Skip to main content

Fujitsu

Japan

最先端のテクノロジーでコストを削減 エコサーバ「SPARC Enterprise」

SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。

最先端のテクノロジーでコストを削減 エコサーバ「SPARC Enterprise」

2009年5月13日

ネットワーク社会の発展に伴い、企業が処理しなければならないデータ量が急増しています。それに対して企業は、主にサーバを増設することで対応しています。しかし、このためサーバ機器の消費電力の増加が新たな問題になっています。消費電力の増加は、企業における運用コストを増大させるだけではなく、CO2排出量の増加にも直結しているため、地球環境への影響も大きくなってきています。
これらを解決するためのキーワードが『Green of IT』と『Green by IT』の2つです。

  • Green of IT」:IT機器自体の消費電力を抑えることにより環境負荷軽減を目指す取り組み
  • Green by IT」:ITの活用によってCO2排出量の削減に貢献する活動

富士通とサン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン社)は、これら2つの両面から環境問題解決に貢献するために、両社の最新技術を組み合わせたUNIXサーバ「SPARC Enterprise」を提供しています。

「Green of IT」:省電力/省スペースを実現するSPARC Enterpriseサーバ

SPARC Enterpriseサーバは省電力/省スペースによるコスト削減と、それに伴う地球環境への負荷軽減を実現するために、次の3点に着目して開発されました。

  • マルチコア/マルチスレッドプロセッサによる高性能・低消費電力の実現
  • コンポーネントの省電力/省スペース化の実現
  • 優れた仮想化技術による省電力化の実現

マルチコア/マルチスレッドプロセッサによる高性能・低消費電力の実現

サーバの心臓部であるプロセッサは、動作クロックを向上させることで性能向上が可能ですが、同時に消費電力が増加してしまいます。この消費電力と性能の問題を解決するのが、マルチコア/マルチスレッドプロセッサです。
マルチコア/マルチスレッドプロセッサでは、動作クロックを向上させて処理時間を短縮させるのではなく、多くのスレッドで複数の処理を並列で行うことにより、単位時間当たりの処理能力を向上させます。それにより消費電力の増加を抑えつつ、処理性能を大幅に向上させることが出来ます。

SPARC Enterpriseサーバに搭載しているマルチコア/マルチスレッドプロセッサは、並列処理によるプロセッサ性能の向上と、消費電力を削減するためのテクノロジーにより、「高性能」と「低消費電力」という相反する要件を両立させています。
SPARC Enterpriseサーバには、SPARC64™ VI/VIIとUltraSPARC T1/T2/T2 plusの2つのプロセッサラインがあります。
SPARC64 VI/VIIプロセッサは、バッチ処理などの基幹系業務の処理に最適な性能特性を持ったプロセッサであり、UltraSPARC T1/T2/T2 Plusは、webフロント系業務の処理に最適な性能特性を持ったプロセッサです。
このように、それぞれ性能の特性に違いはあるものの、どちらのプロセッサラインも、コア数/スレッド数を増加させることで性能向上を実現しています。その一方で、性能当たりの消費電力を減少させています。


※:OLTPベンチマーク値より

コンポーネントの省電力/省スペース化の実現

SPARC Enterpriseサーバでは、サーバ全体の省電力化のために、プロセッサだけでなく、以下のようなさまざまな省電力技術を駆使しています。

  • 省電力/省スペースなコンポーネントの採用
  • 高密度実装による部品点数の削減
  • 筐体内の冷却効率化による冷却部品の削減
  • 温度変化によりファンの回転数を柔軟に制御

省電力/省スペースなコンポーネントを採用することは、サーバ全体の消費電力や筐体の大きさを抑えることに有効です。
これにより、電気代や空冷のためのコスト、占有スペースなどの運用コストやCO2排出量の削減に繋がります。

また、サーバの筐体内の冷却に必要なファンに着目すると、SPARC Enterpriseサーバでは外気温度によってファンの速度を多段階に制御することで、消費電力の削減を行っています。
SPARC Enterprise M5000では、高速回転/中速回転/低速回転を切り替えることにより、高速回転時に比べて、中速回転では30%、 低速回転では52%の消費電力削減を実現しています。

