日々増大していくデータ量と、複雑化していくシステム・・・従来以上にシンプルで容易なシステム運用を実現するためには、効率的で確実なデータ管理が欠かせません。SPARC/Solarisサーバは、製品に標準実装されている機能だけで、ビジネス状況の変化に柔軟に対応した、頼れるシステム運用をかなえられます。
Oracle Solarisには、優れた運用性機能が装備されています。
どれも追加オプションとして購入する必要はなく、OSに標準実装されている機能です。
Oracle Solaris ZFS ファイルシステム(以下ZFS)は、Oracle Solaris 11の標準ファイルシステムです。Oracle Solaris 10までは、Oracle Solaris UFS ファイルシステム(以下UFS)が標準ファイルシステムでしたが、Solaris 10 6/06からZFSも使えるようになりました。ZFSは、UFSよりも簡単に使えて、機能も充実しています。
ZFSは、ストレージプールという概念で物理ディスクを管理します。従来のファイルシステムでは、ファイルシステムごとに物理ディスクが区切られ、ファイルシステムのサイズ拡張などが困難でした。ZFSでは、物理ディスクを1つのストレージプールとして利用することができます。そのため、ファイルシステムのサイズ拡張も、ストレージプールへ新たな物理ディスクを追加するだけで対応できます。
複数の物理ディスクで構成されるZFSのファイルシステム(ストレージプール)は、いつでもディスクを追加できます。
ZFSコマンドを利用して、業務停止することなく物理ディスクをファイルシステムへ追加できるため、急な容量拡張にも柔軟に対応できます。システム設計時に、パーティション構成やファイルシステムのサイズを決める必要はなく、物理ディスクの追加もオンラインのまま行うことができます。
ZFSでは、「スナップショット」というファイルシステムの読み取り専用コピーを作成する機能があります。
このスナップショットを活用することで、パフォーマンスに影響を与えず、データ量を圧迫することもなく、瞬時にファイルシステムの複製 / バックアップ / リストアなどが可能です。ZFSの活用で、ストレージの効率的な運用が実現できます。
スナップショット機能
バックアップ / リストア機能
SPARC M10には、サーバ本体を制御し、サーバを起動・停止させたり、正常に稼動しているのかどうかを監視することができえるXSCF(eXtended System Control Facility)というシステム監視機構が備わっています。
CPU・メモリ・ディスク等の主要部品や、ファンの回転数や装置内の温度など、サーバ内の状態を常に監視し、異常が発生した場合は、システムの情報をXSCFに蓄積し、システム管理者にはメールによる通知を行うことができます。いち早く状況を把握し、迅速な対応を行うことができます。
XSCFは、Webブラウザからシステムの監視・制御を行うことができるため、容易な運用が可能です。コマンドラインでの制御も可能なため、管理者の使いやすい操作方法を選ぶことができます。
UNIXサーバ SPARC M10は、仮想サーバ(Oracle Solarisゾーンや、Oracle VM Server for SPARC)でも物理サーバ同様の運用が可能です。
サーバやストレージ、ネットワークなどのシステム構成要素を冗長化し、迅速な異常検出、業務のフェイルオーバ、異常箇所の縮退を自動的に行うFUJITSU Software PRIMECLUSTERと、SPARC/Solarisサーバを組み合わせることで、仮想環境間でのクラスタ構成を可能にし、システム全体の高信頼性を向上します。
停電やメンテナンスのために、サーバやストレージ、ネットワークなどのシステム構成機器を停止する場合、各装置を正しい順序で停止させる必要があります。たとえば、ストレージ機器に接続しているサーバを停止する際に、サーバより前にストレージの電源を停止させてしまうとデータを消失する恐れがあります。
SPARC/Solarisサーバは、標準搭載されている電源連動機能(RCIL)を活用し、富士通が提供する複数のシステム構成機器との電源連動を可能にし、事前に策定した順序通りの電源断/起動を自動的に実現できます。
また、単一のサーバ内において複数の仮想サーバを集約している場合でも、アプリケーションサーバやWebサーバを停止させてから、データベースサーバを停止させるなど、停止順序を決めておかなくてはならない場合があります。
SPARC M10であれば、仮想化機能 Oracle VM Server for SPARCの優先度順シャットダウン機能を活用することで、ゲストOSの停止順序を指定し、確実にシステム全体を安全に停止させることができます。
「UNIXサーバは、CUIで操作するから難しい・・・」と思われている方もいらっしゃると思いますが、UNIXサーバも、Windowsサーバと同じように、GUIによる容易な操作方法での運用が可能です。
富士通の管理ソフトウェア「ServerView Resource Orchestrator」はUNIXサーバ SPARC M10だけでなく、PRIMERGYやPRIMEQUEST、ETERNUS等も含めたマルチプラットフォームに対応し、シンプルで統一的なサーバ管理が可能です。仮想環境やプラットフォーム毎に異なる操作・監視を共通化することで、煩雑さを解消でき、リソースの有効利用を実現できます。
掲載日:2017年8月16日