングを活用すれば、必要最小限の容量のストレージを導入して運用するスモールスタートが可能になる。
デ・デュプリケーションは、データを複数のブロックに分け、重複するブロックを排除して格納しないようにする機能だ。「重複排除」と訳されることが多い。たとえば、複数台のサーバのデータをバックアップする場合、従来の方式では各サーバのデータがすべてそのままストレージに格納される。デ・デュプリケーション機能を利用すれば、データのバックアップの際にバックアップ済みのデータとの比較が行われ、重複しているブロックは排除され、格納されない。そのため、ストレージの利用容量を大きく削減し、利用率を向上させ、ストレージの増設にかかるコストを抑えることが可能になる。

ファイルサーバ(NAS)の統合による管理の効率化

IDCは、ファイルサーバ(NAS)管理上の課題についても調査している。調査結果によると、従業員規模を問わず、「データ増大への対応」が一番の課題となっており、中堅中小企業は52.0%、大企業は46.7%が回答している。続いて課題として挙げられているのは「バックアップの効率化」であり中堅中小企業が50.3%、大企業が43.3%となっている。

たとえば、拠点や部署ごとにファイルサーバを用意している場合、サーバ間で扱うデータが重複していれば、その分ストレージの容量を無駄に使っていることになる。また、データ量が増えると、それぞれにストレージを増設して対応しなければならない。サーバの台数が多いと管理が複雑になり、運用コストが大きくなる。
このような場合、ファイルサーバを統合することで、ストレージシステムの利用率を向上させ、管理を効率化させることが可能である。

実際にファイルサーバ統合を実施しているかどうかの次の調査によると、統合を実施済みの企業はそれほど多くない。しかし、統合を計画している企業は5割以上に上る。特に、大企業では6割近くがファイルサーバ統合を視野に入れていることがわかる。

このように、増大するデータ量への対応は、ストレージ管理における最大の課題である。しかし、ストレージを闇雲に増設するだけでなく、シン・プロビジョニングやデ・デュプリケーションといった機能の活用やファイルサーバの統合により、ストレージの利用率の向上を図ることが可能である。投資に対して十分な効果が得られるように、既存のストレージ資産を今一度見直すことからはじめたい。


【参考】
ストレージの基礎用語 シン・プロビジョニング(Thin Provisioning)とは
用語解説 重複排除
用語解説 ストレージ仮想化とは

更新日:2017年5月31日
掲載日:2010年9月30日


ETERNUSサイトについて | サイトのご利用方法 | 総合索引

GTM-5LTXMS