SPARC Enterprise M3000では、さらにきめ細かく、9段階の制御を行っており、ファンに必要な消費電力を大幅に削減させています。
これらの取り組みの結果、SPARC Enterpriseサーバは、他社のUNIXサーバに比べて省スペース/省電力を実現しています。

優れた仮想化技術による省電力化

サーバ機器単体での省電力を追求しても、効率よくサーバを使用しなければ、システム全体としての省電力化は望めません。そこで重要となってくるのが、仮想化機能を用いたサーバリソースの使用率向上です。
仮想化機能により、今まで使っていた複数のSolarisサーバを1台の最新SPARC Enterpriseサーバに統合することで、サーバ台数を削減することが可能となります。
これにより、消費電力を大きく削減することが出来、その結果、CO2排出量も大きく低減することが可能となります。また電力コストだけでなく、設置スペースの削減などの運用コストについても大きく削減することが可能となります。

SPARC Enterpriseサーバでは「ハードウェアパーティショニング」「LDoms(Logical Domains:論理ドメイン)」「Solarisコンテナ」という優れた仮想化技術を標準で提供しており、容易にサーバ統合を行うことが可能です。またお客様の業務特性に合わせて、これらの仮想化技術を用いてサーバ統合を行うことにより、お客様におけるITインフラの最適化を進めることが出来ます。

「Green by IT」:大幅なCO2排出量削減を実現するソリューション

現在、日本の電力消費の中で、IT機器が占める割合は5%程度とそれほど大きくありません。
残り95%の分野に対して、IT機器を積極的に活用することにより、人・物の移動や物の消費を減らし、電力消費やCO2排出量を削減することが可能です。この環境に対する取り組みが、『Green by IT』です。

富士通では、さまざまなITソリューションをお客様に提供し、業務の効率化をご支援すると共に、環境負荷の低減にも貢献します。
ITソリューションを導入することにより、以下のような環境効果が期待出来ます。

  • 人・物の移動機会の減少による「燃料・エネルギー消費の削減」
    eラーニングソリューション等
  • 在庫の最適化や物流センターなどの効率的な利用による「運用・管理に費やすエネルギーの削減」
    POSシステム・生産管理システム等
  • ペーパーレス化などによる「資源消費の削減」
    電子配信・電子出版ソリューション等

富士通では、教育インフラ「FUJITSU NetCampus」を活用し、eラーニングを実現いたしました。
インターネットを経由し、全世界28カ国、富士通グループ185社の社員が、「FUJITSU NetCampus」を活用し、自席や自宅で教育を受けることにより、人の移動や紙の消費量などを大幅に削減させています。
この「FUJITSU NetCampus」は、SPARC Enterpriseサーバの集約により、従来システムと比較して、電力消費量(CO2排出量)、設置スペースの半減など環境負荷低減に取り組んでいます。

事例: FUJITSUユニバーシティ 導入事例

FUJITSU NetCampusの規模拡大に伴い、サーバ増加による運用負荷増大と、国内と海外での利用者数の違いによるサーバリソースの使用率の偏りが問題となっていました。Solarisコンテナによりサーバ集約が実現でき、CPUやメモリなどの使用効率の向上や負荷変動への対応などリソースの有効活用が可能となる点がポイントでした。

また、富士通とサン社は、データセンターやIT機器のエネルギー効率改善を推進するIT業界の非営利団体「The Green Grid」に参加しています。米国サン・マイクロシステムズは本団体の意志決定を行うボードメンバーとして、富士通は技術作業部会に参画するコントリビューターメンバーとして、これまで両社で培ってきた各種のエネルギー効率に関するノウハウ手法や技術的蓄積を、業界基準などの策定や標準化に役立てて、貢献していきます。

富士通とサン社は、お客様のコスト削減と、地球環境への負荷軽減を実現するため、今後もSPARC Enterpriseサーバの共同開発を展開していきます。


[注記事項]

  • 掲載内容は発行日時点のものです。