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Fujitsu

Japan

SPARC EnterpriseとOracle Database 11g性能検証

SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。

SPARC EnterpriseとOracle® Database 11gとの組み合わせで高性能を優れた親和性・性能・信頼性を実証

2008年5月27日

急速に増え続けるデータやデータ統合需要への対応、運用管理コストの削減、システムの安定稼動など、お客様は多くの課題を抱えています。最新型データベース「Oracle® Database 11g」は、これらの課題を解決し、「攻めの投資」を可能にします。

このたび、日本オラクル株式会社と当社は、Oracle Database 11g とSPARC Enterpriseとを組み合わせた性能検証を実施し、データ・ウェアハウスシステムや、DR(Dynamic Reconfiguration)を使用したOLTP(オンライントランザクション処理)環境において、性能向上を確認しました。

SPARC Enterpriseは、PRIMEPOWERで培われてきたOracle Databaseと当社UNIXプラットフォームの親和性を受け継いでおり、Oracle Database 11gの組み合わせにおいて、高性能・高信頼性システムを実現しています。

データ・ウェアハウスシステムにおける性能向上

データ・ウェアハウスシステムにおいて、Oracle Database 11gの持つデータ・セグメントの圧縮機能と、ASM(Automatic Storage Management)による動的なディスク追加およびデータのリバランスが、性能向上に有効であることを検証しました。

データ・セグメント圧縮機能による性能向上

データ・セグメント圧縮機能は、データ・ウェアハウスシステムにおける膨大なデータを圧縮し、データ量を減らすことでストレージを有効活用する機能です。また、必要なデータを読み込むためのI/O量も削減されるため、システムの性能向上にもつながります。

図1では、データ・ウェアハウスシステムを想定した18種類のクエリについて、圧縮時と非圧縮時での実行時間を示しています。圧縮時は、ほとんどのクエリにおいて実行時間が短縮されており、性能向上を実証しています。

図1 データの圧縮/非圧縮時のクエリ実行時間

ASMによる性能向上

ASMは、データベースで使用されるディスクを管理する機能です。複数のディスクへのストライプやミラーリング等の機能に加え、ダイナミックにディスクの構成を変更できるリバランス機能を備えています。これにより、業務データベースを停止することなく、ディスクの追加や追加したディスクに対するデータの再分散が可能です。通常、ディスク増設時に必要とされる、「データの退避」、「ディス クの追加および構成」、「退避させたデータの再ロード」、「索引の再作成」、「統計情報の再収集」などの煩雑な作業も不要となります。

本検証では、RAIDグループ構成を追加してデータをリバランスした結果、18種類のクエリの実行時間が短縮していることを確認しました。

図2は、データ格納に使用するRAIDグループを、1つから2つ、2つから4つへ追加し、リバランスを実施していることを示しています。

図2 ディスク(RAIDグループ)追加とデータのリバランス

図3は、図2に示した3種類のRAIDグループ構成における、18種類のクエリの実行時間を示しています。データベースのデータは、ディスクを追加しただけではもとの格納先からデータが読み込まれるため、クエリの性能は向上しません。しかし、ASMによって、追加したディスクにデータが再分散され、ディスクからの読み取り性能が向上するため、クエリの実行時間が短縮されています。

図3 RAIDグループ構成別、クエリ実行時間

このように、ASM環境ではディスクの負荷分散による性能向上が可能であり、ダイナミックなディスク構成変更により、ディスクの管理コストも削減できます。

OLTP環境におけるDR機能を利用した性能向上

OLTP環境において、SPARC EnterpriseのDR機能を利用してハードウェアリソースを動的に追加した際のデータベース性能への影響を評価しました。

DRは、SPARC Enterpriseにおけるパーティション運用時に、CPUやメモリ、I/Oなどのハードウェアリソースを、システムを動作させたままパーティション間で移動させることができる機能です。業務拡張や新規業務の追加などの要求に対して、リソースの追加や配分を行うことができます。

図4 データベースサーバのCPU使用率

図4はデータベースサーバのCPU使用率の時間遷移、図5はデータベース処理のスループットとレスポンスタイムの時間遷移を示しています。

2CPUの状態では、CPU使用率が100%に近くなっています。この状態から、DR機能を使用して、CPU数を3CPU、さらに4CPUに増やします。 CPUを追加したことで、CPU使用率が減少し、レスポンスタイムが大幅に改善されています。レスポンスタイムが改善したことで、スループットも向上しています。

図5 データベース処理のスループット/レスポンスタイム

このようにSPARC EnterpriseのDR機能を使用することで、データベース処理を停止することなく、システムの負荷量に応じて、柔軟にリソースを配置することが可能であることが実証されました。

本検証により、SPARC EnterpriseとOracle Database 11gは、システムを停止・再起動させることなく、安定して常に高いパフォーマンスを提供することが確認されました。増え続ける大量のデータと、それに伴って増大する処理に対応した高性能・高信頼なシステムを実現するため、日本オラクル株式会社と当社は今後も密接にアライアンス活動を展開してまいります。

図6 SPARC EnterpriseとOracle® Database 11gによる検証環境

Platform Solution Centerにおいて、SPARC EnterpriseとOracle Database 11gの検証をご実施いただけます。


[注記事項]

  • 掲載内容は発行日時点のものです。
  • Oracleは、米国オラクル・コーポレーション及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。