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第10回 スキル/人材不足の課題とその対応策

「ストレージ管理にはどのような課題があるの?」「その対応策は?」「最近注目の新技術は?」など、ストレージ管理者は常にストレージに関する最新の話題に目を向けていなければならない。2009年度に引き続き本連載では、IDCによる「国内企業のストレージ利用実態調査」のデータを基にストレージ市場の最新動向を分析・考察し、ストレージ管理者にとって有益な情報をお届けする。
今回は「ストレージ管理のスキル/人材不足」を考える。管理者の課題として常に上位に挙げられるが、どのような対応策がとられているのだろうか。

(注)本連載ではIDCのレポートを基に、中堅中小企業=1人~999人以下、大企業=1000人以上と定義する。

企業が直面するストレージ管理の課題

企業データの有効活用、情報資産の保護のためには効率的なストレージ管理が必須であることは言うまでもない。ストレージ管理者は、投資対効果を考えながら、年々増加の一途をたどる企業データにいかに対応していくかに頭を悩ませている。
では、企業では実際にどのようにストレージシステムを運用しているのだろうか。IDCの調査では、「ストレージシステムの運用形態」についての質問に対し、「自社内に所有し、自社運用する」を回答した企業が圧倒的多数を占めている。

このような状況下で、ストレージ管理者はさまざまな課題に直面している。

「バックアップの効率化」「データ量の増加への対応」「災害対策」に続き、「ストレージ管理者の不足」「ストレージ管理者のスキル不足」を課題として挙げている企業が多い。ここでは、「ストレージ運用/管理コストの削減」「ストレージ運用/管理の効率化」より上位にきている点に注目してほしい。これは裏を返せば、運用/管理のコスト削減および効率化を実現するためには、ストレージ管理のスキルを備えた人材が必要であると言える。

ストレージソフトウェアの導入

対策の1つとして、ストレージソフトウェアの導入が考えられる。最近では、デバイス専用管理ツールという位置付けを脱し、バックアップ、レプリケーション、システムの構築・管理など、目的に応じてざまざまな機能を備えた製品が提供されている。また、直感的でわかりやすい操作により管理作業を実施できるものが多く、管理者のスキル不足、管理者不足を補う意味でも有効である。次に示すグラフからもわかるように、「ストレージソフトウェアの選択基準」という質問に対し、多くの企業が「運用の容易性」と回答している。

ストレージソフトウェアは、用途に応じてバックアップ、レプリケーション、ストレージリソース管理などに分類できる。大容量ストレージを多数扱う大企業では、ストレージソフトウェアの導入が進んでいる。

新技術の導入-シン・プロビジョニング

ストレージ管理者は、データの増加に合わせてどのようにストレージの容量やデバイスを追加していくかを考えなければならない。キャパシティプランニングが適切でなく、予測以上の速度でデータ量が増加した場合は、すぐに容量不足のためにデバイスを追加しなければならなくなり、その分余計なコストがかかる。逆に、容量不足を心配して最初から大容量のストレージデバイスを導入しても、長期間その大部分が未使用であればその分のコストが無駄になり、投資対効果が十分とは言えなくなる。
シン・プロビジョニングは新しい仮想化技術の1つで、物理ディスクより大きな容量の仮想ディスクをサーバに割り当てることで、見た目上大容量のストレージを利用可能にする。ストレージデバイスの数を必要最小限に抑えられるため、コストおよび管理作業を軽減できる。また、個々のサーバの割り当てといった管理のスキルや経験を必要とするキャパシティプランニングが不要になるという効果もある。
IDCの調査ではシン・プロビジョニングを導入した企業にその選択基準を質問している。「管理者の作業負荷の軽減効果」が2番目に多い回答であることに着目してほしい。

スキル教育、人材育成の強化

IDCの調査では、前掲の「ストレージシステムの運用形態:現在」において「自社でシステムを所有せず、外部事業者サービス利用」と回答した企業にその理由を質問している。その回答には「IT管理者不足への対応」「IT管理者のスキル不足への対応」が含まれており、回答率も20%以上である。つまり、ストレージ管理のアウトソーシングも、スキル/人材不足の対応策の1つと言える。
このようにいくつかの対応策が考えられるが、いずれも根本的な解決策ではない。ストレージ管理に限らず、スキル/人材不足という課題は、「スキルを習得した人材を育成する」ことでしか解決しないのである。スキル教育、人材育成の強化を基本としたうえで、スキル/人材の不足を補うための効果的な対応策を選択することが重要となる。

富士通のストレージソリューション

外付けのディスクをサーバにつなぐ感覚でストレージを使う!

ストレージに関して「うまく管理できない」「導入したいが対応できる人がいない」など、お客様よりお悩み・ご相談が寄せらます。富士通では、お客様のそういった課題を解決し作業負担を軽減する、各種ストレージソフトウェア製品を提供しております。

中でもETERNUS SF Expressは、中小規模システムにおけるストレージ導入のニーズに応えて、導入経験がなくても簡単にディスクアレイの導入・運用管理ができるウィザード形式の設定画面を提供。ディスクアレイのサーバへの割当を簡単に行うことができます。つまり、シンプルな小規模ネットワーク環境では、外付けディスクを直接サーバにつなぐ感覚でストレージが使えるのです。

また複数台のディスクアレイ構成でも、簡単設定を実現。ストレージ統合管理ソフトウェアETERNUS SF Storage Cruiserを使用することで、導入・管理の手順を大幅に軽減し、人的ミスを減らすことができます。SANの構成や状況をグラフィカルな画面で表示するため、現状や問題点を即座に把握可能。さらに、シン・プロビジョニング機能を使用することで、使用量についての厄介なキャパシティプランニングの手間をかけず、必要に応じてディスク増設が可能です。

富士通では、さまざまなお客様のご要望に応えるために今後も、ストレージソフトウェアの機能や製品の拡充を図ってまいります。

富士通のストレージ・ソリューション

関連情報


【参考】
ストレージ基盤ソフトウェア ETERNUS SF
ETERNUS SF Express 特長・機能
ETERNUS SF Storage Cruiser 特長・機能
用語解説 シン・プロビジョニング(Thin Provisioning)とは

掲載日:2010年8月18日


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